表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイのシナリオ 〜私の目的は"君"を殺すこと。  作者: カイン
序章 『"君"だけが君じゃない世界』
7/11

絶望

  ・・・・・・・・・・

私が遥香と思われるナニカに銃で胸あたりを撃たれたあと…

     ・・・・・・   ・・・

私は…また何者かの悪夢の中で何回か目覚めた。


この死に戻りの正式名称は悪夢オチと言うらしい。


誰がつけた名前かは知らないが…


そして、これもキューピットが教えてくれたことだけど…




多分、その悪夢オチには回数制限がある。


そう…


10回までだ。


そして…


私は現実で遥香に殺されたのを含めると、この区間で9回殺されてる。


そう…

・・・・

9回もだ。


そして、私が遥香?に銃で撃たれ、悪夢の世界に戻されたあと、私達はやれることを色々やったが…


結局、私もエリカの打開策は…全てあの執事ゾルゲと、屋敷の外を固めている堕天使(バッド・ドリーマー)の軍勢の前では、すべて失敗に終わった。


全て…無駄だったのだ。


…そして。

      ・・・ 

今回もまた、同じ朝が始まる。

(…………)

  ・・・・・・

私がまた同じ時間に泣いていると、同じ使用人のエリカが部屋に入ってきた。


『おはよー。アンリ……?』


そして、私の方へ心配そうにかけよってきてくれた。

                    ・・・

そして、私達は…奴らに悟られないように、わざといつものループと同じように振る舞った。


『大丈夫!!?アンリ!!』


『大丈夫だよ。エリカさん。少し思い出せないことがあっただけ』


すると、エリカは微笑んで言った。


『きっと悪い夢でも見たんだよ』


『きっと…?』


『うん。きっと』


その優しい微笑んだ顔を見ていたら、いつの間にか私の表情も柔らかくなっていた。


本当に…柔らかい。


そして…優しい。

         ・・・   

こんな優しい人達が9回も殺されたのだ。

        ・・・・・・・・・・・・・・

やっぱり、私は……この人達を守らないといけない。


…そう誓った。


でも……

・・・・・

どうやって?


『あと…アンリ。私のことはエリカさんじゃなくて、エリカって呼んで』


『……え?良いの?』


『うん。だって、私達同じ使用人でしょ?だからアンリと仲良くなりたいの』


そう言って、彼女は私に手を差し伸べてくれた。


そして、私はその手を取って、言った。


『うん!よろしくね!エリカ!』


すると…エリカは嬉しそうに微笑んだ。


そして…私と数分話したあと、エリカは出ていった。


部屋の机の上に、あるメモを書き残して。



そのメモにはこんなことが書かれていた。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・

ー『会話は全てゾルゲ達に聞かれている』


…そっかあ。


にしても…

・・・・・・・・・・・

また同じ少女の夢を見た。


(………)


私はベッドの中に潜って、ひたすらどうするべきか考えていた。


でも…


何も思いつかない。


もうどうしようもない。


みんなを守れない。


私はここで死ぬ。


遥香やみんなを救えずに、死ぬ。


何故なら、私には魔法のような特別な力なんてものは何もないからだ。


私はやはり、特別ではないから。


私は結局…昔と同じままから…!


私は無力だから。


私は…!



私は!!



『私の助けが必要かい?アンリ』


窓の方から声がしたので、私はその声がした方向を見た。


すると…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いつものループなら閉まっているはずの窓が空いていた。


そして…そこにいたのは。


精霊キューピットだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ