第十四話
「それから一路北に向かっているのだが・・・」
「はい、そうですが司令官。どうかなさいましたか?」
「いやね、見渡す限り海原だなと思ってね。」
出港してからというもの見渡す限り海原である、極たまにイルカ等が跳ねている(こちらの世界にもいるらしい。)
上空には烈風が戦闘哨戒しており、周囲は駆逐艦に囲まれている。不安も無いが・・・暇だ。
ちなみに現在の艦隊は前衛艦隊、中央艦隊、遊撃艦隊、後衛艦隊に分けている。前衛艦隊の旗艦は比叡が務めている。戦力は戦艦比叡、霧島、巡洋艦アドミラル・グラフ・シュペー、ドイッチェラント、駆逐艦島風が4隻だ。中央艦隊の旗艦は翔鶴が務め戦力は空母翔鶴、瑞鶴、巡洋艦アトランタ、オークランド、駆逐艦秋月が6隻だ。遊撃艦隊の旗艦はアドミラル・シエーアが務め戦力は巡洋艦アドミラル・シエーア、リュッツオウ、駆逐艦島風が4隻だ。残りは後衛艦隊に属し旗艦は神州丸が務める。これは揚陸作戦などを行う関係から選ばれた。できることならば、駆逐艦や潜水艦がもっと欲しいな、レベルが上がれば手に入るのだろうが、どこか手ごろに殺しても良心が痛まない連中はいないものか。別に竜とかでも良いのだがこの世界の技術レベルなども把握しておきたい。できれば海賊とかなら申し分ないんだが、どうせ社会のはみ出しものだし。
「司令官、前方を哨戒していた彩雲からです。『艦隊前方200キロにて複数の帆船の戦闘を確認せり、沈没艦は無く、双方とも一時離脱しつつあり。一隊は艦隊に向け航行中、艦数の内2隻は損傷有り、もう一隊は東に航行した後、陣形を整え一隊を追跡しつつあり、数は4隻、こちらも損傷は軽微。結果両艦隊は当艦隊に接近しつつあり、艦総数10隻なり、如何にすべきなりや』とのことです。しかし妙ですね、こちらは風上なのにどうして航行できるのでしょうか?」
「魔法がある世界なんだから風を逆に吹かせることもできるだろう、魔力はかなり使うと思うけどね。どういう状況か分かりにくいな、接触してみようか。」
「どちらにですか?」
「それは近い方だよ。遊撃艦隊に連絡して接触させてくれ。」
「了解しました、連絡します。」
「さて彼らは善人か悪人か、楽しみだね。」
「アドミラル・シェーアより返信。『了解、増速し接触します。敵対行動をとられた場合はどうしますか?』とのことです。」
「こちらからの先制攻撃は禁ず、まずは対話を試みよ。と伝えてくれ。」
「了解しました。」
さてどうなるかな?できることならば悪人が良いな、殺しても良心は痛まないし。




