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うわーん、花村ぁ

7


この道を歩くのは随分久しぶりだった。


一昨年までは花村と同じマンションに住んでたけど、引っ越してからは滅多に訪れてなかった。


あたしは、周りの風景を懐かしみながら歩く。

近くのスーパーまでは、歩いて五分くらいだった。



スーパーに着いて、目の前に飛び込んできたのは、バレンタインブースだった。


ついでに買って行こうかなー。

なんて思いながら、宝石みたいにキラキラしたチョコをガラスケース越しに眺める。

うーん、あたしもチョコ食べたくなってきた。


「月川?」


と、ふいに横から男の人に声をかけられた。


「あ、やっぱり。変わってねえな!……って、俺のこと覚えてる?」


……あ……あ……い、今すぐにでも忘れてしまいたい。

この、声。

この、笑顔。


五十嵐和馬……!!


なんでお前がここにいる!!


「あ……えと……」


「五十嵐だよ。中学の時の」


「あ、うん。お久しぶり、です」


「なんで敬語?マジで覚えてない?……にしても、変わってねえな。どうせ、今も自分でチョコ買って食おうとか考えてたんだろ。だから、いつまで経っても豚さんなんだよ」


……ぶちっ。


「誰が豚だ。最下級生物の分際で、舐めた口聞いてんじゃねえよ。くそが。埋めるぞ」


「……やっぱり変わってねえな、お前」


……はっ。

やばい、つい本音が。


「買いもん?」


「まあ」


「ちょっと、話さね?外のベンチで」


「……急いでるんで、失礼します」


そう言って立ち去ろうとすると、腕掴まれた。


「まあまあ、そう照れんなって」


ずるずるずると引きずられる。

そういえば、こいつ昔からとんでもない馬鹿力だった。


「離せ!離せー!」


うわーん、花村ぁ。

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