43話 シオン・エメラルドとの出会い
〜前回のあらすじ〜
モスグリーンの瞳を持つ人物を追う途中、ケイは悲鳴を聴き、駆けつける。
そして戦闘へ。
2人の男から助けた少女はケイの追う人物だった!
「ん? あ! お前は!」
助け出した少女はモスグリーンの瞳を持っていた。
「ヒッ……!!」
「あ、すみません大きな声を出して。怖い人たちはもうやっつけましたから大丈夫ですよ」
そう言うと、少女は驚いたのか、瞳を大きく見開く。
「えっ……貴方がやったの?」
「ええ、まぁ。それよりどこも怪我してませんか?」
少女を袋から出して怪我をしていないか確認する。
少女の手足は白く、触れれば折れてしまいそうだった。白金色の髪は傷んでおり、モスグリーンの目の下にはクマがある。
服は麻の薄汚れた貫頭衣を着ており、首には無骨な黒い首輪がついていた。
「あ、あの……」
「ん? なんですか?」
「助けてくれてありがとうございます……」
「どういたしまして。失礼ですが、お名前を教えてくれませんか?俺はケイ、ただのケイです」
「ボクはシオン、シオン・エメラルドです……」
「よろしくお願いします、シオン。良い名前ですね」
「あ、ありがとう」
うーんおどおどしてるな…。まぁ、あんな目にあったら無理もないか。
「ここじゃなんですから、場所を移しませんか?」
「え、でも……」
「大丈夫ですよ、危害は加えませんから。立てますか?」
「あ……」
俺はシオンの手を取り立たせる。
「…どこへ行くの?」
「上です」
「へ?」
俺はシオンを抱え上げると魔力を脚へ集中させ、上へ跳んだ。
「きゃああ!!!」
一階建ての建物の上に着地する。そのままどんどん家の上を飛び移っていく。
「イヤーーーーッ! 死ぬ! 死んじゃうって!!」
シオンが叫んでいる。
ん? なんだか嬉しそう? ジェットコースターみたいな感覚なのかな?
「シオン、少し黙っていてください」
「んむーー!!」
シオンの口を首に回していた手で塞ぐ。
結構この体勢、キツイな。そろそろ降りようかな。
ストンッ!
「はい、着地ー!」
「ハッー!ハッー!し、死ぬかと思った……」
と言いながらも、口の端が釣り上がっている。
「そんなに楽しかったですか?」
「た、楽しくなんか……」
「顔は笑ってますよ?」
「ち、違っ…これは」
「ま、いいですよ」
絶叫好きの女の子は前世でも結構いたし。
「それよりも貴方の置かれている状況について教えてくれませんか?」
「え?」
「乗り掛かった船です。力にくらいはなりますよ。こんななりですが、そこそこ強いのはさっきの戦闘で分かったでしょう?」
5歳児に任せろって言われても困るだろうけどね。(笑)
「えっと、それじゃあ…。 ボクはスラム街の重鎮のドン・ドヤードの所で奴隷になって、それで逃げて来たんだ。でもね、それはわざとで…えっと……」
説明ヘタだなー。まぁ大体わかった。ドン・ドヤードって奴の奴隷にさせられて、そこから逃げて来たってことだね。
「えっとね、それで、捕まえた人にはご褒美があって、それで追われていたんだ。」
なるほど、さっきの奴らのことかな?
「それから…ドン・ドヤードの所にボクのお母さんがいて、だから…えっと…一緒に帰りたいと思ってるんだ。よ、よかったら一緒にドン・ドヤードの所に連れて行ってくれませんか?」
ん?あー、お母さんがドン・ドヤードの所にいるから助け出して一緒に帰りたいと……。
「わかりました。俺で良ければ力になります」
「あ、ありがとう!」
こうして俺はシオン・エメラルドと共にドン・ドヤードの所にいるシオンのお母さんを助けに行くこととなった。
ふー、かけた。
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