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第十九話

------海賊船------

「それらのお話は司令官にお伝え願いますか?」

私が話し出す前に止められる。

「私はあなた方の降伏の意図の確認に来ただけです、あなたが今話そうと考えている事実は私たちの閣下にお話下さい。」

「あれは主力ではないの?」

信じられない気持ちだ、否定してほしいが彼女は首を縦に振る。

「我々は遊撃艦隊という艦隊の一部です、主力は後方にいます。後数十分もすれば本隊も来るでしょう。その時まで今の気持ちでいてくださいね、もし言わなかったら先程攻撃してきた者達と同じ運命を辿りますよ。」

ゴクリと唾を飲み込み、船が沈んだところを見ると鮫が寄ってきて死体を貪り喰っていた。その様を見て抵抗する気があるものは皆無であった。


ーーーーー翔鶴ーーーーー

上手いこと鹵獲できたらしいのでこちらに連れてくる様に連絡をいれた。後駆逐艦は燃料が寂しくなっているので給油に向かわせた。全艦隊に速度を落とさせて今は航行している。

「閣下、そろそろ遊撃艦隊が見えてきます。」

「どれどれ、どんな船を持ってきたのかな?」

双眼鏡をそちらに向けてみてみる、アドミラル・シェーアの後方に曳航されている船のマストが少し見える。

「このままじゃあ全体が分からないな。」

「近寄ってくるまで待ちましょう。」

「そうだな。」

ゆっくりと紅茶を飲んで待つことにする。


「閣下お待たせいたしました、これが今回拿捕した船になります。」

翔鶴に上がってきたヴィルヘルム・マイゼン大佐が報告してくる。

「御苦労様、しかし翔鶴からじゃ見にくいね。」

翔鶴の飛行甲板で話しているのだが飛行甲板からだと覗き込まないと見るのは厳しい、かといって見に行こうとしたら部下達が総出で止めてくるという有り様だ。どうやって船を見ろと?

「大人しく下まで下りてからご覧になってください。落ちて死んだらいい笑い者ですよ。」

仕方無く縄梯子で降りるために下の階に降りる。

「生存者はどれだけいた?」

無事な船は一隻のみでそれ以外は沈没させたらしい、沈みきっていないのも一応生存者を探しに行ったそうだ。

「一人もいなかったそうです、まぁ人の形を保っていた方が少なかったそうですね。」

徹甲弾喰らって無事な人間はおるまい、船も一隻あるからだいたいの事は分かるだろう。

「まぁ一隻あれば充分だ。他の船は沈めておけ。」

「その必要は無いかと、生存者の捜索終了してすぐに沈みました。」

「手間が省けて有り難いな、あの船はどんな構造なのかな。実に楽しみだ。」

解体するのはニライカナイ島に運ばないといけないが・・・三池使えばいいのか。

等と考えていると曳航されている船が見える。

「小さいな。」

「全長30メートルというところでしょう。帆船として考えてみてもある程度の大きさだと思われます。」

ガレー船が主流だと思っていたがどうやら違うようだ。そう言えば商船は何処にいったのかな?

「商船は何処にいるんだい?」

「それが本隊に向かっているものとばかり思っていましたので、神風も発見できていないそうです。」

いったい何処まで行ったのやら・・・待てよ、別の方角に行った可能性は無いだろうか?

「遊撃艦隊は真っ直ぐこちらに来たのだよな?」

「はい、すぐに前衛艦隊と合流しましたが・・・それがどうかしたのですか?」

「ではこちらを海賊に食わせるつもりだったのだろう、別進路をとったに違いない。」

南に向かえば我々がいるのだから絶対接触するはずた。

「探して追いかけますか?」

楓君が聞いてくるが

「別にいいだろう、恩を着せたところでどうなるか分かったものではないしな。ただ何処にいるのかは知っておきたいので彩雲で探させてくれ。」

「了解しました。」

無事ならば文句は来るまい、感謝しろとは言わないが挨拶ぐらいはするものだろうに。結局東にいたようでそれほど離れていなかったようだ。

「じゃあ捕虜の皆様に事情を聞くとしようか。」

 素直に話してくれると良いんだがな、どうなることやら。

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