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第47話 蹂躙

ーーーーー帝国艦隊ーーーーー

「おお!飛竜の奴等もやるではないか、帰ってきたら褒美を出してやらんとな。」

「あの大きな船は沈んでしまいそうですね。無事ならば本国に持って帰りたいのですか。」

「戦利品としては最適だろうが、あれだけ燃えていたら無理だろう、諦めろ。」

残念そうに俯く副官にそう伝えると、艦隊を前進させるように命令を出す。

「全艦前進、敵の息の根を止めてやるのだ。ここで勝てば我々を遮るものはいない。進め、誇り高き我が将兵達よ。」

「「「ワーーーーー」」」

燃えている船を避けて前進している艦隊が半数ほど通過したときにそれは起こった。

ズドーーーーン

後方から衝撃波がやって来て将軍達が振り返ると今にも沈みそうだった船が攻撃をしていた。

「な、何故だ!あの船は沈みそうだったではないか!」

悠然と攻撃している船を見て唖然とするしかなかった、だがそのような時間は無いに等しい。戦艦の攻撃は始まったばかりなのだから。


ーーーー第一艦隊・大和ーーーー

「上手く引っ掛かってくれたね。」

「盛大に燃やしましたから、あれで無事な船がいるとは思わないでしょう。」

「負傷者はいないかな?」

「数人熱中症になったぐらいです、機銃は先に取り外せる物は艦内に入れていますから大丈夫でしょう、ですが40ミリは後で点検しないと危ないと思います。」

「あれは重たいから外せないしね。」

大半の炎はさっきの砲撃で粗方吹き飛んでいるのだが所々残っている。

「砲撃中外に乗組員消火作業させるわけにはいかんな、よし、今出せる速度は?」

「バルジに注水してますので23ノットです。」

それだけあればある程度は消えるかな?まあ飛沫で消える確率はあまり高くないから敵を始末してからゆっくり消そう、誘爆したら笑えないしな。

「よし、では艦速20ノットで敵艦隊の後方を攻撃、前方にいた奴等は最上達がかたずけるだろう。今はこの混乱を助長させてやることが先決だ。」

「了解しました。」

増速し敵艦隊の後方に向かうがまだ組織だった反撃は行われない。このまま終わると言うことはないだろう、警戒はしておかねば。

「貴方達は大丈夫ですか?公爵。」

先程炎が出たとき驚いて椅子ごと倒れてしまったが今は落ち着いている。

「大丈夫ならば先に教えてください、ヴァルト殿」

「全くです。」

メイドや執事たちも非難したように視線を向けてくる。

「はは、申し訳ない。種明かしも必要ですかな?」

「出来れば教えていただきたい。」

不満げに答える公爵に種明かしをする。前日に取り外し可能な機銃と可燃物は予め艦内に運びいれておき、それと並行して甲板の表面に薄くセメントを塗り油を染み込ませたぼろ布を甲板に置いておいたのだ。爆撃騎が攻撃して派手に燃え上がった理由はこれだ。館内の冷房は最強にしているのでそれほど暑さは感じないのである。

「貴女も大丈夫ですか?セシリア殿。」

「ええ、ですがこれほど強固な船とは思ってもいませんでした。凄い船ですね。」

対処が上手くいっただけの事とも言えるのだが、まぁ言わないでおこう。


ズドーーーーーン ドンドンドン


大和と武蔵の46センチ砲と10センチ高角砲が撃ちまくり指揮所の指示はこの場合無しで攻撃を行っている、何せ周りは敵だらけ撃てば当たる状態だ。これで外すことが出来たら逆に凄いと言える。

「撃ち放題ですね!軍曹殿」

忙しく10センチ高角砲弾を装填している二等兵が軍曹に話しかける。

「ああ!全くだ、こんな状態じゃあ休むことも出来ねえしな。飛行機じゃなくて船を攻撃できるんだ大砲屋の腕が鳴るってもんだ。ほれ、さっさと装填しろ。」

生き生きと船に狙いをつけては撃ちまくっている。

「わかってます、よっと。装填完了。」

「よし、撃てー」

また一隻海の藻屑と化した。


「司令官、前方に船が固まっていますがどうしましょうか?」

船が密集しすぎて動けないんだな。かといって後退する必要もない。

「体当たりで潰せるか?」

「可能ですが速度は少し落ちますよ。」

「それぐらいならば問題ないか、突撃して真っ二つにしてやれ。」

「了解‼」


ドガ、メキメキ


速度が数ノットしか出ないのに避けるにはその小ささを利用するしかない。だが大量の船がいる以上身動きはほとんどできない。結果数10隻以上が体当たりで沈められた。

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