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第十六話

中身替えます。

-----駆逐艦島風------

「こんなに近よっているのに、全く攻撃されんな。」

「はい、拍子抜けしますね。武器が無いんでしょうか?それとも射程距離が短いんですかね。」

 現在彼我の距離は3000メートルだが、全く攻撃されない、どれだけ射程距離がある兵器を積んでいるのか、さっぱり分からない。もう少し近ずくように命令しようとした時に、矢が飛んでくる。

カン‼

「取り舵いっぱい!」

 命中したが大した被害はない、装甲を貫通するほどの威力は無いようだ。下手なのかどうかは分からないが、3000メートルまで届く兵器は持っているようだ。

「アドミラル・シェーアに通信『我、海賊船より攻撃を受ける、なれども損害なし、これより本隊と合流す』以上だ」

「了解しました」

 すぐに発光信号機に取り付き本隊に連絡を送る。

「アドミラル・シェーアより返信です。『敵、兵備の確認ご苦労、艦隊の先頭に立ち突撃準備に入れ、突撃命令が発令しだい、突撃せよ、ただし魚雷は船底を抜ける可能性があるため使用を禁ず、なお砲弾も徹甲弾を使用せよ』以上です。」

「我々も戦えるか、司令官も粋なことをしてくれるな、本隊に合流し先頭に位置しよう。魚雷が使えないのが痛いが我慢しよう、無駄弾は勿体ないからな。」

「了解、節約しませんとね。」

「そういうことだ。」

 最大戦速39ノットで合流を急ぐのだった。


-------アドミラル・シェーア-------

「島風合流、戦隊先頭に位置完了との事です。海賊船、距離28000メートル、二列縦隊でなおも接近中。いかがいたしましょう?」

 副長が聞いてくる。

「駆逐艦に突撃命令、距離1万で攻撃開始せよ、撃沈は禁ず。本艦及び僚艦は距離一万五千で砲戦開始するが敵艦の行動に勤める、第二艦速に落とせ。主砲弾3式弾及び四式弾、敵船の進路上に発射行動を妨害せよ。以上。」

「了解しました」

 さて、どうなるか、見ものだね。


-----海賊船----

「あの妙な船、逃げていきましたね。隊長」

「ああ、すばらしく早かったな、しかしあの船の色、まるで鉄のようだったな。」

「はい、ですがそんなもので船を作ったりすれば船は沈んでしまいます。」

「まったくもってその通りだ、あの船も知りたいが、今は任務に集中しよう。」

「了解しました。」

「それと今は隊長ではない、間違えるな。」

「すみません、頭。」

「それでいい。」

妙なところが海賊らしくない物達、彼らはいったい何者なのか。


-------リュッツオウ-------

「距離一万五千を切りました。」

「取舵一杯、右舷砲戦用意、測定完了次第打ち方始め、砲術長、当てるなよ。」

 そういってニヤリと笑う。

「了解、まぐれ当たりはどうなりますか?」

「多分大丈夫じゃないか?まあ頼んだぞ。」

『第一砲塔装填完了。』

『第二砲塔装填完了。』

伝声管から装填完了の報告が来る。

「撃ち方始め‼」

ドゥン

「アドミラル・シェーア撃ち方始めました。」

敵船の進路上に水柱が上がる。敵船の速度が落ちたようだ。

「照準このまま。敵の動きを抑えるぞ。第一、第二砲塔装填まだか?」

『第一砲塔装填完了』

『第二砲塔も装填完了』

「よーい・・・撃てえええ」

 ズドドドドドン

「弾着、今」

 双眼鏡で覗いてみると、一隻穴だらけにされていた。

「・・・流れ弾を食らったな。」

「必要悪ということで諦めましょう。」

「そうだな。」

 微妙な空気が艦橋を支配したのだった。

四式弾:対陣地攻撃用、内部に大量のボールベアリング弾が詰まっている。

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