4話
よろしくお願い致します(*・ω・)*_ _)ペコリ
{AM11:00}
デリトは朝食に使用した銀食器を片付け終わったので自分の自由時間を鍛錬の時間に当てようとした……、のだが……。
「デリト様、ここにいらしたんですね! 御当主様がお呼びでしたよ」
と、屋敷のメイドから伝言を貰ったため急いでディートリヒの執務室へと向かっていた。
今歩いている廊下をまっすぐ進み、突き当たりを曲がる。
屋敷の廊下には高価な壺や絵画が飾られているが、一際目立つのはクレヨンなどで描かれた屋敷やディートリヒの絵だ。これは領民の子供達からプレゼントされた物で、貰ったディートリヒは嬉しそうに自ら額縁に入れていた。
閑話休題。
突き当たりを曲がったら目の前の階段を上って左に曲がる。
そして目の前に壮麗な装飾を施された扉が見えてくる。
デリトは一度立ち止まるとノックを四回した。
「入ってくれ」
「失礼します、ディートリヒ様」
扉を開き執務室の中に入る。
部屋は十年程前とあまり変わっていない。デリトはそのまま真っ直ぐ進み、事務机の前で立ち止まり一礼する。
「デリト、ただ今参上いたしました」
「うむ、さて早速本題なんだがこの後サラシャと王都に買い物に行ってもらえないかね? サラシャも聖ディーレイラ女学院に入学するだろう? その前準備を頼みたいのだが……」
「お任せください、既にお嬢様には今朝お伝えしてありますので今すぐにでも出発できます、如何いたしますか?」
「相変わらず仕事が早いな、まるで考えを読み取られているみたいで毎回舌を巻かされるよ。じゃあサラシャの出かける準備が出来次第出発してもらおうか」
「承知いたしました、では失礼します」
「では頼んだぞ」
「はい」
デリトは去り際にまた一礼するとディートリヒの部屋を後にした。
☆★☆★☆★
デリトはサラシャの部屋に向かわずにそのまま屋敷の玄関へと向かった。
玄関が見えてくると共に人影が二つ見える。
片方は質素なメイド服に身を包み、レティキュールを手に提げている。もう一方は、生地のしっかりとした純白のドレスを纏っており、その真っ白なシルクのような肌も相まってまるでどこかの国のお姫様のような雰囲気を醸し出している。
「あ、デリトー!! 遅いわ、私結構待ったのよ?」
「申し訳ありませんお嬢様、少々遅れてしまいました」
そう、デリトはディートリヒに呼ばれているとメイドに伝えられたとき、王都へ出かけてほしいと言われることを事前に察知してそのメイドにサラシャの出かける準備を頼んでいたのだ。
「いいのよ、別に。……それよりさ、どう?」
「申し訳ありません……。どう? とは?」
するとサラシャは顔を真っ赤に染めてそっぽを向いた。
「もうっ、デリトのバカ! 鈍感! ドレスの事を聞いているの!」
「あぁ、ドレスの事でございますね。感想をお求めですか?」
「うぅ~~。そうよぉ……」
「そうですね……。サラシャお嬢様は肌がお白いですから、その純白のドレスが見事にマッチしていて妖精のような儚さや一国のお姫様のような華麗さがあります、男心を大いにくすぐるでしょう。そして薄く化粧を施してあるのもポイントが高いです。お嬢様は顔立ちがとても綺麗なので下手にがっつりお化粧するより、お嬢様の素の良さが引き立っています。……一言で表しますと、お美しいですよ、お嬢様」
デリトはこういうとき、サラシャが素直な感想を求めていることを知っているので思ったままの事を口にした。
しかし側にいたメイドは「これだからデリト様は……」と首を振り、当のサラシャは顔が茹で上がったタコの様に真っ赤っかだ。
「…………ぁりがと」
サラシャは何とか声を絞り出して礼を言う。
礼を受けたデリトはさわやかな笑みを浮かべて告げた。
「すべて本心です、お嬢様は以前からお美しく、立派なレディだと思っていますよ」
この一言で頭がパンクしたサラシャは一人で門を出てさっさと用意されていた馬車に乗ってしまった。
「私はお嬢様に何か失礼なことをしたのでしょうか?」
首をひねりにひねっていたデリトに、側にいたメイドはぼそりと呟く。
「前から思っていましたけど……自分の主人を落としてどうするんですか……」
「ん? 何か言いましたか?」
自分のしでかした事が分かっていないデリトにあきれ果てたメイドは溜息を吐く。
デリトはこの結末を勝手に自己完結させたらしく、メイドからレティキュールを受け取ると慌てて馬車に向かっていった。
「サラシャお嬢様も大変なのですね……。まあかくいう私も一度は落とされた身なのですが……はぁ」
メイドはさらに深い溜息を吐くと屋敷へと戻って行った。
デリト君無意識垂らしなんですよね。
これからもこんな調子ですがデリト君をよろしくお願いします!
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ありがとうございました(*・ω・)*_ _)ペコリ




