第二十五 特訓 2
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早朝。シンはスタリアルの教官のもと特訓をしている。
「はい次!“暗闇”やってみてください!」
「なぁ!その前に見て貰いたいんもんがあるんけど、いいか?」
「え、えぇ、構いませんよ」
「じゃいくぞ、」
そういってシンは地面に手を当てた。その手先から身体の魔力を大地へと流している。そして、大地に溜まったシンの魔力を上に引っ張った。すると、なんということか大地の一部が浮かび上がった。
「ぇえ!どういうことですか!?」
シンがガッツポーズをして喜んだ。そして、自慢気に話し始める。
「よっしゃー!成功だ!これはなもとは重化の魔法と同じ原理だ」
「重化と?」
「あぁ、重化は相手の身体に自分の魔力を溜めそれを下方向へと引っ張ることで重くするんだろう?だったらそれは物でもできると思ってな、そしてその引っ張る向きを変えたら想像通りに物を操れるんじゃないかと思った訳よ。そしたらなんと見事成功!それだけじゃない。それっ!」
と、言って高く飛び上がった。
シンは魔法の力で空を自由に飛び回った。
「さっきの原理、物でもできんなら自分にできないはずはない。つまり、空を飛ぶことができるのさ!どうだ?すげーだろ!」
「ほぉ、素晴らしい。シンさん、あなた才能ってのがあるのかもらしれませんね。どうです?新しい魔法習いませんか?」
「新しい魔法?それってどんなんなんだ?」
と、言いながら降りてきた。
「いわゆる切り札ってやつですよ。最後にしか使えない魔法ですから。“ここだ!
”ってときに使うんですよ」
「そうか、だけどなんで最後にしか使えないんだ?」
「その魔法を最後に身体から魔法を使えるだけの魔力が無くなってしまうのです。まぁ、器具はあつかえますが。学びますか?」
「あぁ、頼む!」
そのころ、義勇兵団本部の二階廊下。シグナが兵たちやシンたちの特訓の様子を窓から眺めていた。そこへリリィがやってきた。
「シグナさん、おはようございます」
「あら、リリィちゃんおはよう」
「なにを見ているのですか?」
「特訓の様子をね。ほら」
と、言ってシグナは訓練広場を指差した。
「あ、本当だ。でも、なぜ特訓をしているのです?」
「え?なぜって、シンから訳を聞いていないの?」
「いえ、なんにも……?」
「え、嘘。あいつ」
すると、突然シグナは窓を開けシンたちのいる広場へと飛び降り、シンに向かって走り出した。
「シーーーン!お前!何で言ってないんだ!」
シグナはシンの目の前まで来ると防衛戦で使った自在に変形する黒球を使って容赦なくシンの動きを封じた。
「いきなりなんですか!?シグナさん!」
「なんですかじゃない!シン、リリィに遺跡調査のこと伝えてないってどういうこと?重要だってあれほど言ったでしょ!」
スタリアルやリリィが駆けつける。
「いや、重要だからってリリィを危険に晒せるなんてでません!」
「だから!私情を挟むなといったでしょ!」
シンとシグナが睨み合っているとリリィが、
「シンさん、どういうこと?」
「リリィは遺跡調査隊の隊員の一人なんだ。だけどまありにも危険過ぎる任務だから言わないでおいたのさ。その隊の隊長は俺だからそれぐらいの権限があってもいいはずだ!」
「それ、遠まわしに弱いって言ってませんか!」
「あぁ、言ってるとも。だから、危険なんだ!」
「私は弱くないですよ!」
「ふーん。よし、だったら俺に一撃当ててみろよ。そしたらついて来い!」
「望むところです!」
リリィは構えるが、シンはシグナの黒球のせいで動けなかった。
「ということだからシグナさん!これ解いてください!」
「はぁ~、はいはい」
と、言いながら呆れた様子で、シンに纏わりついた黒球を解いた。内心、これはもうどうしようもない、と思っていた。
義勇兵団本部の廊下でガートが眺めていた。
「……あの二人、本当にお互いを好きなのかぁ?ワシには全然そうは見えんなぁ」
と、独り言を言っていた。
「はぁあ!」
始めにリリィが攻撃を仕掛ける。右手に指輪の力で氷の剣を出現させ、シンに向かって直進し目の前まで来たところで斬りかかる。シンはそれを後ろに飛んで避ける。
「遅いぜ。今度はこっちからいくぞ!」
シンは地面に手を叩きつけた。そして魔法により地面は浮かび上がり四方八方に土をばらまいた。その隙を狙ってリリィがまた斬りかかる。
「掛かった!」
四方八方へと散った土がリリィ目掛け飛んでくる。リリィは咄嗟に器具の力で自分の周りに氷の壁をつくりシンの攻撃を防いだ。
「うぅっ!」
砂埃により視界が悪くなった場所ではシンが有利だ。シンの器具の力の一つ、索敵があるからだ。シンはリリィの死角に上手く回り込み短剣で斬りかかった。
「貰った!」
そして、ど突いたらリリィの身体は倒れた。すると、
“ガッシャーン”
と、いう音をたてて砕けた。氷だ。その砕けた氷がシンの身体に纏わりついき動きを封じた。
「なっ!偽物か!?まずい!」
リリィはシンの首に氷の剣を当てた。
「はい!私の勝ち!これで私も調査隊に参加ね!」
シンは唖然とした表情で、
「あぁ、完敗だ。どこへでもついて来やがれ」
と、言った。するとリリィはとても喜んだ。
“パチパチパチパチ”
と、拍手の音。スタリアルとシグナが拍手をしていた。
「素晴らしいです。リリィさんお強いですね」
「いい動きだったわ」
「ありがとうございます!」
「それに比べて、シン!弱っ」
「う、うるせぇ。つーか、リリィ早く解いてくれよ」
「あ、ごめんなさい」
リリィが氷に触れると直ぐに砕けていった。
「あぁ、まだまだ特訓が必要だなこれは。よし、スタリアルさっきの続き頼む」
「え、急ですね。少し休んだ方がいいのでは?」
「大丈夫だよ!さ、始めようぜ!」
「はい」
シンはスタリアルと魔法と戦闘の特訓を始めた。リリィはシグナに話しかけた。
「シグナさん、私も特訓したいです!さっきの戦闘で課題が見つかったので、教官をお願いできますか?」
「え?私?構わないわよ。じゃあ、やろうか」
「はい!よろしくお願いします!」
そうして、リリィの特訓も始まった。
残り猶予、あと二十四日
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