67話 出会ったのは変人
〜前回のあらすじ〜
次で最後の依頼だー!
「ごめんくださーい、冒険者ギルドの依頼できました!」
最後に訪れたのは街中の一軒家だった。別段変な所は見当たらない。あとは⑨のマッサージして!と、⑩の本の返却手伝って!だけだ。
「はーい、今でます」
出てきたのは丸眼鏡をかけ、パーマをかけた茶色の髪を肩まで伸ばした女性だった。
「こんにちは、ギルドから来ましたケイと言います」
「あらあら、どうもこんにちは。どうぞ中に入って」
「お邪魔します」
家の中は実験器具で溢れていた。紫の液体の入ったビーカー、山積みの本、何故か物凄い勢いで車輪の中で走るマウス。まさにマッドサイエンティストの研究所のようだった。
「自己紹介がまだだったわね。私はタミア、マッドサイエンティストなよ」
自分で言うんかーい!
「ふふっ、冗談よ」
「なんだ冗談か……」
「じゃあ、取り敢えず裸になってあそこに立って」
「冗談だよね!?」
「ふふふっ……チッ」
「舌打ち!?冗談じゃなかったの!?」
「ふふふっ、冗談よ」
「もう冗談に聞こえねぇよ!」
「たしか依頼内容は……」
「この状況で進めるの!?」
結構ヤバイ人かもしれないな……。
「マッサージと本の返却の手伝いと実験の協力だったわね?」
「なに最後の!?知らない!知らないです!」
「ちょっとだけだから、ね?いいよね?」
「良いわけねーだろ!?」
「チッ、またっくしょうがないな。これだから最近のガキは……」
「え!?なんでキレてんの!?もう帰るぞ?」
「あーごめんごめん、冗談だから。ちょっとキレたら実験に協力してくれるかなーって思っただけだから!」
「たち悪すぎだろ!!」
「ちなみに実験に協力する気は?」
「今の流れのどこにいけると思う要素があったの!?ビックリだよ!」
さっきから全然話が進まない。この人はほっといて依頼を進めようかな?
「じゃあ依頼を進めますね。まず本を先に運びましょうか?」
「ん?……ああ、そうだね!」
……こいつ完全に忘れてたな。
「どの本を返却する予定ですか?」
「この一山かな」
「そんな本の数え方、初めて聞いたよ」
そこには俺の目線ほどの小さな本の山があった。……台車があればいいなぁ。
「ここの本でいいんですか?」
「うん、そう。じゃ、ちゃっちゃと始めようか」
と言って本をまとめ始めた。
「お?この本は懐かしいな。お、これも昔よんだな。あ、この本おもしろかったんだよね」
そう言って本を読み始めた。なるほど、これは進まないな。
「どうやって運びましょうか?あのー?ねえ?おーい。おーーーい!おいタミア!!!」
「ん?最初から呼び捨てとは、なかなか攻めるね」
「もういいから……どうやって運ぶの?」
「お、敬語が取れたね」
「タミアに敬語はいらないでしょ?」
「ご名答!じゃあ本を運ぶ方法だけど、この鞄に入れて一気に運ぼうか」
「え?一個しかないよ?まさか俺に全て運べと?」
「そうだね」
「……分かった、依頼だからね」
俺が嫌がったのには理由がある。モナも持っていた見た目よりも入る鞄は、便利だが物凄い欠点がある。荷物を入れただけ重くなるだ。え?普通じゃね?って思った人、普通だよね。でもここはファンタジーの世界だよ?重さ無くせよー!
更に本を一山入れる。はい絶対重い!!
「入れたから運んで」
「早いな」
「まあね!」
「……少し運ぶの手伝ったりって」
「ないね!見なよこの筋肉の無さ。3冊も持ったら折れるよ?」
「そんなわけねぇだろ!ったく、分かったよ。依頼だからね」
そんな訳で鞄を持って……持って……もっ……
「うおおおらあああぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「おお、すごい!持ち上がった!」
これはキツイな。魔力操作で身体強化をフルに使ってギリギリだ。一瞬でも気を抜いたら本当に潰れる。
「さあ、返却へレッツゴー!!」
「……」
黙ってついて行く。こいつ後でぶん殴りたいと思ったのは秘密だ。
♢
「はい到着ー!」
「よっこいしょっと、すいません!本の返却をしたいんですが!」
ようやく着いた。20分くらいで着いたな。普通に歩けば5〜10分くらいで着くんだろう。
「はい、預かりますねー」
ドサドサドサッ!!
「!!!」
「そりゃそうなるわ」
「タミアさん!!またですか!?一気に返却しないでください!2、3冊読んだら返しに来ればいいじゃないですか!」
「ごもっともで」
その後、俺たちはタミア宅に戻った。
緑茶のみたい_:(´ཀ`」 ∠):




