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第1話 新たな問題発生……?



 私の名前はジゼル。元々は教会の聖女だったけれど、契約結婚期間を経て、今では正式なイーサン公爵家の妻になった。


 私の公爵家での仕事は、主に聖女の力を使ったものだ。公爵領の畑に豊穣の祈りを捧げて、よく作物が採れるようにするのだ。


「よし、今日も頑張るぞ!」


 なんといっても、今日はアベラルド様と晩酌の日なのだ。最高の週末を迎えるために、今日もお仕事頑張るぞ。


 私は決意を新たに領地の畑へと向かって行った。


「ジゼル様ー、こっちこっち!」

「はーい」


 領民に呼ばれたので、私はそちらに向かって行く。


「おはようございます、ジゼル様」

「おはようございます。今日も祈りを捧げればいいですか?」

「違うんですよ。実は、困ったことになってまして。こちらに来てもらえますか?」

「? はい」


 疑問に思いながら、私はその人に付いて行く。その先にあったのは……。


「え、畑が荒れてる⁈」

「そうなんですよ。数日前から、こんな状態でして……」


 領民の人に連れて行かれた先にあったのは、荒らされた畑だった。畑の土が掘り返されており、トウモロコシが食い荒らされていた。


「ひどい……」

「多分、動物か何かの仕業だと思うんですけど……。万が一、魔物だった場合、怖くて……」

「そうですよね」


 魔物とは、魔法を使う獣のことだ。魔物の死体を放っておくと、瘴気の原因になる。

 普段は森の奥に住んでおり、人里で遭遇することはないはずだ。

 でも、万が一ということもあるから、警戒はしておいた方がいいかも。


「じゃあ、念のため、結界の檻を作りますね」

「結界の檻??」


 聖女は、浄化、治癒、結界、豊穣の四つしか使えない。しかし、聖女の力を使い続けると、進化した術を使うことが出来る。

 これが判明したのは、日本酒を作っている時だったけれど……それ以来、聖女の力が応用できないか色々試し始めたのだ。


 その結果、四つの力を応用した術が使えることが判明し……その中に、結界の檻を作る力もあったのだ。


「聖女・ジゼルの名の元に命じる。悪きものを捕える結界の檻現れよ」


 私が唱えると、光の檻が現れた。それを次々に量産していくと、いつの間にか集まっていた領民達が「おぉー」と声を上げた。


「これを各々の畑に置いておきましょう。普通の動物だったら、これで捕えられるはずです」

「魔物だった場合は捕えられないのですか?」

「魔物だった場合は、すぐに光の檻が浄化するので、そのまま消滅すると思います」

「はぇー、便利ですね」


 そうして、私は光の檻をその領地一帯に配った。念のため、その領地の周りの村にも足を運び、畑が荒らされる被害が出ていないかを確認した。

 しかし、他の場所では問題はなく、何が原因なのか疑問だけが残ったのだった。




「……っていうことがあったんですよね」

「なるほど。それは気になるな」


 その日の夜、私とアベラルド様は晩酌部屋に集まり、その日の仕事の報告をしていた。


「とりあえず心配なので、明日も領地に行こうと思います」

「分かった。それなら、俺も着いて行く」

「本当ですか? ありがとうございます」


 アベラルド様が付いて来てくれるなら、頼もしい。何かトラブルがあった時に一人だと不安だからね。

 私が本日の報告を終えた後、今度はアベラルド様が口を開いた。


「俺の方からもジゼルに聞きたいことがあるんだが……」

「何ですか?」

「実は、今度、うちの領地でお祭りが開かれるんだ」

「お祭り?」


 アベラルド様曰く、公爵領では夏の終わり頃の恒例行事として、豊穣を祈るための「ハーベストフェス」なるものが開催されるらしい。

 領地の美味しい特産品を使った出店が立ち並ぶ、公爵領の一大イベントだそうだ。 他の領地の人も見に来るほど有名なお祭りで、なんと数週間前から領地に滞在する人までいるみたい。


「あれ? でも、一年前はそんなイベントなかったような……?」


 私が公爵領に来てから一年近く経とうとしているが、去年はそんなイベントなかった気がする。


「去年は瘴気問題があったから、それどころじゃなくてな。開催が見送られたんだ」

「ああ、なるほど」


 確かに、去年は領地に瘴気が蔓延していて、お祭りを開くなんてできなかったよね。アベラルド様の説明に納得する。


「それで、そのお祭りでジゼルに出店を一つ担当して欲しいと要請がきていてな」

「そうなんですか⁈」

「去年は開催できなかった分、今年は盛大にやりたいらしい。ジゼルが出店を担当すれば、話題にもなるだろうしな。ただ、祭りの日まであまり時間がないし、断っても……」

「やります!」

「早いな」


 アベラルド様は呆れているけれど、これは絶対にやりたい。だって、これは日本のお祭り料理を広めることができるチャンスじゃないか……!

 たこ焼きにお好み焼き、イカ焼き、フランクフルト……そして、キンキンに冷えたビール!


 はぁぁ〜、考えただけで美味しそう!


「出店に使えそうな料理、さっそく明日から考えていきますね」

「分かった。俺に協力できることがあったら、言ってくれ」

「もちろんです」


 そこでその日のお仕事の話が終わったので、私はパチンと両手を合わせた。


「それじゃあ、仕事の話はここまでにして……晩酌をしましょう!」



コミックス1巻は、1月16日(金)発売です!

表紙イラストや特典情報(全3種)などは、活動報告にまとめております!

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