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2話

よろしくお願い致します(*・ω・)*_ _)ペコリ

 {AM8:30}


 デリトは朝食を終えると自分の仕える主人、サラシャお嬢様に届けるアーリー・モーニング・ティーの準備をしていた。

 アーリー・モーニング・ティーの茶葉は隣国から取り寄せた茶葉で、タンニンが少なくマイルドな味で、モーニング・ティーに向いている。アイスティーでもよいのだが今回はモーニング・ティーという事なのでホットにする。


 デリトは寝ている主人を起こすため、サラシャの元に出来上がった紅茶と、茶器を携えて赴いた。


 部屋をノックせずそのまま開ける。バトラーは主人との関係で部屋をノックせずに入ることが出来る。

 そしてデリトの部屋の優に5倍はあるであろう部屋の中は、年相応の少女のもので、化粧棚や豪華な姿鏡、天蓋付きベッドがあり、開け放たれたらクローゼットからは沢山のドレスが乱れた状態で放って置かれている。


 そして天蓋付きのベッドですやすやと寝息を立てて寝ているサラシャをデリトは見つけた。


「サラシャお嬢様、おはようございます、今日も良い天気ですよ」


「んー、デリトぉ、もうちょっと寝かせて……むにゃむにゃ」


「なりません、生活リズムの乱れは心の乱れとも言われます。さあ、起きてください、今日はお嬢様のお好きな茶葉を御用意致しました」


 むくりと起き上がる少女は一昔前よりも、より可憐で美しい姿へと成長していた。

 ふわりと腰まで長い薄紫色の髪、若干タレ目で小顔の少女はまるで小動物の様に愛らしい。


 そんな少女サラシャは「仕方ないなぁ」とベッドの上で欠伸をしながら体をこちらへと向ける。

 デリトはそんな主人にお茶を注いだティーカップを手渡す。


「コクリ、コクリ……ほっ。うん、いつも通り美味しいよ、デリト。ところで今日の茶葉はなんて言ったかしら?」


「隣国から取り寄せた茶葉、ウィンテックにございます。お嬢様、本日の御予定の確認をしてもよろしいでしょうか?」


「うん、よろしくね」


「では……。お嬢様は聖ディーレイラ女学院に御入学なさいますのでその前準備の学生服の調達、その他アクセサリーや勉学をする為の道具の買い出し等をする為王都へと向かいます、その後当主様主催の御夕食の立食パーティーに参加していただきます」


「ん、わかった。じゃあメイド寄越してくれる? 着替えたら朝食摂りに向かうから」


「では後程。失礼します」


 デリトは部屋の外で待機させていたメイドに「お嬢様の着替えの手伝いとクローゼットの整理をしろ」と指示を出すとワインやエールの貯蔵庫へと足を運んだ。




 ☆★☆★☆★




 {酒類の貯蔵庫にて}



「やはり父上は酒蔵管理者としての立場を悪用してワインを掠めていましたか……これは奥様に御報告する必要がありますね」


 ワインの品質を確認しつつ消費された量と補充した量を記録した書類を確認していたのだが、今手元にある書類には明らかに偽造された形跡が残っていた。


「はあ、我が父上は何故この様に幼稚な考えで私を騙せると思っているのでしょうか、ええ、嘗められているのですかね」


 毎回この巨大なワインセラーとエールの貯蔵庫をチェックし、全ての酒類の不純物を取り除いたり管理している自分の身にもなってほしいとデリトは常々思う。


 週に4、5本ボトルを開けていいという許可はバトラーとしての権限にある筈なのに何故この様にさも悪い事をしているかのように振る舞うのか。


 ランド曰く、「悪いことをしてる気分になると楽しくないか?」だそうだ。デリトには一生をかけても到底理解できないだろう。


「さて、そろそろお嬢様の着替えが終わる頃合でしょうか、急いで食堂へ参らねば」


 デリトは書類を貯蔵庫の管理室にある机に仕舞うと足早になりつつも決して走らず主人の元へと向かった。



ありがとうございました(*・ω・)*_ _)ペコリ

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