第九話
ーーーーーそれから一週間後ーーーーー
「そろそろ見えてくるかな?」
双眼鏡で見ながら楓君に聞いてみる。
「もうじき見えてくると思われます、しかし結構時間がかかりましたね。」
「あれだけ酷い時化じゃあ仕方がないよ、松なんかはアップアップしてたしね。」
南下して二日はまともな天気だったのだか、三日目からは酷かった。冬場の日本海みたいな(世界三大荒海、他は冬場の北海、アフリカのケープホーン沖)時化にぶち当たり丸三日は零式水偵が出せなかった、その為周囲の情報が全く入ってこず、もっぱら電探の情報が頼りだった。神州丸や間宮は船体が大きいためそこまで問題は無かったようだが、駆逐艦は波に弄ばれた。特に松は小さいため時折波間に消えていった、直ぐに復帰したが。凄い心臓に悪かった。時化が収まったあと零式水偵を出したら群島を発見した、大きさはオアフ島ぐらい、四つの内一つの島は高い山があり真ん中に位置しているようだ。今は先に零式水偵が出て詳しい地図の作製のための写真取りに奔走している。
「お、見えてきたぞ、結構離れているな。」
珊瑚礁がドーナツ状に広がりその中に島々がある、艦が通れる水道が西、南、東にある。細かい測定はこれから行うが、こんなことなら測量艦出しとくんだったな、駆逐艦のソナーで応用効くから大丈夫なんだけど、完璧じゃあないんだよね。
「そうですね、では松に水深調査を行わせましょう。問題無ければ島の調査です、どれぐらいの深さがありますかね?」
「さぁね、とりあえず水深は深い方が嬉しいね。これから戦艦や空母を出す以上出れませんでした、じゃあ話にもならないからね。」
こればかりは実地で測らないと分かる物ではない、まぁ次に出すのが決まったのは良いことなのだが。今更だか現在のステータスがこれだ。
レベル45 EXP1000/4400
生命力 6600(+5100)
魔力 39600(+30600)
追加
戦艦もしくは空母4、巡洋艦8、駆逐艦・輸送艦・潜水艦44
増えた数から考えると戦艦と空母はレベルが10増えるごとに、巡洋艦はレベルが5増えるごとに、駆逐艦達はレベルが1増えるごとに追加されるようだ。駆逐艦は消耗品だからかな?まぁそれはさておき。戦艦、空母が四隻も追加された、これで打撃力の向上が計ることができる。ただ沈んでしまった船は出すことが出来ないようだ、梅を呼び出そうとしても出来ないためだ。仕方がない、潜水艦も出せるようになったがどうするか。でも最初は浮きドッグからだな、大淀の修理をしておかないといけないし。あれ?浮きドッグは多数の船が連結する奴だがあれはどんな感じで消費されるんだろう。うーん、謎だ。呼び出したときに考えよう。しかしあの竜は強かったのだろうな、経験値1000倍の効果である程度のレベルにはなった。実に喜ばしいことだ。
「松から入電です、『水道部分の水深約80メートル、幅500メートル通航には支障無し』だそうです。」
「じゃあ中に入るか。」
「駄目です。島に何かあるかを確認してからです、ジャングルみたいになっているそうですから海兵隊に行かせましょう。」
海兵隊の揚陸の為に神州丸の後部から大発が下ろされる、シャーマンは乗せられた状態なのだが念のためワイヤーで固定されている。海兵隊の数が少ないので一つずつ調べることになりそうだ。海岸線近くまでは秋月が護衛に付いていっている。
「敵はいるのかな?」
「どうでしょう、ですがあの嵐が定時的に起きるのであれば漂着していても不思議ではありませんね。」
「早く上陸したいものだね。」
結局全島の調査を終えるのに丸一週間かかった、もっと海兵隊出しとこ。
ーーーーーまたまた一週間後ーーーーー
「全島の安全が確認されました、上陸しても問題はありません。」
「じゃあ上陸しよう、まずはどんなところか見てみないとね。」
内火艇で上陸すると・・・
「見事にジャングルだね。」
「鬱蒼としてますね。」
「じゃあドッグとか召喚しないとね。」
300メートルドッグ
全長300メートル
全幅60メートル
300メートルまで収容可能
消費魔力30000
ドスン
「これで大淀を直せるかな、倉庫とかも出しておかないといけないのか。先は長いな。」
「重機部隊を出して建物の建築を行えば魔力の消費は押さえられますよ。」
「本当かい?」
「はい、資材は召喚しないといけませんが結果的に見ると安くすみます。直ぐにできるかどうかという違いはありますが。」
「まぁ、一年程かけてゆっくりと整えようか。」
兵員の問題や基地の整備、課題は山積みだ。
三万トンドッグから300メートルドッグに変更




