女神め...許す。
他作品もよろしくお願いします。
……きて……おき……!……おきて!
これは、誰の声だろう。
初めて聞く声だ。まるで風鈴の音のように
美しい、どこか安心する声だ。
まぶたが重い。頬を・・触られてるのかな?
決して嫌な気分ではない。朝、
ランニングしてからお風呂に入って、最後に
冷たい水をばっ!て浴びたときみたいな...すごい、
気持ちいい。体が熱いからかな?その人の手が
ほんとに冷たく感じる。
「おきて!」
うるさいなぁ。
でも、なんかいい匂いだ。
そういえば、なんだか後頭部が柔らかいものに
のっかってる。
目をちょっとだけ開けてみよう。
・・・顔?
「は!」 「ぶへ!」
ここは...どこだ?
見渡す限り白くて、何もない。
そういえばいまぶへ!って聞こえた気がする。
男は声の方向に向く。
「いたいですよぉ、ていうかあなた誰ですかぁ?」
「それはこっちのセリフ。ていうかここどこ?
んであんた誰?」
「私はカトラです。ここは私の部屋っていうか?
勤務先っていうか?下界を見てたら
落っこちてきたんですよぉ。」
「下界?なにいってんだ?ゲームのこと?」
マジな人はゲームのことを
下界なんて呼ぶ人もいる気がする。
この子もその類いの子だろうか?
それにしても肝心のゲーム機がない。
「あなたこそ何いってるんですかぁ?
ていうかなに通常神が最高神の部屋に勝手に
入ってるんですか?」
「はぁ?ますます意味わからんぞ。
俺神じゃねぇし。人間だし。
ていうか最高神ってなんなんだよ。
中二病か?それともゲームやり過ぎて壊れたか?」
「失礼な!さっきからゲームゲームって!
だいたいゲームって何ですか!?
ていうか人間がこここれるわけないし!
神界だよ!?人間がいてどうするの!?
それで、それで、えっとー!
あ、女神に向かってなにその態度!?死んだんなら
死者らしく天国に行きなさいよ!
ま、私にそこまで無礼な態度とったんだし?
それは当然地獄行きだけどね?」
「俺が知るか!さっきから何?女神だの
なんだのって!このロリが!」
「あー!ロリって言った~!はいもう
アウトー!そっから二度と出てくるな!えい!」
「あちょ!うおおおおおお!?!?!?」
突然突風に襲われ体が吹き飛ぶ。
空を飛んだのは初めての経験だ。
っていうかそれどころではない。
結局抗える間も無くそのまま飛ばされていった・・・
と思いきや今度は逆から風が吹き、
先程の自称女神のロリのところまで
帰ってきた。
「なんだよ。」
「えっと~、にはは?」
「にははじゃねぇ~よぉ!?
え?なになに?マジで何?」
「いやぁ、ね?
人間感覚で言うところの三週間くらい前に
とある世界から召喚要請が出てて
それすっぽかしてたら勝手にあなたが
来ちゃったみたい。」
なるほど?つまりは
三週間くらい前に異世界から俺にたいしての
異世界召喚の要請が来てたけど自称女神がそれの
対応を忘れてて無理矢理ここまで魔法かなんかで
連れてこられたってことか。
「雑言言ってごめんね?」
「・・・」
突然ボフン!という音がなり、
自称女神が煙に包まれる。見た目どうみても
七歳とか八歳とかだから女神といわれても説得力がない。
これっぽっちも。と思っていたが
煙が収まるとよろしいスタイルをした
美女が中から出てきて男の腕を絡ませ、胸をおしあて、
体を密着させる。
「許してぇ?」
上目使いで許しをこってくる。
ご丁寧に目をキラキラさせてだ。
色仕掛けで許して貰おうってか?
すばらしい。これには俺もイチコロだ。
しかも美しい。黒い艶のある髪の毛が、
スベスベなはだが、美しい。
「よし許そう。で、どっちが
本来の姿?」
「ロリ状態は思いっきり気を抜いてるときよ。
普通はこっち。」
「ほーん。で?異世界召喚か。」
「そ!好きでしょ?そういうの」
「大好物でございます。ありがとうございます。」
「そ、なら気兼ねなく召喚させられるわね」
足元に青い魔方陣が展開する。
少しずつ、体が吸い込まれていく。
「これも何かの縁、
私の加護をあげる。今からいく世界の
事情は、多くある異世界の全てをみてる訳には
いかないから、よくはわからない。
でも、少しだけでもあなたが
幸せになるよう願っておくわ。」
「・・・このロリ」
「あ、ちょ!待てー!!
それは忘れろー!!」
頭まで魔方陣が吸い込まれた
男には届かない。頭をつかんで引き戻すこともできず、
その時男は笑っていた。
やがて、魔方陣が消えると
その場に座る。
「あぁあ~、いっちゃったぁ。
ったく、何がロリよ何が!
さて、ご飯たべよーっと」
・・・
「幸せを祈ってるわ、八神エイジ」
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