52話 シオン・エメラルド24時…④
〜前回のあらすじ〜
シオン、運ばれる。
シオン、笑顔にドキッとする。
シオン、不意打ちで跳ばれる。
「イヤーーーーッ!!!」
「うるさい」
「んむーー!!」
ひ、酷い! 不意打ちで跳んでおいてうるさいだなんて!!
「うーん、距離が足りない。このままだと手前に落っこちるな」
なんだって!!?
「んむーー!!?」
「大丈夫だよ」
《エアー》
ケイは風の魔法を巧みに操り、自分の推進力にしていた。
す、すごい! こんなことも出来るんだ……!
「はい、到着ー!っとと」
スタンッ!
「んむーー!!」
「あ、ごめん」
「ぷはっ、ちょっと! あんなタイミングで跳ばないでよ! 声、出ちゃったじゃないか!」
「さて、お母さんの所へ行く算段をつけようか」
「ボクの話を聞いてよーー!!」
あ、またヨダレにまみれた手を凝視してる!
「あ! また舐めるつもりでしょ! そうはさせないよ!」
「あ!ちょっ!!」
こんなのさっさと拭ってやる!
あれ?ケイの顔が赤い?なんで?……あ!
ボクはケイの手を胸に押し付けているみたいになっていた。いや、実際に押し付けている。
「あ! い、いや…これは…違くて……」
自分の行動が恥ずかしくてたまらない。
「わかったわかった。大丈夫、シオンが痴女だってことは内緒だよね?」
「ちっがーーーう!!ボクは痴女じゃない!!」
「え? 5歳児に無理矢理胸を触らせてくるのに痴女じゃないの?」
な、なんでそんなこと言うの? でも、言い訳出来なくて……
「い、いや本当に…気付かなくて……うえっ」
あ、泣きそう……
「あー、ごめんごめん。違うよね、痴女じゃないんだよね?分かってるよ」
座り込んでいるボクをケイが優しい抱きしめてくれる。
「意地悪してごめんね?わざとじゃないって分かってるからね」
な…なんで急にそんな優しくしてくれるの?
さっきのは許してくれるの?
「う……うえっ……」
そんなに優しくされたら……優しく…されたら……
「はーいはいごめんね、俺が悪かったね」
「うぇーーーーーーーん!!!!」
安心して泣いちゃうに決まってるじゃないか!!!
ケイが背中をポンポンしてくれる。そんな事されたら、ケイの温もりを感じて更に安心してしまうに決まっているのに。
「うぇーーーーーーーーーん!!!!」
シオンは筆がのります。何でだろう?




