処刑ですか?勇者さま。
その日の朝、朝と言うにも早すぎる、、
、、、まだ深夜の時間に部屋を訪ねて来た者が居る。
、、、まさか、ミオン?
母親とシオンの所から、また戻って来てしまったのだろうか?
「…誰ですか?」
聞いてみて、返った返事にフェンは眠気も吹っ飛んだ。
「獣王様からの使いで参りました。」
「獣王様はフェン様との面会をお望みです。」
「フェン殿には、同行お願いします。」
『いよいよ…か、』
覚悟を決めるしかないだろう。
薄々とは考えてはいたが、とうとう来たのだ。
獣王からの呼び出し…しかも武器を携帯して来るようにとの指示付きで。
『十中八九…処刑、、だよね?』
一度戦った時は、ミオンとシオンの無事が分かるまでは…と、
ミオン達の母親と女戦士さんからの嘆願で命拾いしたのだ。
そして、ミオンとシオンは無事に母親と再会出来た。
…もうフェンを生かしておく必要は無くなった、という事だろう。
相手が小者なら『丸腰で来い』という所だろうが、獣王の実力からすれば
フェンが武器を装備していようがいまいが何の問題も無いのだろう。
今まで謎とされてきた獣王軍の本拠地に踏み込んだ人間がどうなるか…。
『生きて帰った者はいない』・・・つまり、そういう事なのだ。
覚悟を決めるしかない。
せめて勇者として正々堂々と戦って・・・
結果、、、『死ぬ』だろう。
相手は獣王なのだ。
奇跡が起きても勝てる可能性など皆無なのだ。
幸運だったのはミヤ達、三人は獣人なので害される可能性は低いという事だ。
戦って死ぬにしても三人の安全だけは確保したい。
三人がここで『ずっと暮らせる』様に交渉するべきだろう。
死ぬつもりでの交渉だ、なんて…ミヤに聞かれたら絶対に怒られそうだよね…。
「準備が出来次第、伺いますと獣王様にお伝え下さい。」
「いえ。準備が終わるまでお待ちします。ご案内させて頂きます。」
・・・逃げたりしないようにの監視役も兼ねている訳か…。
「では、直ぐに準備します。」
手早く準備を済ませる。
元々、私物など持って来てはいないので、装備を装着すると部屋は空っぽになる。
もう…ここへは戻って来られないだろう。
「少し部屋を整理しても?」
「どうぞ。」
…整理と言ってもベッドを整える程度だ。
『立つ鳥跡を濁さず』だよね?
これから死にに行く、と思うと逆に整理整頓が気になるものなんだね…。
整頓が終わる。
一見すると誰かが宿泊したとは思えない位には片付いた。
「うん。スッキリだね。」
部屋を出て待っている獣人さんに声を掛ける。
「お待たせしました。案内、宜しくお願いします。」
「では、どうぞ。」
後に続いて歩く。
幾ら獣人が夜が強いとは言え、まだ他の獣人達は寝ているのだろう。
皆が知らない内に、迷い込んだ人間が一人居なくなる…ただ、それだけだ。
早朝を選んだのには、そういう理由も有るのだろう。
三人は僕が消えて戸惑うかもしれないが、ここに居れば周りは皆が獣人なのだ。
人間の町で暮らすより間違いなく安全で安心して暮らせるだろう。
「…三人共…もう会えないんだ…。」
『会えない』と思うと途端に三人の顔が頭に浮かぶ。
悲しくなる…だが、
ミヤはしっかりしてるし、ミオンとシオンには、お母さんが居る。
「…僕が居なくても、きっと…大丈夫だよね?」
フェンは気付かない・・・大丈夫かどうかの問題ではなく、
『フェンという一人の人間』を必要と思っている者が居る事に。
、、、そして、傍に居たいと思う者が居る事に。
もう既に、フェン自身が居場所を創ってしまっていたのだ。
…そして『そのイス』に座りたいと思っている者が居る事に。
フェンは三人に幸せになって欲しい、、と心から思っている。
、、、が、その『幸せ』に自分が必要だ、とは思っていないのだ。
また、そこに自分のイスも有るのだという事には気付いていなかったのだ。
しばらく歩くと案内してくれた獣人さんが立ち止まる。
ここが獣王の館?
…周りの家よりは大きいが、領主の館に比べるとあまりにも小さい。
だが間違いないようだ。
「獣王様、人間、、フェン殿をお連れしました。」
「ご苦労。入れ。」
「はい。」
部屋の外で声を聞いた感じは人間的な声に思えた。
前に聞いたフルプレートの鎧越しに聞いた声より鮮明に聞こえる。
その感想は部屋に入ると肯定される事となる。
部屋に入ると、薄暗い中に一人の人影が見える。
獣王なんて言う位だから元々、特別な外見をしていそうだが、
普通の獣人と変わらないシルエットだ。
今は猫耳フルプレートメイルは着ていない。
最初、獣王を見た時は、その鎧の滑らかな動きから実は鎧ではなく、
『獣王』という特別な『個』で、フルプレートの鎧だと思ったのは
獣王の外皮、鱗なのではと思った位だったのだが、、、
鎧を脱いだ獣王は、初見からすると『とても小さい』としか思えない。
・・・とは言え、フェンはもとよりフェンの知っているどの人間よりも
『大きい』体格をしている。
「良く来た、フェン。」
…なぜ名前を?…誰かに聞いたのか?
「そう警戒するな。お前の事は、あの猫人族、ミヤから聞いた。」
「こちらばかり知っているのは不公平だな。」
「わしの名はガルシュ・バラック・ド・ブレン。」
「元、、『勇者』だ。」
!!・・・勇者?
「勇者、、、と言ったのか?」
「そうだ。、、『元』だがな!」
獣王が一歩踏み出し、沈みかけた月の光に身を曝した。
・・・人間!?
「驚いたか?…そうだ!ワシは人間だ。」
人間だ。…その大きな身体に秘めた力は計り知れない程だが、、、人間だった。
しかも壮年…初老と言って良いような見た目だった。
「本当に勇者だった…のですか?」
「戦ってみても、まだ解らないのか?」
…確かに…あの強さ、装備…勇者なら納得出来る。
「勇者…じゃあ、爺ちゃん…ジンと一緒に魔王と戦ったの…ですか?」
自然と丁寧語が出る。
「ああ、ジンとはパーティーを組んで戦った仲だった。」
「ワシはパーティーで戦士をしていた。」
…爺ちゃんとパーティーを、、、
そんな話を聞くだけで身体の中が熱くなる様な気がした。
一方で、疑問が浮かぶ。
「なぜ…なぜ勇者の貴方が、獣王軍なんて…国軍から追われる様な事を?」
「なぜ?解らんか?…それはワシが勇者だからだ。」
「お前の大切にしている家族も人間に非道い目に遇わされているのだろう?」
…家族…獣王さんは獣人を『家族』と考える人なのか?
「ワシは勇者として皆の平和を守る。」
「当然、皆とは『人間』だけを指す言葉ではない。」
…その通りだ。
フェンもミヤやミオン、シオン達を『物』としか見ていない人間に失望し、
嫌悪した。
「僕もそう感じています。」
「…感じている?…だけなのか?」
「・・・・。」
「…やはり孫か…良く似ている。」
「理想を語るだけ語って、解決に向かった行動はしないのだからな…。」
「そもそも『ジン』が元凶なのだ!」
「…元凶?、、なぜ爺ちゃんが?」
「魔王討伐後、ジンは『王』になれたのだ!」
「現に国王から次の王位にと頼まれたのだ。」
「それを拒否したのだ…ジンは。」
「世間も…法律も変えられたのだ、ジンなら。」
「だが奴は…しなかった」
「放置した、その結果が今の王国だ!」
「王国では人間が全てで他の種族は『物』でしかない。」
「そんな世界で自分の周りの平穏だけを望んだのがジンだ。」
「そんな…爺ちゃんは、、そんな…」
違う…と言い切れる根拠がフェンには無かった。
爺ちゃんは助けを求められれば助け、ギルドからのどんな依頼も
嫌な顔一つせずにこなしていた…。
勇者の責任を果たしていたはずだ…少なくともフェンの目にはそう映った。
「その点、ファリスは違った。」
「ファリスはどの種族の誰だとて差別する事なく受け入れていたからな。」
これは知っている…ファリス教団が最初は孤児院の様だったのは聞いた。
「勇者と呼ばれながら責任を放棄したジンは許せん!」
獣王は話している内に『フツフツ』と怒りがこみ上げて来ているようだった。
「ワシは研鑽を重ね実力をつけた。」
「そしてパーティーの中で常に先陣に立ち一番貢献していた。」
「…だが、勇者として評価されるのはワシではなかった。」
「評価されるのは『稀に』ピンチを救うジンだけだった。」
「昔からジンは要領が良い人間だったからな!」
…『要領が良い』のは納得出来る。爺ちゃんは物事の先を読むのが上手かった。
まあ、経験の少ないフェンだからこそ、そう思ったのかもしれないが…。
「・・・そう。、、ジンの奴は、、敵だ!!」
「・・・えっ!?…敵??」
、、、要領の良い人間なんて他にも幾らでも居るのに、、
、、、それだけで『敵だ』って、、極論過ぎるんじゃ?
「そうだ!…ジンの奴…何時も何時も美味しい所ばかり持っていきやがって!」
、、、一体、獣王さんと爺ちゃんの間に何が有ったの?
「では、、お前に問おう。」
「お前は『これから』どうするつもり、、、行動するつもりだ?」
…これから?…と聞かれても、ここで獣王さんと戦って、そして
生き残れるかと言えば、、、
、、、無理だ。
「僕はここで処刑されるのですよね?」
「なぜそう思う?」
「僕は獣王軍の本拠地を知っている唯一の人間です。」
…そのリスクは計り知れない。
「ミオンとシオンも母親と再会出来ました。」
…もう僕から得られる情報など無い。
「もう僕を生かしておく必要が無いでしょう。」
「、、、と、考えれば『王』として執るべき行動は一つでしょう…。」
…そうだ。処刑して将来的な憂いを絶っておくのが、統べる者としての正しい行動だろう。
「しかし…僕もタダでは死ねません。」
「ほう。死を前にして何か望みでも有るのか?」
「有ります、、ただ、僕では貴方には勝てない。」
「…だから僕の命で一つ願いを聞いて欲しい!」
「何だ?聞かせてみろ。」
「ミヤにミオン、シオンをこのまま獣王軍へ…ここへ住まわせて欲しい。」
「なんだ…実に『下らない』望みだ。」
「下らない望みなんかじゃない!!」
「…下らない望みではないだと?」
「ああ。下らなくない!その為なら貴方にも一矢報いてみせる!!」
「ほほう…良く吠えるわ。・・・では掛けるか?
「『下らなくない望みだ』と最後まで言っていられるかどうか、を。」
「掛けても最後まで、この気持ちは変わったりしない。」
「くっくっくっ、そういう所までジンに似ておる。」
「だが、そこも気に入らん!!」
「さて…お前は死ぬ事になるが、先に言っておこう。」
「…あの三人が、ここで暮らす事を認めよう。」
「・・・な、、に?」
「三人がここで暮らす事を許可する!、と言ったのだ。」
・・・!!
「さあ、フェンよ!、どうする?」
「お前が『命を掛ける理由』は無くなったぞ。」
「そんな…」
僕は…無意味に戦い…無意味に死ぬのか…。
ミヤ達の為に命を掛けるのに躊躇はない、、が。
「貴様は…無意味に戦い、無意味に死ぬのか?」
今、自分が考えていた事を言い当てられてフェンは戸惑う。
更に獣王は続ける…。
「さあ、叶った願いの為に命を掛ける気分はどうだ?」
「・・・実に『下らん』とお前は思わんのか?」
決定的な一言がフェンに突き刺さる…。
「お前は…『無駄死に』して三人を悲しませる事になるのだ!!」
「…そんな事…そんな事は解ってる。でも…」
・・・戦う、、、しか無いんだ!
フェンは刀を抜く。
「ジンと同様、、、愚かな孫だ。」
獣王も武器を構える。
、、、終わったな・・・でもミヤ達の『今後』は約束出来た。
目的は成ったのだ。
「…では死ぬか?フェン!」
…思い残す事…無くはないが今の僕の精一杯はやった…よね?
獣王に集中する。
だが、、予想外の邪魔が入った。
「ちょっと!父さん!!」
「なんで『生き死に』なんて話しになってるのよ!」
止めに入ったのは女戦士さん、獣王の娘だった。
「戦った時に、あまりに貧弱な武器を使ってたから、、、」
「フェンを呼んで武器を渡そう…って話しだったわよね?」
「それが何で『殺す』なんて話しに変わってるのよ!!」
・・・どういう事?
・・・獣王は僕を処刑する為に呼んだんじゃないの?
「それは…こいつがジンの様に死にたがっていたからだ。」
「口を開けば自己犠牲になる事しか考えておらん。」
「自分が犠牲になって満足して、周りの気持ちなど考えもせん。」
「その犠牲根性が許せんのだ!!」
「…犠牲根性が許せないのに自分で犠牲者を出す事ないでしょ!!」
「…それは…そうだが…。」
…獣王軍の秘密を守る為に『処刑』するんじゃないの?
「それにフェンには『貸し』が有るのだから死なれては困るのよ。」
…ミオンを治療して貰った時の約束か…まだ覚えてたんだ。
「せっかく『何でも言う事を聞く』って約束が有るのだから…」
「…本拠地の秘密を守る為に処刑するのでは?」
可笑しな話しだがフェンから逆に問い掛けた。
「秘密?…そんなもの、洩れた所で何の問題にもならん。」
「…それで攻めようと言うなら、秘密と一緒にその町ごと消せば良いだけの話だ。」
…獣王が言うと冗談ではない。
…実際に侵攻しようものなら都市ごと本当に消す事も可能、という事なのだ。
それが可能なら…わざわざ情報を洩らさぬ為に口封じなんて元々必要無い。
「じゃあ何で『誰も帰ってこない』なんて噂が?」
「それは当然だろう。」
「秘密を探ろうとして来た悪意ある人間を『わざわざ逃す』必要も無い。」
…それで誰一人として帰って来なかった…という噂になったのか。
「来た兵士には気の毒だが、その噂が立つ事により侵攻の抑止力になっていたのだ。」
…兵士は離職したり、新規兵士が集まらなかったり…『噂』の効果は確かに出ていたのだ。
「そもそも、我々は誰でも無差別に殺していた訳ではない。」
「兵士、、しかも警告を無視して進んだ者には消えて貰うしか無いからな。」
「その無駄な侵攻を懲りもせずに繰り返したのが、あの領主だ。」
「そして奴も死んだ。」
「領主が殺されたとなれば王国も黙ってはいまい。」
「ここを攻める理由が出来て『これ幸い』と国王が考えたなら…」
「考えたなら…?」
「幸運と不幸を履き違えた国王には、、、」
「、、、消えて貰う。」
「・・・戦争を始めると?」
「始める?…違うな、、相手から『供物』となる事を望むのだ。」
「そして、その結果、運命を決めたのは自身だ…」
「他の者を襲おうと言うのだ。返り討ちされても自業自得だろう。」
「ワシは魔王軍と戦った…人間の世界を守る為にな。」
「攻めて来るのが魔王軍ではなく王国軍?…だから何だ?」
「・・・ワシは家族を守る事に躊躇などせん。」
「同じ『敵』だ…殲滅するのみ。」
「それとも、お前の得意な『自己犠牲』で何とかしてくれるのか?」
「・・・・。」
「、、、無理であろう?」
「、、、なら、行動は一つだ。」
「そんな・・・」
「そんな、、、なんだ?、、理想を口にしても現実は変わらんぞ。」
「待ってよ、父さん。そんなに苛める事ないじゃない?」
「なぜ、お前が先程といい、庇うのだ?」
「なぜ?って、『貸し』が有るって言ったじゃない。」
「それも『何でも言う事を聞く』って約束で、、。」
「・・・こいつに頼みでも有るのか?」
「ええ。それは、、、」
なぜか獣王に内容を耳うちする女戦士さん、、。
「・・・・何っっ!!!」
、、、何っ、、、って何なのですか?、、フェンには解からない。
「、、ジンの孫、フェンよ。 貴様・・・」
「はっ、、はい。」 思わず返事をしてしまう程の気迫だ、、、。
獣王の顔が怒りに満ちている。
「貴様!、、、うちの娘を、どう思っている?」
、、、どう?って、どういう意味なのだろう?
「指揮力も高く、素直に有能な女性だと思います。」
「剣を合わせてみて、その実力もとても高いと感じました。」
「そうではない!・・・女として、どう思っているのだ?」
・・・えっ! 女としてって、、?
「今回でまだ会うのは二度目で、、その、、良く判りません。」
「・・・と、当人が言っているぞ、リウルカ?」
「えーっ、優良物件だと思うんだけどなーっ」
「私に勝てる男なんて、今まで居なかったし、、」
「しかも、勇者の孫なら血筋に問題も無いでしょ?」
「それに父さんが日頃言っている『どこの馬の骨とも分からん奴』、、」
「、、でもないわよね? 出所もハッキリしてるじゃない。」
「良い組み合わせだと思わない?、、お互いに。」
・・・うーむ、、、考え出す獣王さん。
娘の言葉に一理あると思ったらしい。
『チラッ』っとフェンの顔を見る。
、、、そして、、思い出した、、、らしい。
「やっぱり駄目だ! こんな奴はワシは認めん!!」
「お前にはジンの面影が有る…そしてファリスの面影も…」
…そうかな?…別に爺ちゃんにもお婆ちゃんにも似てないと思うけど…。
「ファリスはともかく、ジンの血を引くお前に娘はやらん!」
、、いつの間にか獣王さんの中では『嫁婿』の話しになってるらしい。
「いや、別に、、僕は、、、」
「そうか!、、、理由を聞かなければ納得出来ないか?」
、、いや、別に無理に聞きたい訳ではないのですが、、。
「教えてやろう!! お前の祖父のジンはな・・・」
「…ジンは?」 固唾を飲んで聞き入るフェン。
「勇者の責任を放棄したのが許せないのは勿論の事…」
「何時も『モテモテ』だったのが許せん!!」
「…えーっと…モテモテ?」
「そうだ!モテモテだ!」
「挙げ句の果てにファリスまでモノにして結婚するなんて許せん!!」
・・・なぜここでお婆ちゃんの名前が出てくるの?
「はい、はい。何時もの悪い癖ね。。。」
「ごめんね、フェン。ファリスさんの話しが出ると何時もこうなの。」
「昔、父さんはファリスさんが『好き』だったらしいの、、」
「、、、って言うか、、今も?好きなのよ。。。」
「えーっっ!!!」
「こら!リウルカ、余計な事を教えるんじゃない!」
「どうせ、こいつもモテモテ体質に違いない!!」
、、、正直、そんな体質が有るならなってみたいんですが?
「僕は、そんな体質ではありませんし、婿に行く気も有りません。」
、、、こういう時は『ビシッ』っと断らないとね。
「何!・・・貴様、婿ではなく娘をワシから奪うだと、、許せん!!!」
、、何処に『婿』じゃないから『嫁』に、なんて事を考える人が、、、
、、、居た。 目の前に。
「ファリスだけでなく娘まで奪おうとは、、やはり許せん!」
「いや、奪いませんって、、、。」
「どっちにしても選択権は『あなた』には無いのよねー、フェン。」
「何でも言う事を聞くのよね?」
「何なら『私と結婚しなさい』って命令してもいいのよー?」
、、、確かに約束したけど、、それは、、、。
「ワシは認めんぞ!!!」
「ほら、お父さん、獣王さんも反対してるし、、、」
「僕の『両親』もどう言うか判らないよ?」
「、、、じゃあ、フェンの両親が賛成したら良いのね?」
「『両親共に賛成』してくれたら考えます、、、」
「決定!! それじゃ、早速、許可とらなきゃだね!!」
、、、ごめんね、リウルカさん、、。
僕の『両親共に』許可を取るのは、、もう出来ないんだよ、、。
騙した訳ではないが、条件を了承したのはリウルカさんだ。
「あ、私の事は『リウルカ』ではなく『リカ』って呼んでいいからね。」
「分かったよ、リカさん。」
「何か元気ないね?」
「『リカさん』じゃなく呼び捨てで『リカ』ね?」
「じゃあ、、、リカ。」
「はい!!」
「ワシの事は『獣王』ではなく『ガルン』と呼べ。」
「ガルンさん、、、、ガルン?」
「えーっと、、もしかして城塞都市ガルンって、、、」
「おう、ワシの故郷だ!、、、それがどうした?」
「あ、いえ、、別に、、、。」
今日は深夜から呼び出され色々と初耳の事が多かったな、、、
早く部屋へ帰って、もう一眠りしよう、、、絶対に、、寝よう。
「えーっ!僕ってモテモテ体質なの?」
「それでいいんじゃない?私の旦那になろうってんだから。」
「今まで、そんなにモテた記憶が無いんですが?」
「気付かない所がモテ男の秘訣なんじゃない?」
「、、まあ、気付かない所で恨みを買ってるかもね♪」
「後ろからバッサリ斬られない様に気を付けてね♡」
「またまた、、脅かさないでよ、リカ。」
「誰にゃ?ミヤが寝てる間に、、この女、、」
「それに『呼び捨て』なんて(怒!!)」
「いや、ミヤ会ったよね?あの店で、、、」
「やっぱり、、殺すべきだったにゃ、、今からでも。。」
「怖いってば、ミヤ。 夏だからって恐怖体験は止めてよ。。」




