表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/50

吊り位置は

「…私は、自分に白を出してくれてる永宗さんが真の一人だと思っているわ。だから、正高さんも白く見えてるし、芽依ちゃんの意見にはウンとは言えない。私は光晴さんが言ってたように、氷雨さんは漂白噛みだと思うのよ。だから、芽依ちゃんと辰巳さんの中に黒が居て、それで白い正高さん吊りを押すためにそんな意見を出してるんだと思ってる。私から見たら、芽依ちゃんがだからとても黒く見えたの。今の意見を聞くまでは、そこまで思っていなかったけど。私は単にわからないから黙っていたけど、芽依ちゃんはそんなことを考えて分かっていたのに黙ってたわけでしょ?より黒いと思った。狼って自噛みもできるわけだし、もしかしたら辰巳さんと二人囲って自噛みしたんじゃってまで思えて来てるほどよ。それで真を追われたら、二人は吊られない位置になるわけだもの。」

徳光は、言った。

「じゃあ、もう一人は?氷雨と芽依ちゃんと辰巳と?」

聖子は、言った。

「真智子さんかも。だって、久子さんは噛まれなかったけど、他に霊能者居ないじゃない。佐知ちゃんかもしれないけど、でも辰巳さんにも明かしてなかったわけだし。私なら、襲撃されるかもしれないんだから、彼氏に言っておくけどな。それとも、明かしてたから噛まれたのかな?そうなると、久子さんが狼ってことも考えられるわ。だって、真占い師が居ないのを知ってるんだから、乗っ取れるって分かってるんだもの。残りの狼は、露出してる氷雨さんと久子さんはもうどうしようもないから、せめて隠れてる狼を確実に残す噛みをしたとしたら分かりやすくない?私には、そう思うと腑に落ちるけどな。」

それらしい意見だ。

久司は、思った。

間違っているが、もっともな意見なのだ。

光晴は、言った。

「…確かに。そう考えたらそうだ。聖子ちゃんは白いな、めっちゃ視界がクリアになったぞ。そもそも初日、辰巳の嘆き方がわざとらしいとか思ったんだよな。自分が噛んだとか怪しまれたら面倒だったからとしたら分かるもんな。多分武と同じように、佐知ちゃんも辰巳に役職を言ったんじゃないのか?だから噛まれて、乗っ取るために久子さんが出た。武がピンポイントに襲撃されたのも、久子さんが狼だから、あいつが真だと分かっていたからなんじゃないのか?どっちが真なのか分かってなかったら、昨日は氷雨でなく久子さんのはずだろう。このおかしな噛みの、説明がつく。」

正高が、言った。

「ということは、辰巳が狼ってことになるから氷雨は偽で、狂人か背徳者か、狼の自噛みってか?でも、自噛みするにしても早くないか。もうちょい待てた気もするけど。」

敦は、頷いた。

「そうだな。自噛みはまだ早い。氷雨はそこまで怪しまれてはいなかったし、もう一日どこか囲えただろう。それこそ、占い師の相互占いならどこかに黒打ちしておいてそこを吊らせて縄を消費させることもできたはず。後に真が取れるのなら、やりたい放題だったろう。氷雨が白人外なら分かるが、自噛みの線は違う気がする。」

徳光は、考えるように顎に触れた。

「…確かに、狼からしたら一人減るのは大きなことだし、できる限りのことをしてから自噛みしようと考えるだろう。まだ芽依ちゃんと辰巳だけに白を打っただけなのに、そこで自噛みは早計だよな。だが、氷雨が白人外ならあり得る。うーん、聖子ちゃんは白いか。」

拓也が、言った。

「でも、だったらどこが黒いんだ?正高を怪しいとか行ってたけど、今の聖子ちゃんと芽依ちゃん以下だとは思えない。この二人は確かに良い意見を出してたけど、だったら初日からもっと発言して欲しかった。今になって頑張るのは、人外が吊られるのを恐れて必死になってるように見える。とはいえ、辰巳は?お前だけ発言少ないけど。」

辰巳が、顔をしかめて言った。

「まだ話す順番でないと思ってたから待ってたんだっての。オレは聖子さんが怪しく見えた。光晴が猫又なのは分かってるけど、思考ロックし過ぎてるように思うぞ。氷雨はおれから見たら真だよ。何しろオレに白を打ってるからな。間違ってない。でも、冴子ちゃんもオレに白を打ってるんだよな。怪しまれてるんだから、黒打ちしとけば良かったのに白ってことは、冴子ちゃんも真。だから、オレはいくら真っぽくても敦さんと永宗が偽なんだと思う。だから、芽依ちゃんの意見に同意だし、芽依ちゃんが白く見えて聖子ちゃんが黒く見えてる。だから、正高って結論にも共感してるよ。久司や拓也だって、囲われてるんじゃないかって思ってるぐらいだ。」

光晴が、言った。

「…ってことは、正高、久司、拓也、敦さん、永宗、聖子ちゃんってことか?多くないか。人外がマックス残ってたら数は合うが、聖子ちゃんは昨日氷雨に占われてるはずなのに溶けてないから狐はないことになるぞ。永宗が狐って?」

うーん、核心を突いてるねぇ。

久司は、思いながらそれを聞いていた。

辰巳は正解に近付いているが、しかし今の村にそれを信用できるだろうか。

敦が、言った。

「そう考えるならそれでもいい。今夜、君が信じる冴子さんが永宗を占うわけだし、それが正解ならば永宗と聖子さんが明日の朝追放されて見つかるだろう。それから考えたら良いことだ。今は、今夜どこを吊るのか。本当に黒いと思うところを吊らねば、勝ちはない。辰巳の意見だと、久子さんも偽になるし、まだ人外は7人残っていることになるのだろう。縄が足りない計算だ。今は13人だからね。」

徳光は、息をついた。

「そんなことは考えたくもない。大体、敦さんが偽だったらどこが真なんだってほど、他の占い師は村に結果以外で貢献してない。きちんと黒位置を提示しているのは評価できるが、それが現実的でないんだ。とはいえ、辰巳は氷雨と冴子ちゃんの二人に白を出されていて他より白目が高いから、今夜は吊るつもりはない。となると、やっぱり芽依ちゃんか聖子ちゃんか正高、それに黒が出ている喜美彦か。」

正高は、頷いた。

「それでいい。聖子ちゃんとオレは永宗、芽依ちゃんは氷雨、喜美彦は冴子ちゃんの白先だ。投票した先に白を打った占い師の真を切るつもりで、皆入れたら良いんじゃないか?オレは敦を真だと思ってるから、そのグレーを詰められるなら村のためになる。もしオレなら、どこかで人外が落ちてることを願うよ。」

確かに正高一人が吊られたからと、勝ち盤面が崩れるとは思っていないが、できたら助けたい。

久司は、そう思ってそれを聞いていたのだった。


すると、黙ってそれを聞いていた、芽依が言った。

「…待って!」皆が、いきなりの大声に驚いて芽依を見る。芽依は、続けた。「私は狩人よ!投票対象にするのはおかしい!」

知ってた。

久司は、そう思ってそれを聞いた。

だが、表面上は驚いたふりをする。

聖子が呪殺されていない以上、聖子の可能性もあったが、こうして出て来てくれたのだから、分かりやすい。

しかし、拓也が意を決して出ようと口を開こうとするのを見ていないふりをして、敦は鋭く言った。

「待て!」え、と皆が今度は敦を見る。敦は続けた。「もし他に真狩人が居ても出るんじゃないぞ。護衛成功を出さねばならないんだ。縄を増やすために、あとどうしても2GJ必要なのだ。狩人には、生き残ってもらわねばならない。」

芽依は、フンと言った。

「他になんて居ないわ。私が真狩人だもの。今夜噛まれるかもだけど、今は吊られるわけにはいかないもの。」

徳光が、顔をしかめて言った敦を見た。

「だが敦さん、真が居るなら出して片方吊る方が良いんじゃ。その方が人外に当たる可能性が上がる。」

敦は、首を振った。

「それこそ思うツボだ。仮に人外を吊れても、残った真狩人は次の日噛まれる。そうなると、もう護衛成功は出ない。何とか1GJだけでも出してもらって、狼の狐噛みを期待してあと1本、縄を増やしたい。そうしないと、もう村は勝てないかもしれないのだ。」

光晴も、頷いた。

「その通りだ、縄を増やす方法がなくなるのは痛い。ここは、何とか護衛成功してもらうしかないんだ。今出したら、狼は噛み放題だぞ。負け一直線だ。狐噛みは一度だけ、奇数進行の今、それでは縄は増えない。まして、今夜呪殺が起こったらそれこそ狐噛みはなくなるんだからな。」

久司は、頷いた。

「その通りだ。縄を何とかして増やすために、露出させたらまずいとオレも思う。芽依ちゃんが真だったら、そもそももうヤバいかもだけどね。」

拓也が、言った。

「まだ吊られると決まったわけでもないのに、弁明もそこそこに出る真狩人なんか居るもんか。ここを踏ん張って生き残って貢献するのが真狩人だ。皆が自分だけを怪しんでいるならまだしも、指定されただけなのに。」

吐き捨てるように言うそれは、明日に向けた布石なのだろう。

とはいえ、村の真役職は狼目線で出揃った。

ここからが、本番だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ