真面目すぎる魔王。そして神界サイコー!
「マジでヤバいですね」
「だろう?」
神は真顔で言った。
急いで人間界に帰りたかったが、神は魔王の演説を聴いていけといった。
神魔の王達に向けて演説した新人魔王の女性は凄まじかった。
・・・気合が入りすぎていた。
なんか100層だと情熱が注げないので1000層にしたいとか言って、
他の先輩魔王に怒られていた。
「とはいえ魔王の迷宮が生まれるのは、
向こうの世界的にはもっと後だから、
まずは神界を楽しんでね。
制覇者をもてなすのも神の仕事でさ。
正直、サオやナギも一緒じゃないのが残念だよ」
そういうと神は髪をかきあげた。
この動作は必須なのか・・・
「なら彼らも制覇者にしたら良かったのでは?」
正直、迷宮主を倒せたのは彼らのおかげだ。
自分ひとりで倒せたなどとは微塵も思わない。
「ギリ範囲に入ってなかったんだよね。
迷宮主を倒した時にラストアタック者の側にいないと、
認められないってルール知ってるでしょ?」
それは、確かにそうだった。
25層づついた大階層主を倒した際には確かにそんな感じだった。
「まぁ過ぎた事は仕方ないじゃん!
楽しもうぜ!
実は僕だって、迷宮担当から開放されて遊びたい気分なんだ!」
(正直修行してーーー)
魔王の気合を見ていたし、とても遊ぶ気持ちにはなれなかった。
いや・・・
そのはずだったのだが
-3ヶ月後-
神界は楽しすぎた。
娯楽に満ちていた。
まず食事、食べたことのない美味しい果実。
しかもステータスを向上効果や体調や体型の維持。
様々な効果があった。
住む場所も最高の住環境で、
ベットもふかふか、迷宮食ばかりだった探求時代とは大違いだ。
それに天国行きとなった優れた偉人から、
様々な知識を得る事ができた。
夜になれば、華やかなパレードや花火が街を彩り、
亜神になった事で空も飛べるので、空中浮遊は最高だった。
様々な偉人から剣や魔法について学べ、
特に勉強になったのがステータスについてだった。
ステータスには意識しないと身につかない項目がある。
それは、誰も知らないし考えた事もない知識だった。
通常
力
魔力
素早さ
耐久
運
上記がレベルと共に才能に応じて上昇していくのだが、
実は、意識すると努力値というものがある事を知ったのだ。
力()
魔力()
素早さ()
耐久()
運()
良く一瞬のうちに何かできたり閃いたりするのも、
この努力値について意識した事で、そのちからの一端を使っているらしかった。
ただ、意識していないとそのちからは使いこなせい。
長い修行で、ついに俺はそれを使うことができるようになった。
つまりレベルの概念の枠を超えたことになる。
「カツ!申し訳ないことになった」
努力値を習得して満足している俺の元に、
神様が叫びながらやってきた。
嫌な予感しかしないな。