厨二病見参
主催者は去った。
ただのクルーズ旅行のはずがここまですごくなるとは..とにかく今は情報収集だ。
『あ、あのぉ....』
美女から話しかけられた。この出来事だけで心が和みますねっ!まぁクールを装って返事してみる。
「なんだい?」
『自己紹介まだしてないから....えっと、私の名前はアイス•フェリア•エレフテリアですわ。そして北欧系のクォーターですわ。よろしくお願いしますわ。』
その顔でお嬢様系は似合わないなっと思った。
それよりなんとクォーターとは!ど直球にいいね!それにしてもアイスはとても綺麗だ。女神なんて比じゃない。世界中探してもアイス以上の人を見つけるのはほぼ不可能だろう。その上アニメのせいで口調が可愛らしいことになっている。なんて素敵な人なんだ!
まぁ俺も礼儀として、そして好感度のため自己紹介する。
「おれの名前は角風 舞壱よろしくな。」
『よろしく舞壱!ここのことまだ私もよくわからないけど知ってること教えるね!じゃあまずこの館を説明してあげる!好きでやってるわけじゃないんだからねっ!プンプン』
「お、おうよろしく。」
相変わらずぶれませんね。
『この館には今のところ私と舞壱君を含めて5人いたわぁ。じゃあまず大広間から説明するね。ここは見ての通り西洋風の館みたいにできてるんだけど、たくさんのアニメグッズが置かれてて残念なところね。まぁリビングだと思ってちょうだい。』
それはその通り。何もしなければ国宝級の古い屋敷。だがそんなところに空気読まないでどこの誰かが等身大パネルやアニメポスター、フィギュアなどを置いてある。
『そして各個人部屋もあるわ。自由に使ってね。』
個人の部屋は100畳はあろうことくらいの大きさの部屋があった。しかも一番びっくりしたのはおれの大好きなアニメの数々のグッズがあったのだ。
「さっきからなんでこの世界にこんなにアニメグッズがあるんだ?」
『アニメグッズの横に主催者が無理矢理連れてきたお詫びです。って手紙置いてあったから主催者が持ってきてくれたのかも。』
主催者って案外いい奴なのかも?
『そしてここが一番大切な場所「Übergang」よ。ここから全てのクエスト場所に転移できるらしいわ。』
「おぉ!ここからおれの異世界生活が始まるのか! ん?てかなんでそんな詳しいのここのこと?」
『取り扱い説明書を読んだからだわよ。』
へぇー。
そんなことを思いつつ廊下を歩いているとそこには黒のロングコートを着た、まぁ、あからさまに厨二病オーラ全開のフィギュアが鏡を見て立ってた。
「あれ要らなくね。処分していい?アイスちゃん?」
『ア、アイスちゃんですって!?べ、別に恥ずかしくないんだから!』
「ってかおい!貴様ら!この俺を愚弄するかっ!」
あら不思議なんとフィギュアは人間だった
「まぁ凡人の貴様らには俺は眩しすぎて認知することすらできないのだからおれを神だと思うのはいかしかたないな。ッフ」
えーと...神じゃなくフィギュアだと思ってました
ごめんね!ププ
「特別に貴様ら素人にこの俺がこの次元についてThe explanationしてやろう!ッフ」
説明の事をThe explanationとわざわざ英語で言うとかウザ。こいつカス。
まぁとにかくすごくめんどくさそうな奴が出てきた。
「はぁ〜」
とため息をつくのであった。