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依頼書生活  作者:
1/6

依頼書生活1

「んっ」

カーテンから漏れ出す光。

少し暗い部屋に光が入り込み明るく照らす。

その光はまぶしいほどきれいで…

そして照らされる、きったねぇ部屋。

「片付けないとなぁ」

俺はそんなことを一言いいながら俺は布団に潜り込む。

うぅ…寒い。

俺は悪くない。寒い外が悪いのだ。

そんな言い訳を思いながら俺は目を閉じた。


「んっ」

カーテンから漏れ出すほんのりと赤い光。

その光はとても夕日に似ていて…

その赤い光に導かれるように布団から出てカーテンを開けば…

「夕方⁉」

おかしい。何かがおかしい。

ついさっきまでは朝だったのだ。すがすがしいきれいな朝。

雀がなき、近所の人が行ってきますとか言ってたのだ。

それが今やどうだ

カラスがなき、近所の奥さん方が買い出しに行っているではないか。

「片付けもしてねぇ。」

家にはたまりにたまったジャンクPC。

捨てるのがめんどくさくてそのままにしてるコンビニ弁当の容器。

まずい。このままではごみ屋敷になってしまう。

そんな自分が始めた物語ですげぇ苦労し始めた。


…まぁまずは飯だよね。

というわけで今俺はご飯を食べている。

あったかいスープが体を芯まで温め(牛乳をあっためたやつ)、温かいご飯で作ったKGTを食べる。。

なんて幸せなんだろう。

とても幸せな気分になった後、片付けに入る。

えーっと、このPCはもう修理したな。捨てるか。…いや、CPUとメモリと電源引っこ抜いて売ればそこそこな額になるか…?

まぁいい。こっちのPCは…産廃だな。SSD引っこ抜いてあと捨てるか。いやでも、修理に苦戦した思い出があるな。

とりあえず次は…俺の好きなCPU乗ってるな。いやでも、そこまでいい奴じゃないし…。だけどこのCPU今でも高い…

とまぁ、一切片付かなかった。気づけばもう8時である。6時に始めたんだけどなぁ。

とりあえず、足の踏み場ができる程度に端っこによけておく。

いっっっった!

ネジを足で踏んだ!すっごい痛い。

痛い痛いと言いながら俺はある部屋に向かう。

そこには小さな事務用の机があり、パイプ椅子が二つ置いてあるだけの特になんもない部屋である。

ここが俺の仕事場である。

無理言って大家さんに貸してもらった部屋の扉に「開」と書いた看板をぶら下げる。

その後はパイプ椅子に座って依頼人に来てもらうのを待つだけだ。

ただ待ってるだけなのも暇なのでノートPCを開く。

そこでだらだらと動画を見たり、ゲームしたりとする。

このジャンク修理の実況者わかりやすいな…。登録しとくか。

久しぶりにいい実況者に出会えた。

うれしい気持ちでそのままその人の過去の動画を見る。

へぇ~そういう不具合だったのか。意外だ。

そうやってだらだらと流し見していると、

トントントン

ノックが三回された。俺はPCを閉じると、

「どうぞ」

そういうと少し立て付けの悪い扉がギィと音を立てて開いた。

珍しく来たお客様はどう見ても中学生である。

黒いジャージに黒いズボンと全身黒である。

緊張しているのか扉を閉める動作すらぎこちない。

扉を閉めると机の前の椅子に座った。

そして、大きく深呼吸をした。

そして口を開き、

「桜依頼所でしょうか…」

自信がないのか言葉は後になると声が小さくなった。

ここで違うと言ったらどうなるんだろうか。

「はい、そうですよ。」

無難に返しておく。

そして相談内容が言われるまで黙っていた。

だがそれは悪手だったらしい。

この子は人と話すのが苦手なのか緊張している様子から何も変わらないし、俺に関しては最初に黙ってしまった以上、こちらから話し出すのがなんとなく嫌だった。

「………」

「………」

ごめん。ギブ。気まずすぎる。

「依頼内容は何でしょうか。」

こちらから話しかける。

そうするとその子はこちらを見て、

「友達を救ってほしくて…」

????

どういうことかわからない。救ってほしい?誘拐でもされたか。

「えっと、僕の友達がいじめられていて…」

わからないということが顔に出てきていたのか教えてくれた。

最初からそう言ってくれ。

ん、この子カラコンつけてる。赤色の。

ははぁ、そういうお年頃か。だから救ってほしいとかか。

最初の説明の意味が理解できてから少し考える。

いじめか…俺は好きじゃねぇな。

まぁでもいじめ解決の依頼は今まで何度か受けた。

別にいいだろう。

「いじめ解決ね。いいよ。その依頼受けよう。」

そういったら一気にその子の顔が明るくなった。

とくにいじめの原因とか聞かなかったけど別にいいか。

わからないなら自分で知ればいい。

「じゃぁいじめっ子の名前を教えてもらえる?」

「リーダー的なのは山田風義っていう子。あと二人いてその子が田中たけと佐藤風吹っていう子。」

そこまでわかってんのかよ。すげぇなこの子。スパイの才能あるよ。

そのいじめっ子は外面はいいのか悪いのかでやり方が変わるな。

「そのいじめっ子たちは周りからはどんな評価を受けてる?」

「信頼されているように見えます。みんなから頼られて、リーダーみたいです。」

・・・うん。だるいねこれ。

俺の構想では毎日黒板にそいつらの悪い噂適当に書いて学校中に悪い奴らっていう空気を作らせようと思ってたが。

多分無理だなこれ。

クラスの人が多分擁護するだろうな。先生もなんか対処するだろう。

さて、どうしようか。

いじめの内容をコピーしてそいつらにそのままやってやろうか。

「いじめの内容はどんな感じ?」

「靴を隠したり、ノートとか教科書を破ったり…。」

そこらへんにあふれているような内容だな。

「その子たちは頭はいいの?」

やり方も変わってくる。

「成績は学年で7位ぐらい…」

すごいな。

「モテてるというか、女子からの信頼は…」

女子に嫌われてるなら最初の構想もできる。

「モテてる」

へぇ~

「ちょっと聞くが、そいつらは本当にいじめてるんだよな。」

さっきまでの質問でちょいと疑問ができた。

「そうですよ。今更どうしたんですか。」

こいつは自分で隠してるつもりなんだろうが、声が少し裏返ってる。

隠そうとはしてるな。そこそこ上手だ。

「いやまぁ、そんなリーダーのようなやつで頭もいい奴がリスクリターンの計算ができないはずがない…と思ってな。」

あからさまに焦ってるような顔になってる。

「どうした?顔色が悪いぞ。」

ここらへんで仕掛けるか。

「図星か?」

少し煽るような声を出す。

「…なんでわかったんですか。」

悔しそうな顔だ。

笑える。

「勘だよ。」

「嘘だね。」

…へぇ。勘はいいらしい。

「図星か?」

そうだな。全くの図星だ。

「今度から復讐は計画的にな。」

そういって俺は扉を見る。

それがわかったのか、素直に立って扉に手をかける。

「自分で解決することも大事ですね。」

「武力による鎮圧は一時的なものだぞ。」

なんとなく推測できた。

モテてるかというふうな質問に少々いらだった様子だった。

多分、好きな人を取られたとかそんな理由だろう。

こいつにとっては「そんな」で片づけられるものじゃなかったってことだ。

「何かを失う。」

ちょっとぐらアドバイスしたっていいだろう。

「そんな気持ちすらないのに、何かを得るなんてことが、」

一息置く

「できるわけがないだろう。」

その恋焦がれる少年は一瞬驚いた様子で、だけどすぐに笑顔になり、

「頑張りますよ。」

そういって出て行った。


その子が出て行ってから30分ほどたっただろうか。

俺はいろいろ考えている。

好きな人がそいつのことを好きになったから貶めたかった。

どんな手を使ってでも。

そういう動機だったと俺は予想した。

だけどまぁ違うかもな。

どうでもいいが。

あの少年はこの後何をするだろうか。

あの言葉をどのように受け取っただろうか。

素直に告白しろと受け取っただろうか。それとも失う覚悟でそいつに喧嘩を売れと受け取っただろうか。

それともどちらでもないか。

…まぁどうでもいいだろう。

ふぅ。

「疲れた。」

俺はそう一言言ってドアにかけていた看板を取る。

そして家に入り、布団に潜り込む。

「お休み。」

誰もいないのに。

返事を返してくれる人はいないのに。

俺はそう一言言って眠りについた。

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