依頼書生活5
「んんん。」
日差しがまぶしい。
…あれ、タイマーは?
寝過ごした⁉
急いでスマホを手に取り、時間を確認する。
「ふぅ。」
よかった。タイマーよりも早く起きただけだ。
俺は安心しながら、布団から出る。
そのまま冷蔵庫を開ける。
「……まじか。」
冷蔵庫の中にはほとんど何もなかった。
牛乳ぐらいである。
……まぁ学校行くときにコンビニに寄ればいいか。
もともと少し予定があったのだ。
なので俺はいつもより早く学校へ行った。
外に出るといつもより早いからか、お隣さんが出て行っていた。
「おはよう。学校頑張ってね。」
そうお隣さんが言ってきた。
「あっ、はい。そちらもお仕事頑張ってください。」
こんな仕事やっておいてだがあまり話すのは苦手だ。
「あぁ。あんまり夜遊びはやめてね。」
「すみません。本当にすみません。少し事情がありまして。」
本当に申し訳ない。
「あぁ、まぁいいよ。申し越し静かにしてね。」
そういわれ、お隣さんは車に向かっていった。
俺もその背中を見送り、自転車に乗った。
ギィという音を鳴らし、自転車は動き出した。
通学途中だが、コンビニに寄る。
朝ご飯とついでの事情だ。
店内に入り、店員の顔を見る。
よし、あいつだ。
俺は塩パンと昼食用のカロリーメイトを買い、レジに向かった。
そこには例の男がいた。
商品をレジに置き、話しかけた。
「よう。彼女さんはどうした?」
笑いかけるように言った。
そいつは一瞬苦い顔をして、
「うまくやってますよ。」
そう、取り繕った笑顔を出した。
「そうか?ならいい。ちょっと前にお前の彼女さんが相談に来てな。」
ちょこっと爆弾を落とす。
「そん時にちょろっと言ってしまってねぇ。」
「お前か!!」
そういってそいつはレジを乗り越え、こちらにつかみかかって来た。
「お前のせいで…!金返せ!」
「何言ってんだ。俺はお前の依頼をこなした。その時だけの契約だ。今後も守るなんて俺は言ってない。」
そして俺はそいつがつかんでいる手を払う。
「じゃぁな。せいぜい幸せに。」
そう皮肉ってもう会計が終わった商品を取り、俺は店の外に出た。
後ろからなんだかワーワー騒いでいる声が聞こえたが気のせいだろう。
俺はそのまま自転車に乗り、学校に向かった。
学校につき、教室に入る。
ガヤガヤとした教室はいつも通りだ。
早く出たはずだが、コンビニで時間食ったからかな。
俺は自分の席に着き、本を取り出す。
本を読みながら時間をつぶす。
一時すると、周りのガヤガヤとした声があまり聞こえなくなった。
そのまま集中して字を読む。
「1年……ね持ち……れたらしいぜ。」
その言葉で集中が途切れた。
俺は耳を澄ましその声を聴く体制に入る。
「なんでも、別れたのには原因があってそいつは金で付き合えたらしいぜ。」
「へぇそうなんだな。」
「そして、別れたのは金でやとわれたやつがばらしたからだっていう噂だ。」
なんて正確性のある噂だ。
もちろんばらしたのは俺だ。
だが、そんなの気にしない。
話を聞き終わったので俺は本に目を落とす。
そしてそのまま先生が入ってくるまで待つ。
だが、案外早く先生は入って来た。
そんなに今回遅かったかな俺。
そしてそのまま俺は説明を全部聞き流していると、気づけば終わっていた。
周りを見ると、全員席を立ち、どこかへ行った。
……あっ。移動教室か。
見ると全員教科書を持っていた。
俺はみんなが持っているものと同じ教科書を取り、みんなについていった。
移動中もそこかしこからガヤガヤとした声が聞こえる。
俺と同じクラスのやつの後ろを歩いていると、見覚えのある奴がいた。
例の元彼女さんだ。
見ると、前にいる集団も隣を通ってからそいつについて話しているらしい。
そいつは絶望した顔をしながら歩いていた。
……元凶としてはすさまじく心苦しい。
俺はああいう金での付き合いが嫌いなのだ。
そんなのいつか壊れる。
なら一切関係ないと思っていたやつに壊された方が、責めやすいだろう。
俺は責任から逃れるように素早く歩き出した。
あれから結局授業をすべて聞き逃し、気づけば帰る時間である。
さっさと帰る準備をする。
すぐさま外に出た。
帰っていると、いつも通りサッカー部が練習準備をしていた。
……珍しい。いつもの校則ギリギリ男子がいない。
いつもいる、茶髪と思われる髪色をした髪を伸ばした男子である。
まぁ誰だって体調がすぐれなくなることはよくある。
なので俺は特に気にしなかった。
そのまま駐輪場につき、自転車に乗った。
そして家までペダルをこぎだした。
家についた。
自転車を置き、家に入る。
ただいま我が家!やっぱ落ち着くね!
俺は通学用の鞄をそこらへんに投げ捨て、机の前に座る。
ノートパソコンを開き、いつ通り予約者がいないか確認する。
「おっ。」
珍しく一名予約が入っていた。
今日は予約のみのなので開けとかなければ。
予約内容は……無記載。
まぁ別に無記載でもいいんだけど。
ちょいと怖い。
だが、そんなこと気にしたら負けである。
俺はそのままゲームを起動し、ゲームプレイを始めた。
「さぁ、レッツラゴー!」
気づけば7時半である。
そろそろゲームをやめ、席を立つ。
いつもの仕事部屋に行き、椅子に座る。
といってもすぐ来るわけでもないのでノートパソコンを見る。
…………………………遅くね。
大体2時間ぐらいたった。
暇だ。
その思いが伝わったのか都合よくコンコンコンと三回ノックオンがなった。
「どうぞ。」
ノートパソコンを閉めながらそういう。
そして、扉を開けて入って来たのは…
「ッ!!」
例の茶髪男子だった。
その茶髪男子は机前の席に座り、こちらを見てきた。
だが、俺の驚いた顔があからさま過ぎたのか、
「えっと、どうかしましたか…?」
そう聞かれてしまった。
「あっいえ。大丈夫です。」
気を使わせてしまった。
「えっと、依頼内容は…。」
空器を変えるためすぐさま仕事内容の話に入る。
気まずい雰囲気にはさせるか!
「えーっと。ちょっと人探しというか。」
そう切り出された。
……前から思っているが、初めて見る前からなんか見たことあるな。
「僕の兄が、僕の通っている高校にいるって風のうわさで聞いて…。」
……近くで見るとより一層なんか見覚えが…。
…あ、俺の顔に似てる!
「あの、僕の顔に何かついてます?」
「あっすいません。続けてください。」
「えっとその人は……っていう名前で……。どうかしました?」
「いえ。すいません。ちょっと。」
おい。その名前俺じゃないか。
「その、あなたってその人と同じクラスですよね。」
なんで知ってるんだ?
おい、それよりもどういうことだ。
あんたの探してる人俺だぞ。
「まぁ、そう…ですね。」
とりあえずそう返しておく。
その人は俺だけどな。
ていうか、なんで俺は弟と別れてんだ?
俺には親が………あれ?
「その名前の人はこの学校に一人しかいないそうで…ちょっとその人を呼び出してほしいんです。」
「あっはい。わかりました。」
「お願いします。」
そういってその子は席を立った。
「……あの、名前お伺いしても。」
「……といいます。」
そう礼儀正しく答え、その子は部屋から出て行った。
指定された時刻と場所が書かれた紙を渡されたのでそれを見ている。
三日後の五時半。
その時刻に俺は行く必要があるわけだ。
いった方がいいのかなぁ。
というか俺の家族はどこにいるんだ。
あいつの言った通り、もし本当にあいつが俺の弟ならば、あいつに聞けば全部解決だ。
そうして俺は行く決意を固めた。
それから布団に潜り込む。
そして目を閉じる。
そしてすぐに眠りについた。
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