13話 変態どもの巣窟
いや〜もっとシリアスにしようとしたら困難になっちゃった(笑)
「ヘッヘッヘッ! やっと追いついたぜ!!!」
俺は今、絶対絶命のピンチに陥っていた。
そして冒頭へと帰る。
…………………どうしてこうなった……。
今俺は数十人の悪漢達に囲まれている。
後ろには11歳前後の銀髪赤目の幼女がいる。
まわりは建物に囲まれて袋小路になっている。
考えろ!考えろ!!! まずは周囲の確認からだ!
周りは一階建ての建築物に囲まれている。木でできた観音開きの窓が奥に1つあるのみとなっている。
袋小路の端には大樽が、その大樽に立て掛ける形で角材が何枚かあった。
つぎは目の前の悪漢どもだ。既に6人は集まっている。
逆にこちらは3歳児と11歳児だ。奥の窓に飛び込んでもいいが、3歳児の骨だと、いくら魔力のお陰で強くなっているとはいえ無事では済まないだろう。
そもそも届かないし。
ちょうどその時、12時を報せる鐘がなった。
マズイな……!!時間はこちらに味方しない、どうにか最適解を出さないと!!!
ハッ!閃いた! クックック…自分の天才的頭脳が恐ろしいぜ!
「あ! あんな所に裸のおっさんが!!」
「そんなの普通だ!!」
「普通なの!?」
「春先にはよくあることだ!!」
くっ…………!! まさか普通だったとは!!侮れないぜ異世界!!!
「いや、普通じゃないからの? 春先とか関係なしにそんな奴普通はおらんからの?」
「なっ!なんだって!?」
くそっ!騙された!!
「え!普通じゃないの!?」
「俺、昨日みたぜ?」
「俺もだ」
「オラも」
「ワイも」
「おいどんも」
「呼んだかな?」
あ、本気で普通だと思っていたらしい。つーか最後の誰!? 呼んでない! 帰れ!
「揃いも揃って馬鹿じゃの〜」
本当だせ! あれ? モナさん? なんで俺の方を見てるの? なにその「うわー、こいつ自分だけはましだと思ってんだろうな…」みたいな目線! やめて!!
「なんだと!?」
「また俺たちを馬鹿にすんのか!!」
「大概にしろ!!」
「そーだそーだ!!」
「俺たちは馬鹿じゃねぇ!!」
「うんうん!」
「ハァハァ、もっと言って」
モナが煽るからみんな怒っちゃってるよ…。
結構、単純なひとたちなのかな?と思った。それから最後の奴は早く帰れ!
「ハッ!昼間っから幼女を追いかけ回す大人を馬鹿と言わずして何というのじゃ?変態かの?」
「くっ!」
「そ…そんなんじゃないやい!」
「あれ?…なんだかドキドキする……」
「ダメだ!戻ってこい!」
「そうだ!まだ間に合う!」
「戻ってくるんだ!ジョーーーン!!!」
「女王様ーー!!!ハァハァハァッ!!!」
モナの暴言になにかの扉が開きかけている奴はジョンという名前らしい。こんな情報いらないけど。
え? 最後の奴? 知らない知らない! 俺にはそんな人ミエナイナー。
「だいたいオメーがあんなことするから俺たちは追ってたんだろうが!!」
あんなこと?
「えーい!うるさいうるさい!!あんなもん見せるほうがわるいのじゃ!!!」
その瞬間、モナから魔力の奔流が溢れ出すのが分かった。
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