第42話 各司令官の準備
ーーーー潜水艦隊旗艦・伊1001潜ーーーー
「中将、総司令官から電文が届きました。」
通信兵から電文が手渡される。
「ようやく我々も動いても良くなったのね。全艦に通信、本日2300より艦載機の発艦準備。夜中にあの港に攻撃を仕掛けるわよ。」
「ようやくですか。あの港を見つけてからずっと待機させられてましたからね。あいつらもストレスが限界に近いでしょうから派手に暴れてくれると思いますよ。」
艦長がそう言うと部下に準備に移るように指示を出した。
「私たちは早く終わるけど他の船がどれだけかかるか心配ね。」
「皆優秀ですから30分もあれば終わるでしょう。信頼して待ちましょう。」
「そうね。」
中将には待つことしか出来ないのだから。
ーーーーシュラーク諸島・空軍基地ーーーー
「失礼します、総司令官から電文です。」
戦略爆撃軍団指揮官、小沢治中将に通信兵が電文を持ってくる。
「ふむ、明日帝国の前線基地を空爆せよとのご命令か。」
「いかがしますか?」
副官が訪ねるが、答えは分かりきっていた。
「当然、命令に従うのが軍人だ。富嶽を使用する。護衛は掃射機型を付ける。総員準備にかかれ、我々の初陣だ。へまをすることは許さんぞ。」
「了解。」
かくして富嶽の暖気運転の音が航空基地に鳴り響くのだった。
ーーーー第二艦隊旗艦・ビスマルクーーーー
「中将、総司令官から電文です。」
食後のコーヒーを飲んでいるところに、通信兵が駆け込んでくる。
「分かった。」
電文には第一艦隊が攻める時に後方から攻撃せよということだった。
「挟撃か、いや第一艦隊との戦闘から逃げてくる船を撃沈もしくは滷獲しろということか。」
総司令官の真意を理解し艦隊に命令を伝える。
「総司令官からの戦闘開始の合図は聞き洩らすなよ‼」
激励も忘れずに通信兵に行い明日に備えることにした。
ーーーー第一艦隊旗艦・大和ーーーー
「連絡終わりました。」
通信兵が伝えてくる。
「御苦労様、下がって良いよ。」
「失礼します。」
敬礼し退室する。
「これで準備が整ったか。後はどうなるか、明日を楽しみにしておこう。」
夕方になった時点で公爵達には部屋に行って貰うことにした。戦闘時は艦橋に呼ぶという条件でだが。
伊400:艦載機晴嵐改三機
富嶽(掃射機型):1型と2型があり双方の装備は共通で20ミリ機関砲6門に増えている。1型は制空戦も出来るようにされており爆弾庫に20ミリ機関砲100門設置されている。2型は主に対地攻撃用に30ミリと40ミリ機関砲が設置されている。今回付けるのは1型。




