謎の連続
いつものように穏やかな朝。
今日も俺はいつものように五月蝿い女子グループ、朝練へ向かうサッカー部軍団の後ろを1人で歩き、登校していた。
たまに女子グループが後ろを向いてヒソヒソ話しをする時は自意識過剰なせいで悪口を言われていると思ってしまう。
(この世から登校の時だけ女子きえちゃえぇ!!!)
などとどうでもいいことを考えて登校する毎日。
俺の名は角風 舞壱。
何故こんなに俺が一人ぼっちの妄想被害野郎になったか。
昔話をしよう。
って一年前だけどな!
俺は優等生であった。
スポーツ万能、テストではいつも上位、顔もそこそこ
イケメン、モテモテライフを送っていた。
毎日女子に告白もされた。それを笑顔で「友達としては好きだけど今はごめん!でもこのまま友達としていてくれる、かな?」というお決まりもセリフで返事をしていた。まぁそのせいで男子には冷たい目線をされ
ていたけどね.......
あとは自己紹介で趣味と聞かれたら
「サッカーです!」
というような非モテからウザがられるタイプであった。まぁできす◯君だったのである。
まぁそんなこともあってその頃の自分は趣味という趣味がなかった。あってもサッカーくらいだ。
そのせいで少し冒険していた。
ある時はダンス。
ある時はピアノ。
ある時はDJ。
これといってしっくりくるものはなかった。
俺の高校には少し変な先輩がいた。
高3の先輩で「大谷 太樹」という先輩がいた。
その人は毎日先生に呼び出されようが学校の屋上で毎朝オタクを非難する人について講義していた。ある日はあるものが幼女監禁事件を起こしたとした場合、その人がオタクだった場合はオタク全体を非難する世間についての怒りだった。あの時の彼の名言は覚えている。
確かこうだった。
「もしその幼女監禁した人の趣味がオタクでなく陶器集めだったら陶器集め趣味の人全体を世間は非難しますかかぁぁぁぁぁぁぁぁ?なぜオタクだけ非難するんだーーーーーーー!!!!」というような内容だった。
これには僕も少しだけ心を打たれるものがあった。
それから毎日大谷先輩の話を登校時に聞くのが日課となっていた。
だがそれは突然きた。
大谷先輩は退学させられた。
まぁそうだよね。それが妥当だ。生徒指導室に毎日いく人初めてみたもん。
でも俺は少し寂しかった。
俺は家に帰ってからふと思いアニメを少しみてみた。
アニメは初めての経験だった。
あの時の高揚感はまだ覚えている。
全身に鳥肌がたった。
こんなものに何故今まで出会えなかったのだとおもった。
それからというもの俺は完全にオタク街道まっしぐらであった。第2の大谷が現れたのだ。
制服を着ずにアニメキャラのシャツを着て何回行っただろうか。あとはYOSAKOIの披露宴の時にサイリウムを持ちオタ芸を打った。観客もドン引きしてたよ。YOSAKOIみに来たらオタ芸が披露されたんだもん。そりゃね.....勿論生徒指導受けました。
てへっ!!
だがそのせいで俺の周りからは人がどんどん減っていった。勿論わかりきったことだ。
そして一番傷ついたのはまだ俺がイケメンだった時に告白された女子から
「やっぱ取り消しで。」
と言われた時である。
フザケンナ!!自分から言って自分から拒否するとかフザケンナ!!!!まぁ普通に落ち込みました.......
まぁ色々あって俺はオタクを笑ったり気持ち悪がってる側だったが逆転して引かれるほどの人物になったのであった。
今日も何をしようかと思いながら登校した。冒頭部分の女子からのひそひそ話は自意識過剰とかじゃなく普通に俺の悪口だったらしい....
教室に入るとシーン......とい効果音が流れたようだ。
俺は動じない。だって今の俺はラノベ主人公みたいなものじゃん。大谷先輩の気持ちが今ではもう完全に共感できるものとなっていた。
でも誰ともアニメ、ラノベ、ゲームについて語り合えないのは嫌だったのだが唯一抜け道があった。
それはインターネットで知り合ったオタク友達と喋ったりすることだ。
それが唯一俺の救いの道だ。
そして今回は明日土曜日、
【アニメ話そうぜ!クルーズの旅】というものがある。
最初は胡散臭すぎて辞めようかと思った。
応募募集覧に
・ものすごいオタクであること。
・何があっても冷静に対処できるもの。
・2次元を愛するもの。
という条件があったからである。
だが応募した。
普通に学校に行くよりはマシと思ったからである。
というわけで今日は明日をすごく楽しみに待っていたのであった。
六時間目の授業が終わると同時に教室を出た。家に帰ってすぐにまだみてないアニメを見るためだ。サッカーをやっててよかったなと思えるのは家にすぐ帰れるこの速く走れる足をゲットできたことだ。
サッカー部は勿論退部した。そんなことを考えているうちに家に着いた。そこからアニメをずっと見つずけた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そうして一睡もせずに土曜がきた。
だが徹夜など慣れた。前の自分は規則正しくいつも10時に寝るという奴だったため最初はきつかったが今は慣れたものだ。
今日は清々しい風が吹き、太陽がギラギラ光る絶好日和であった。
「えーと、何処だ?」
と道に迷いそうになった。あまり来たことがなかった街だったので少し迷ったのである。
だがその心配はなかった。
岸辺に何やらヤバそうな集団を見つけたからである。
「う、嘘だろ...」
思わず引いてしまった。
必ず誰もが二度見をしてしまうほどヤバそうな集団であった。
ある者はガチムチ筋肉男。しかもアニメキャラのタンクトップ。
ある者は漆黒と焉獄のマントを着た(真夏です。)革製の高価そうな眼帯を付け、アスファルトに水銀を垂らし魔方陣を描く者。
ある者は目をハートにしてBL本を読む者。
まぁ正直第一印象。『不安』です。
そんなこんなでクルーズの旅は始まった。
施設は凄く豪華であった。
例えば大ホールでプロジェクターを使いアニメも見れるし、このツアーの主催者が持ってきた限定グッズも買えるらしい。外装も内装もハリウッドスター顔負け
レベルですごい豪華なものだった。
「みなさぁーん。まずぅは昼ぅごはんを食べましょーぉ。」
と変わった口調で変わった服装をしたヒゲの濃い主催者が昼ごはんをすすめてきたので食べてからクルーズを回ることにした。
昼ごはんでカレーとナン食べた。
それが絶品だあった。
ちょうど良いスパイスの効いたカレー。
舌をピリっと刺激するがそれはなんとも絶妙なハーモニーを奏でていた。
あまり食に関心はなかったがここまで美味しいと感じるとは出会いとは突然やってくるものだとしみじみ感じたのであった。
まぁとにかく一旦落ち着こう。そう思い自分の部屋に帰った。部屋もまたすごく豪華であった。テレビ、キッチン、風呂場は勿論すごい数のお菓子やワイン(俺は未成年だから飲めないぃぃぃ)。とにかくすごく楽しそうなクルーズ旅になりそうだ。
そんなことを思っているの急に眠気が誘ってきた。徹夜のせいだろう。
「ん...z-z--....」
寝息を立てそのまま眠りについたのであった。
「うぅ、ん?」
変な声が出てしまった。
ここは何処だ。必死に考えた。
そこは静かな風が吹き、草木が揺れる大草原だった。
何処だここは。何処だここは。何処だここは。
何処だここは。何処だここは。何処だここは。
そんな言葉が脳裏を何度もよぎる。
綺麗な景色だった。だがしかしさっきまで俺がいたところとは違った。
「おいー!誰かー!!いるなら返事してくれーーー!」
ただただ俺の声が風に乗せられ大草原へ響いただけであった。
「本当に何処だここ。」
何もしなければ何も始まらないのでただただ歩き始めた。
お腹も空いた。あのナンが愛しい。やはりこーゆーの体験しないと普段の有り難みがわからないのだなと染み染み感じた。普通って最高!
そんなことを思いつつもう夜になった。夜歩くのは怖いし何も見えないので草原で寝ることにした。生い茂った草が布団の代わりをしてくれるのでそこまで苦ではなかった。空を見上げると星が輝いていた。まず都会では見られないだろう。まだ家を離れて一日も経っていないのに何故かその景色は胸を苦しめるものがあった。その感情は「帰りたい」ただそれだけだった。
次の日俺は早朝から歩き出した。早く人を見つけたかったからだ。ラノベを読んでいるせいでこれって異世界召喚?って思ってしまったが流石にここまで放置プレイの異世界召喚はないだろう。
そんなときだった。森林の中にヒッソリと西洋風の屋敷を思わせる建物があったのだった。外見は石造りでディズ○ニーラン○にある様なやつだ。その上馬鹿でかい。東京ドー○3個分くらいだ。
「急に出てきたな。」
その屋敷の周りは柵で覆われていた。なので正面の大きな門からしか入れない。それはもう魔物達からこの屋敷を守るためにあるような大きすぎる門、本当に異世界じゃね?と胸を高鳴りさせながらも意を決して入る準備をしていると扉が勝手に開いた。入れということなのだろう。
「お、お邪魔しまぁーすぅ。」
人はいないが挨拶はしておこう!日本人としてね!
中に入るとそこはもう噴水などがあるセレブ感満載のところだった。そして何気門と屋敷の距離が遠い。息を切らせながらもなんとか屋敷の入り口までたどり着いた。
勿論インターホンなどはないので勝手に入った。外見から想像して中はシャンデリアとか虎の絨毯、甲冑、盾、剣があると思っていた。
その思いを180度裏切ってきた。
なんとアニメ等身大フィギュアややポスターがビッシリ大広間的なところに飾られていたのだ。
「な、なんだこれは!?」
驚きと高揚感が感情として溢れてきた。
そんなところに。
金髪のなびく髪が視線にはいった。
でエピローグに戻る。
流石に意味がわからない屋敷入った途端美女いたと思ったらツンデレ、ヤンデレ感満載の属性美女とは。気になるので意を決して聞いてみた。
「なんでそんな喋りなの?」
はい!よく頑張った舞壱ぉ君!自分で自分を褒めてみる。
『実は私アニメで日本語覚えたのぉ。』
次は天然キャラですか
ていうかそういうことか。マジのキチガイヤンデレかと思った。
そうだ。本題に入らなくては
「あのさここって何処?クルーズ旅してたら急に大草原にいて、ずっと歩いてたらの屋敷に着いて、ふぉうなってんの!ねぇ!何処なの!......ご、ごめん強く言いすぎた。」
彼女は少し怯えながらも
『ご、ごめん。わたしもわからないんだぁ....。でも実はぁここの館には私の他に3人いてそのうち2人が今この場所についてしらべにいってるのぉ...。君もぉ..クルーズにいたよね?........』
俺は頷いた。だが何故俺らはここにいるのだろう。クルーズ旅がなぜこんなことに.....
そんな時だった。
「ヤァ〜ァ。皆さん。」
聞いたことのある独特の声。主催者が空にプロジェクター画面のように映ったのであった。