子供の頃
私は、子供の頃…魔法少女になって、ほうきにまたがり、世界を飛び回る夢を見たり、私は女の子だけど…それでもヒーローになって、世界中の悪を倒しに行く夢を見た。
…そして。
子供の頃、私がつけたその悪の枢軸の名前は…
x…シナリオ…?
ーその次の刹那、ズキンという激しい重低音と共に、私の頭に激しい頭痛が走る。
……痛い…!
痛い痛い痛い痛い痛い!!
こんな記憶…!!
私は…!!知らない!!!
私は…!誰なの!!?
教えて!!!
誰か!!!
誰かァ!!!!
『愛理。君は…普通の女の子だよ』
…え?
この声は…?
聞いたことのある…!この声は…?
…まさか。
『愛理。君は、何よりもヒーローみたいになりたいと願う普通の女の子だよ。どうか…悪夢の声に惑わされないで』
そして、その声が私の頭の中で響きわたったその次の瞬間。
私の意識は…
(…………)
悪夢の中の現実に戻った。
だから、私は…瞳を開けることができた。
そして、私は…私の目の前にいる私のヒーローに対して…微笑みかけることができた。
『おかえり。私の…ヒーロー』
私は…目の前にいる私の1番大切な人に対して、そう言った。
…私の1番大切な人。
……そう。
私の親友の遥香に。
ー遥香は、私のこの言葉に対して、こう言った。
『こちらこそ…私の声を信じて、私達の友情を信じて、帰ってきてくれてありがとう。愛理』
そして、私は…頷きながら、言った。
『やっぱり…私を殺そうとしたあの遥香は……この悪夢の作り出した偽物だったんだね。……ごめんね。もしかしたら、とも少し考えたんだけど……私。遥香のこと…途中まで信じてやれなかった』
すると、遥香はうつむく私に微笑んでくれた。
そして…言った。
『大丈夫だよ。愛理。勘違いは誰にもある。それに…今はそれどころじゃないよね』
ーその言葉を聞いた私は、目線をエリカの方へと移す。
エリカは……
うなだれていた。
そして…頭をかきむしりながら、叫び続けていた。
『誰だそいつは!!!殺す…!!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!』
その光景は…まさにカオスそのものだった。
ーすると、遥香は…私の一歩前に立った。
そして…私に対して、こう言った。
『愛理は、下がってて』
私は…その言葉に対して、こう返した。
『私も…戦う』
『今の愛理じゃ、あれ相手には無理』
『なんで…?』
『また…さっきのような苦しみを感じたいの…?』
『………』
私は…情けなくも、沈黙してしまった。
ーそして、遥香を心配する私に、遥香はこう言ってくれた。
『大丈夫。今の…私ね。すごーく強いんだから』
『…そうなの?』
『…うん。だから、大丈夫。私の背中をしっかりと見ていてね。…そして、しっかり憧れて。だって、私こそが…貴女の憧れるヒーローそのものだって、私は信じているからね』
ー遥香は、少し誇らしいような感じで、そう言った。
そして…
私は、遥香の背中を見た。
そして…感じた。
遥香の…背中の大きさを。
ーそして、まさに、この背中こそが私の追い求めるヒーロー像そのものであることを、私は…その時、理解した。




