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〈chapter:04-04〉

【前回のあらすじ】


委員長が爆弾投下です。

「……くっ! やっぱり委員長は、ガチで茉莉のことを……っ!」

「泣くなよお前ら、ふたりを直江にもっていかれるよりマシだろうが!」

「それに自分、茉莉さんと東雲さんのカップリングならぜんぜんアリであります!」

「むしろ萌えるぜ!」

「あ、わかるわかる」

「巨乳とちっぱいのギャップだよな~」

「ハアハア!」

「ったく……おまえら全員、おとこだぜっ!」


 ……ん? 

 おやおや、なんだか外野が騒がしいですね。


 気がつけば、なぜか教室にいた男子の大半が息を荒くして円陣を組んでいます。

 それを遠巻きに見つめる女子たちは「さいてー」「キモッ」と嫌悪感をあらわにしていました。

 なに、この温度差のある空気?


 そしてどうやらみんなの会話の中心らしい、ユリりんはというと……


「はわわ言っちゃった……とうとう勢いで、こ、告白してしまいました……っ!」


 白磁の頬をリンゴのように真っ赤に染めて。

 なぜか両手で顔を隠しながら、その指の隙間からチラチラと、私のほうを窺っていました。


 恥ずかしがるような。

 けれど何かを期待するかのような。

 そんな熱っぽい美少女からの熱視線に、私は……


「……んにゃ?」


 頭にクエスチョンマークを浮かべながら、首を傾げてしまいます。


 はて。

 見事に意味がわかりません。

 正直、さっきはナオきゅんの理不尽発言のせいでなかば放心状態だったために、ユリりんの言葉をほとんど聴いていなかったんですよね~。


 ですがなんだか「もう一回言って」とはとても言いにくいこの雰囲気。

 まあ、でも会話の流れからなんとなくその発言は推測できますよ。


 ようはアレですよね? 

 私とユリりんが、本当に仲良しかどうかって確認ですよね?

 だったら答えは決まっています。


「もちろん私も、ユリりんのことは大好きだよ?」

「……っ!」(パァァ)


 その瞬間。

 ユリりんの表情が、まるで朝日を浴びて開花する朝顔のように綻びました。


「そ、それではカノンちゃんは、わたくしのこの気持ちを、う、受け入れて……っ!?」

「うん、当然じゃない」

「ほ、本当に?」

「本当に」

「本当の本当に?

「うん本当の本当に」

「う、嬉しいっ! わたくし、生まれてきてよかった! もう死んじゃってもいいです!」

「あはは、大げさだなぁ、ユリりんは」


 まるですべてに祝福された花嫁のように……

 胸に飛び込んできて歓喜の涙を浮かべるユリりんの頭を撫でつつ、私は微笑みを浮かべます。


「だってユリりんは私の大切な、『お友だち』じゃないですか」

「…………あはっ」


 そして次の瞬間、その瞳から『スッ……』と光が消えました。


「ひでぇ……」

「これはムゴすぎる……」

「一度持ち上げておいて叩き落とすとか、茉莉は鬼か」

「人間のやることじゃねえ」

「委員長、あれは心が折れたな」

「流石に壊れたかも……」


 おやおやぁ?

 なぜかまた外野が騒がしいですね?


 そしてこれまたなぜか『すっ』と私から距離をとったユリりんは……

 心なしか、右肩が下がり。

 うふふ、あははと、虚ろな瞳で今にも消え入りそうな笑い声を漏らしています。


「……ホントおまえって、人の気持ちに鈍いよな」


 ナオきゅんは嘆息し、ジト目で私を睨みつけていました。


「ふふんっ。まあ私のアンテナはキホン、ナオきゅんだけに向けられていますからね!」

「誤信ばっかりのくせにドヤ顔で威張るな」

「いやー。でもじっさいこんな私に興味を持ってくれる奇特な人なんて、ナオきゅん以外にいないでしょー?」

「……」(しくしく)

「あ、委員長ついに泣き出しちゃった! 謝れ! 今すぐ俺と委員長に謝りやがれ!」

「えっ!? な、なんでなんでナオきゅんはともかく、なんで私がユリりんにまで謝らないといけないんですか!?」

「……い、いいんです……カノンちゃんは何も悪くない……悪いのは、親友にこんな間違った想いを寄せている、このわたくしのほうなんですから……」

「……委員長……なんて不憫な……」


 さまざめと泣くユリりんに……

 なぜかナオきゅんは、心底同情するような表情を浮かべていました。


というわけで、カノンちゃんは重度の天然でした。

この辺の才能はもちろんパパ譲りです。


お読みいただき、ありがとうございました。

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