定職探し
「異世界ぃぃ...キタァァァーーーーー!!」
いや、宇宙きたーみたいにいわなくても
よかったんだけどね。
で?何をどうすればいいわけよ?
なんの説明もなしは酷いよなぁ。
ていうか人の目があったか。痛い痛い。
目線が痛い。
そういえばステータス何てものはあるのかえ?
ちょいちょいないのもあるけど
お約束でしょ?異世界転移の。
もしくはあれか?教会かなんかでじゃないと
見てもらえないとか?
「ステータスオープン!」
エイジがそう言うと
シュンッという音がなり、
目の前になんか未来的な半透明の
ものが表示され、そこには
自分のステータスであろうものが書いてあった。
八神エイジ
レア度 N レベル1 種族 ニンゲン 年齢20
攻撃 513 防御 262 俊敏 199 魔力500/500
スキル 合気道10 空手7 水泳9 見切り10
料理3 訓練10 動体視力8 軟体7
逆立ち歩き7 体術10 裁縫2 掃除4
キーボードタイピング6 器用9
加護 最高神の加護
おお、いいねいいね。ていうか18歳で
よかったよ。正直ラノベの主人公ってだいたいが
17歳以下でそんなん気にせず不純異性交遊に
走ってるのが大概だけど俺は20歳だし。
堂々と大人としてすることができるわけだ!
ま、D&Tなんだけどさ。
改めて辺りの状況を確認する。
どうやらここは町中のようだ。
不法入国ということになるだろうか。
エイジは女神パワーでどうにか
なっていることを願う。
んじゃま、とりあえず職につかないとな。
腕に自信はあるし、異世界だし、冒険者に
なるっていう手もあるけど
なんせ、もうちょいみてからだよな。
求人サイトなんて無いし、
町の掲示板みたいなのに無いかなぁ。
RPGだとそんなんざらにあるし
エイジは歩き始める。
何処に何があるかは全くわかっていないが、
ひとまず掲示板を探さなくてはならない。
公園で小六程度の大きさの少年少女が
遊んでいるのを見つける。
あまり近づきたくも話しかけたくもないが、
掲示板の場所を知るためなら仕方がない。
「なぁあんたら、町の掲示板とか
仕事探す場所って何処にある?」
「え?そんなのしらなーい」「掲示板は
あっちの方にあるよー!」「そこに
お仕事もある気がする。」「なんでそんなん
しってんのみんな。」「オストが
バカなだけだろ」「は!?
ばっばかじゃねーし!」「ばかっぽいね」
なんか話がそれてきて
オスト君がバカかばかじゃないかの話に
なり、もはや存在が忘れられたので
ありがとうとだけ言い残して子供二号が
指差した方向に向かって歩き始めた。
はぁ~二度目の就活かぁ。そういえば
女神からはこの世界を救えって言われたけど
んなもん詳細知らんからどうもできねぇしなぁ。
お、あそこに困ったお婆ちゃんが
「大丈夫ですか?荷物持ちますよ?」
「おやおや、ありがたいねぇ。
じゃあそこのおうちまで運んでくれるかい?」
「ええ、任せてください。」
エイジは力には結構自信がある方だ。
小学校の頃に空手を習い、
中学にはいると水泳部と外での合気道を
両立、合気道は高校になっても続け、
蓄えられた筋肉が先程のステータスにも
出ていただろう。
お婆ちゃんの家は丁度いく方向だったので
持っていってやった。
「ほんとうに助かったよ。
はい、これお駄賃。」
「いやいや、受け取れませんよ!
荷物を運んだくらいで、気持ちだけ
受け取っときます。」
「そうかい?悪いねぇ」
お婆ちゃんの荷物、マジで重たかった。
さて、無事掲示板にたどり着いたわけだが
そこまで多くは求人がない。
あるとしたら
魔物屋従業員募集中(女限定)
(内容省略)
依頼人 魔物屋店長マール
宿屋のお手伝い(女限定)
(内容省略)
依頼人 宿屋の娘アンリ
二つとも女限定の
職だった。宿屋についてはお手伝い。
そして何よりも二つとも定職ではない。
何となく宿屋の張り紙を捲ると...
公爵家使用人募集中
アルスタッド公爵家、レイラお嬢様の
専属使用人が先日病に倒れ、亡くなったため
新しい専属使用人を募集する。
依頼人 アルスタッド家メイド長ラナ
おぉ、これはいいんじゃないか?
掃除とかもある程度できるし、
俺からすればなかなか好物件だ。
よし、面接受けてみよう。
って面接日の指定がないな。
行ってみるか。
その後、道行く人に
アルスタッド家への行き道を聞きながら
なんとかたどり着いた。
「でけぇ」
そこは驚くほどに大きい
屋敷だった。庭だけでどのくらいの
広さがあるかさえわからない。
門番に話を聞く。
「ども、掲示板の張り紙をみて
ここに来ました。」
「面接希望ですね?どうぞ」
意外とあっさり通らせてくれた。
おや、玄関らしき場所の前にメイドさんが
一人たっている。メイドだメイド。
肩が出てるとはいい趣味してるじゃん。
「面接に来てくださり
ありがとうございます。
私は、メイド長のラナです。
私についてきてくださいませ。」
「はい。」
玄関が開かれ、なかに入るように
促される。どうやら靴は脱がず、
そのまま廊下を歩くみたいだ。
「ではまず確認したいことがあります。」
「なにですか?」
次の瞬間拳が右頬にむかって
ふられた。
なんかさ、キーボードタイピングとか
あった方がリアルでしょ?
使い道全く無いけど。
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