第二十七 遺跡調査
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暗い遺跡の中、兵たちは松明を片手に調査を進めていた。
「隊長!来てもらえますか?」
「どうした?」
ヘレナの呼びかけにシンは答えそこに向かう。すると、ヘレナは目の前に横たわっていたゴーレムを指差した。
「これがどうしたんだ?」
「このゴーレム、私らの物と違うのですが、一体何でできているのかと思いまして」
シンはゴーレムの前でしゃがんでその装甲を触ってみた。
「粘土のようだが少し堅い、それにこれは…鉄か?」
と、話していたら突然後ろから声がした。
「ソイツは粘土と砕いた磁石、そして溶かした特殊な金属を混ぜて作られたものだ。てめぇらじゃあ、到底作れねぇ代物さ!」
シンは身構えた。
「誰だ!」
「おっと、言ってなかったな。俺はスパイク。よろしくな!」
そういってスパイクは背負っていた大きな木箱から無数の鎖を魔法で操り周りの兵に攻撃した。
「アッハッハ!お前ら!出番だぜ出てきな!」
スパイクがそう叫ぶと黒装束の敵が上から降ってきた。遺跡内は乱戦となった。
薄暗い遺跡内での戦闘はシンが有利だ。索敵が使えるからだ。シンは器具を使おうとした。が、なにかに妨害された。
「器具が使えないだと」
「当たり前だろーが!ここは三百年たったとはいえ。かの天才科学者ニコラス様が作り上げた戦闘補助系妨害装置がある場所だぜ!貴様の旧型が使えるわけねぇーだろ!」
すると、三本の鎖がシン目掛けて飛んでくる。魔法で何とか防ごうとしたが防ぎきれない。スパイクの鎖は特殊な魔法が施されている。文字通り一撃必殺。当たればそこで終わりだ。
「死ねぇ!」
防げない。見えない。まさに万事休す。そう思った時、目の前に氷の壁が出現し、シンを鎖から守った。
「なにぃ!?」
シンの前に一人の女の子が現れた。
「リリィか!?」
「遅れてごめん!加勢するよ!」
入口の方からリリィの率いる兵団が現れた。
「遺跡入口の防衛はどうしたんだ?」
「この遺跡、裏口があったんだ。奴らそこから侵入したんだ」
「なるほど」
「なぜだ!なぜ貴様は器具が使える!」
「この石のおかげさ!対妨害装置、亡きヴァルト隊長の最高傑作だよ!」
「リリィ、そんなの貰ってたのか」
「うん!」
「うぅぅぁああ!だが、いくら味方が増えようと。蹴散らすまでだ!」
「へぇーそうかよ!だったらこれ受けてみな!うおらぁ!」
シンは浮遊してスパイクに短剣で斬りかかった。一撃目はスパイクに当たった。だが、身体に巻き付いた鎖のせいであまりダメージはあてられなかった。攻撃範囲が狭い短剣ではスパイクの鎖の範囲の内側に入るのは危険である。左右から鎖が飛んできてシンの命を狙う。リリィが氷柱を作り出した。そのサポートで鎖をかいくぐり二撃目を繰り出した。
「喰らえ!」
シンの攻撃は弾かれた。やはり、鎖の防御は短剣では破れない。もっと鈍重な武器でなければならなかった。
「全然、攻撃が入らねぇ」
「私が行きます!隊長とリリィさんは援護お願いします!」
と、ヘレナは大剣を構えた。
「了解!」
シンとリリィは返事をしヘレナのサポートに入った。
シンは足場を、リリィは鎖を避けるための氷柱を作り上げた。
スパイクの放った鎖が四方へ弾かれた。その一本が妨害装置らしき機械にあたった。
「しまった!」
ヘレナは大剣をスパイクに振りかざした。スパイクは鎖を壁にして防いだが大剣により鎖は砕かれた。だが、大剣で二撃目は決められない。まだ、致命的なダメージは与えられていないのに。瞬間、シンはスパイクの目の前に現れた。器具の能力の一つ“移動速度上昇”だ。
「これで終わりだスパイク。おらぁぁぁ!」
思いっきり短剣を振り、スパイクの身体を下半身と上半身の真っ二つにした。
「馬鹿な、短剣でここまでの斬撃は!?」
「あれぇ?知らねぇのか?“幻影刀”見た目は短いけど実は長いんだぜ」
黒い血があたりを染める。すると、スパイクは上半身だけで鎖を放ち巨大な機械の操作端末のところまで飛んでいった。
「何するつもりだぁ!スパイク!」
「へへ…俺は一人では死なねぇぜ。死ぬならこの場の全員巻き込んで死んでやる!」
そう言って何かのボタンを押した。途端に、警報が鳴り響いた
「第百十四基地ノ爆発マデアト五分。総員直チニ退避シテクダサイ」
「爆発だと!?」
「アッハッハ!ここは遺跡の中心部。五分では出れまい!俺と共に死にやがれ!」
「全兵退避だ!」
ヘレナの指令によって全軍の退避した。
シン、リリィもそれに続いて退避する。
全員ギリギリで遺跡を脱出した。そして、物凄い音と振動そして光を放ち遺跡は跡形もなく吹き飛んだ。
外は夜、雨が降っていた。技術の回収は出来ず仕方なく全員は王都への帰還を開始した。
残り猶予、あと………
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