第61話
それから4ヶ月の間に色々とあった。
まず着手したのは艦隊の区分、そして編成である、艦隊は以下に部類する。
外征艦隊
戦艦2隻、空母2隻、装甲空母2隻、巡洋艦6隻、駆逐艦24隻で構成される。国外に親征、遠征するための主力。自力で敵艦隊及び障害を排除することを前提にしている。
防衛艦隊
防衛する地名を冠する艦隊、あくまでも防衛艦隊であるため外征能力はそれほど高くない。その為空母も持つが基地からはあまり離れられない、追撃するのは空軍が行うため。
輸送艦隊
読んで字のごとく輸送任務に特化している。一ED型輸送艦20隻、隼鷹型改装空母2隻、津軽型敷設艦2隻、松型駆逐艦12隻で構成される、輸送第一なので戦闘能力は低い。
強襲揚陸艦隊
敵の抵抗の中に突入するため外征艦隊に次ぐ戦闘能力を持つ。蝦夷型強襲揚陸艦2隻、神州丸型強襲揚陸艦1隻、秋津丸型強襲揚陸艦1隻(ただし空母として使えるように大幅に改装)、二等輸送艦8隻、長門型戦艦2隻、フレッチャー型駆逐艦20隻で構成される。員数外として挺戦車、砲撃挺が所属する(ただし上陸作戦時のみ)。
補給艦隊
艦隊に補給を行うための艦隊、輸送艦隊との違いはあまりない。間宮型給糧艦、速急型燃料補給艦、明石型工作艦、ブリタニック型(タイタニックの一番艦)豪華客船、潜水母艦大鯨等が所属する。国賓を招く際に使用される。護衛艦艇はその都度追加されるので正式な数は決まっていない、一応天竜型巡洋艦1隻、秋月型駆逐艦8隻が付いてくる。
潜水艦隊
通商破壊、索敵、奇襲攻撃等を行う、基本的に潜水隊に別れて行動する。伊1000型潜水艦4隻、伊400型潜水艦8隻、潜高型潜水艦20隻、潜水補給艦8隻が所属する。基本的に戦隊で出撃するため艦隊で動くことは稀(なお順次新型潜水艦に更新中)。
次は陸軍だ。
拠点防衛部隊
本拠地、補給地を防衛するための部隊、一個戦車大隊(チャーチル歩兵戦車)、一個駆逐戦車大隊、一個自走砲中隊、歩兵一個大隊で構成される。防衛部隊のため防御力が重視されている。
強襲揚陸部隊
敵前に上陸する部隊、超重戦車一個小隊、中戦車二個中隊(Ⅲ号J型、Ⅳ号G型各一個中隊)、重戦車一個中隊(タイガーⅠ)、対空自走砲一個小隊、高射砲連隊一個(8.8センチ対空砲18トンハーフトラックに搭載)、歩兵一個旅団なお上陸作戦時には指揮下に挺戦車カミ車が加わる。
設営部隊
便宜上部隊となっているが基本的には戦力を持たない、その代わり前線での工作、基地の建設などを行うため特別製のブルドーザーやクレーン車等を持つ(装甲が追加されたりエンジンが強化されたり)。
防空部隊
拠点の防空を担当する部隊と強襲上陸部隊に随伴する部隊に分けられる、大して差はなく使用する機器がハーフトラックか戦車に乗せられ自走砲化したものぐらいなもの。
次は空軍だ。
防空部隊
拠点、本土等で防空を担当する。所属機震電24機、Ta-152 24機、He-219ウーフィー24機、P-51ムスタング24機、モスキート12機で編成される。
戦略爆撃隊
敵地に爆撃を敢行する部隊、偵察なども行う。所属機富嶽120機(内爆撃型80、掃射機型40)、護衛は長距離爆撃が主になるため掃射機型が代行。
艦隊航空隊
空母に搭載される部隊、編成はその都度変わる。
強襲揚陸軍航空隊
強襲揚陸艦に搭載される部隊、地上襲撃機と総合管制機で編成される。99式襲撃機改、JU-88Gシュトゥーカ、IL-2シュトルモビク(着艦装置追加、主翼折り畳み機能追加)、管制機は飛竜改が行う。
輸送・補給防空航空隊
輸送・補給艦隊の防衛に当たる部隊、戦闘機と少数の偵察機が所属する、戦闘機シー・ファイア、零戦22型、偵察機天山艦攻、ソード・フィッシュ(偵察とはいっても制空権内での行動が大半となるためむしろ速度が遅いほうが見逃しは少ないだろうという判断から)
輸送部隊
物資を前線に運ぶ部隊、輸送機型富嶽、Me331ギガント、二式輸送飛行挺仙空が所属する。基本的に非武装。
偵察部隊
偵察専門の部隊、基本的に非武装。高高度からの偵察から敵国に対する強硬偵察まで幅広く行う。偵察型富嶽、百式新司偵、彩雲がいる。
これが新生軍、正式名称ニライカナイ王国軍の全貌である。なお今回の講話協定に参加するための出撃する艦隊は第一外征艦隊が参加し他の艦隊から少数の艦艇が加わる。第一強襲揚陸艦隊より蝦夷、二等輸送艦2隻、第一補給艦隊より速急、間宮、明石、第一輸送艦隊一ED型2隻(他国に渡す予定の物資)、第一潜水艦隊第三潜水隊(伊1000、伊400、伊401、潜高型改8隻)更に試験航海としてシャルンホルスト、グナイゼナウも加わっている(こちらでの技量向上のためドックで改装された、主な改修点、艦首を大和型のを参考に改修し踏波性の向上、舵機の改修による高速航行時の適正化、三軸推進から四軸推進に変更)、これから先敵対するものは少ないと思われるが絶対ではないので念のためこのような編成になった、一部は砲艦外交のため連れているのも理由の一つ。
出撃する艦隊が一隻、また一隻と湾から出ていく。潜水隊は一足先に目的地に向かっている、脚が遅いため仕方の無い措置だ。そのため今回出撃しているのは外征艦隊達、主力艦隊だ。なお5ヶ月後を予定していたのに一月も早めて出撃したのは公爵からのある要請があったため。
ーーーーー海上要塞・淡路ーーーーー
「司令、電文を送りますか?」
ニライカナイ防衛艦隊指揮官のヨキアム中将にふくか副官が聞く。
「そうだな、発光信号『貴艦隊の健闘、無事を祈る』と打て。」
「了解。」
大和型を遥かに上回る全高50メートルの艦橋から発光信が瞬いた、どの艦よりも高いためどの艦からもよく見えた。
「できれば私も同行したかった。」
呟いた独り言は艦橋内にいたものの耳に届いた、だがこの淡路は要塞である、速度は遅い、確実に足でまどいとなるのは間違いない。それに閣下の命令は本土の防衛なのだ、だからと言って納得出来ないのもまた事実だ。不安が無いと言えば嘘になるがそれを飲み込むのが軍人だ。
「我々の出番が無いのが一番ですよ、そろそろ大和が見えます。敬礼しましょう。」
指揮官を窓際に連れていき敬礼する、その時
「大和より発光信号『貴艦の無事と今一度の任務の邁進を期待する。ニライカナイ国王ヴァルト』以上です。」
さらに大和の艦橋ではヴァルトも敬礼していた。
「勿体無いお言葉です、閣下。今一度任務に邁進致します。」
本土防衛を任されたもの達は皆同じ思いで任務に邁進することになった、後に他の艦隊に行くかと聞かれても大半のもの達は移動を拒んだ、その理由が『閣下の帰る場所を守れるのは我々だけだ、それこそが我々の誇りだ』と言っていた。
外征艦隊達は進路をシュラーク群島に取る、そこで補給を行い港町ヨルトリンゲルに向かいレイウェル公爵を乗せて交易国家バルシィに行くことになる。ある意味騒動が待ち構えていると分かるところに行くことは全員なんとなく分かっていたりする。なおヴァルトが淡路を出撃させないのは航行すると津波が出るため、お陰で試験航海の時も結構手間取った。
潜高型改:ミスリルを使用して初めて正式に建造された艦。設計の参考に潜高型を使った為便宜上このような名前になっている




