第二十六 出発
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日暮れの訓練用広場。リリィがシグナの教官のもと特訓をしている。が、リリィは疲れのいろがでている。
「はぁ、はぁ」
リリィの息切れが激しい。それを見かねたシグナが提案した。
「その様子ではもう続けられないわ。今日はもう止めましょう。明日、いよいよ出発なんだから」
「はい、」
シグナとリリィはゆっくりと本部に向かって歩いた。
「リリィ、だいぶ強くなったわね」
「そうですか?ありがとうございます」
と、会話しながら本部へ入った。
リリィとシグナはそれぜれの個人の部屋へ向かった。
そのころ、シンは第三兵団の部屋の前でウロウロして落ち着かない様子だった。理由は、シンはまだ調査隊の隊長になってから一度も自分の部下にあったことがない。そして、この部屋には自分の部下、第三調査隊の全員がいる。つまり、初顔合わせと言う訳だ。落ち着かないのも無理はない。
シンは扉の前で深呼吸をしてゆっくりととドアノブを回す。
シンに気づいた人が声をかけてきた。
「あ、シン隊長!みんな、シン隊長が来たぞ並べ!」
すると、一様に整列した。そして、代表と思わしき女性がシンの前に歩いてくる。
「お初にお目にかかります。シン隊長、私は隊長の補佐をさせていただくヘレナと申します」
シンは驚きながら言葉を返す。
「あ、あぁ」
その様子を見たヘレナはすこし笑った。
「やはり慣れませんか?」
「そうだな、俺は盗賊の出だから。それに、義勇兵団に入って正式な部隊を持ったのはこれが初めてだから」
「そうだろうと思いましたよ。噂はかねがね伺っております」
「へ~、」
そして、シンはすこし見回した。
「随分、若い兵が多いんだな」
「えぇ、この前の防衛戦で第一は全員、第二も半数が亡くなりましなさたから。第三の全員が第一と第二に、第三には新兵が配備されましたので」
「なるほどね、」
今日はすこし話をして終わった。
残り猶予、二十二日となったころ。
早朝。訓練用広場に義勇兵団全部隊が整列していた。歩兵約三千、ゴーレム兵百の大部隊だ。その大部隊の前で指揮するのは、総合隊長シグナだった。
「これより、予定通り四つの遺跡の調査を開始する!ただの遺跡調査だけにこれだけの兵は必要ないと感じる者もいるだろう。だが!今回の調査は非常に重要なものだ!これまで、情報漏洩を防ぐため各隊の隊長にしか説明をしてこなかったが、説明しよう。今回の任務は兵器開発技術の拾得だ!この調査が成功するかどうかでこの国の運命が決まる!先行部隊からの報告だが、敵もその事には気づき待ち構えているとのことだ!だから、これだけの兵を有することとなった!私は諸君らを信頼している!必ずこの大調査を成功させるぞ!世界を平和に導く為に!」
「うおぉぉぉぉ!」
兵たちは剣を掲げ雄叫びをあげた。
「全軍、各遺跡に向け出発ーッ!」
その号令とともに各部隊の隊長は兵団を率いて城門より遺跡に向かった。
大樹の森深部の遺跡へは、オーガとエリカが向かう。オーガが隊長となり、歩兵七百、ゴーレム兵二十の軍勢だ。拾得技術は兵器開発技術だ。
シグナを隊長とした隊は、歩兵八百、ゴーレム兵三十だ。向かう遺跡は北の方角に、技術は巨人の制止方法と兵器開発。
コトリを隊長とした隊は、歩兵八百、ゴーレム兵三十。向かうは北東の山脈、中腹部にある遺跡だ。そこにある技術は不明だがなにか重要なものらしい。
そして、シンとリリィの隊が向かう遺跡は、南西の深き谷の最深部だ。率いるは兵は歩兵七百、ゴーレム兵二十。拾得技術は魔法兵器開発技術。
シンたちを待ち受ける敵は誰なのだろう。
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