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第十八話

-----アドミラル・シェーア-----

「敵船による攻撃の損害ありません。」

「ご苦労様、下がっても宜しい。」

「失礼します。」

 そう言い敬礼した後、損害の確認に行った伝令は下がった。

「あの船はあんな旧式な兵器で、こちらの装甲を抜けるとでも思ったのか?馬鹿か阿呆か・・・いや両方だろうな。」

「バリスタとカタパルトでしたね。バリスタは大丈夫でしょうがカタパルトは少し厄介ですね。鉄の弾を打ち出されたら純粋な質量兵器になりますから。もう一隻の方は、おとなしく帆をたたみましたし、良しとしましょう。」

 ちなみに攻撃してきた船は、高角砲と機関砲の集中砲火で穴だらけとなり浸水したので炎に包まれている。仕上げに島風が爆雷を落としているので生き残りも居ないだろう、愚か者には相応しい末路だな。

「そうだな、良い情報源になるだろう、島風はまだ手が空かないだろうし、神風に連絡、商船と再接触し護衛しつつ本隊と合流せよ、翔鶴には、戦闘終了、合流されたし、以上だ」

「了解しました、通信室に連絡入れます。」

「あと臨検隊を召集してくれ、ちょっと行ってくる。」

「臨検隊の件は分かりましたが、艦長が行かれる必要はございません。私が参りますのでここでお待ちください。」

「うーん、私が行きたかったんだが・・・まあいいか、ではよろしく頼む。」

「了解しました、行って参ります。」

 内火艇が下ろされ臨検隊が乗り込むと海賊船に向かっていく。

「さて、涼風に連絡。沈没しかけの船に生存者がいるかも知れないから確認させてくれ。」

「了解しました。」

あれだけ弾喰らって無事な人間は殆んど居ないだろうな、とか考えるのだった。


-----海賊船------

「おい、小型船がやってくるぞ。」

 部下たちが騒いでいるようだ、

「うろたえるな、攻撃してこないということは降伏したのを認めてくれたということだ。」

「・・・そうですね。あちらの人物が立派な方ならば良いのですが・・・」

 我々は海賊ということになっている、捕まれば殺されるか、良くて奴隷だろう、私一人の身で部下が助かるのならば、いかなる屈辱でも甘んじて受けよう。そう考えていると、下ろされた縄梯子から美女たちが上ってきた、合計20人ほどだろうか。

「この船の責任者はどなたですか?」

白い制服を着込んでいる女性が聞いてくる。

「私がこの船の船長のセシリア・ウィンブルグだ、降伏するので部下の命は保証してもらいたい。」

「ご心配なく、降伏なされるのならば問題はありません。ですが武装解除はしていただきます。例外無く甲板に上げてください。」

有無を言わさずに告げる。

「そういえば怪我をなされた方は居られますか?居られるのならば軍医を呼びますが。」

「本当か!何人かいる直ぐに連れてくる。」

こんなところで医者がいるとは先程の攻撃で危険な者が多くいるのだ。

「先に武装解除してからです、アドミラル・シェーアに連絡して軍医を寄越すようにと伝えてください。」

「了解しました。」

「半分はここで警戒しなさい、残りは負傷者を治療するわよ。」

「了解しました。」

怪我をしている者が甲板に上がってくる、彼女達は包帯で巻いたりしていた。

「副長、遅れました。患者はこちらでいいですか?」

「軍医か、ご苦労様。取り敢えず応急処置は終わった。後はそちらに任せるよ。」

「了解しました、慎んでお受けいたします。」

「よろしく頼む。私は武装の検分を行っておく。」

話終えたあと積み上げられている武器の山に近寄る、槍や弓、ボウガン等だ。バリスタとカタパルトは船体に固定しているため動かすことが出来ないらしい、臨検隊がロープを切り外しているので使うことはできない、カタパルトの弾は握りこぶし程の大きさだった。そのなかで特別に変わったものを見つける。紋章の付いた双眼鏡だ。

「何で海賊の船に紋章を彫った遠眼鏡があるのですか?それに海賊船にバリスタが装備されてるなんておかしいですね、バリスタのような隠せない兵器は積まないと思うのですが、それに見たところ交換部品があるわけでは無いようですし。貴女方の背後に何があるのか気になりますね。」

意地悪そうに聞いてみる。

遊撃艦隊所属駆逐艦:島風、涼風、神風、凪風

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