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第二十二 真実

前回から読んでくださっている方はありがとうございます!はじめましてのかたははじめまして!よろしくお願いします!

黒いローブの男が入ってきた。

意外にも皆冷静だった。すこし警戒はしているものの、テレシア様が認めたのだからと安心をしていたからだ。


「あなたが、総合隊長のシグナ様ですか?」


と、シグナを見てそう言った。


「えぇ、そうよ」


と、シグナが返事をする。


「では周りの方々は義勇兵団の幹部たちですか?」


「えぇ、まぁほとんどは。でも、そこの女の子だけは違うわ。でも、義勇兵団ではある。それがどうかした?」


と、リリィを見てそう言った。


「えぇ、急ですが、これから二つお話があります。一つはあなたに、もう一つは全員に」


「そう、それで?一つ目は?」


「義勇兵団に我々の居住区の確保を手伝って欲しいのです」


「それは騎士団に頼めばいいのでは?」


「えぇ、本来ならそうなのですが。テレシア様が“義勇兵団に頼め”とのことでして。国民は騎士団より義勇兵団を慕っているからということなので」


「そう、分かったわ。そのことはなんとかしておくわ。で、もう一つは?」


「それは、皆さんが魔目と呼ぶ者の真実についてです」


「!」


全員、一様に驚いた。そんなことは無視してスタリアルは話し続ける。


「あなた方が魔目と呼ぶ者は災いを呼んだり、世界を滅ぼした巨人を呼んだりだとか人間離れした存在ではありません。至って普通の人間です」


「どういうことだ?」


シンが皆が思っている疑問をなげかける。


「あなた方は魔法学を極めた人類、我々は魔法とは別の化学を極めた人類なのです」


「かがく?」


と、リリィが聞くとスタリアルは暗い表情で説明を始めた。


「えぇ、魔力…いや世界に充満する自然魔力体なのですがその力を魔法使いの力以外で制御する機械技術の総称のことです」


「なるほど、」


「例えば、えーっと、そうですね。そうだ今、外に停まっている飛行船なんかに使われている空飛ぶ機械なんかもその一つです」


と、言って窓の外に見える空賊の飛行船を指差した。


「それがどうしたというの?」


「はい、その技術が栄えた我々はこの国より東の方角に造られた都市。王都アンブロシア築きました。そしてさらに技術は発展を極めました。そうして平和に暮らしていたのですが。その技術を妬んだ隣国の王たちが戦争を仕掛けてきたのです。そして我々はその技術を向けては行けない方へと向けてしまいました」


「向けては行けない方?」


「戦争に使うための“兵器開発”です。我々は多くの殺戮さつりく兵器を作りました。そして戦争は長く長く続きました。この戦争はあなた方の間では“魔目殲滅戦争まがんせんめつせんそう”と呼ばれているはずです。この戦争で多くの人が死にました。そこで我々が最後に開発した兵器が、」


スタリアルは下を向く。そしてポツリと呟くように言った。


「………です」


「え?」


「“巨大人型護衛用兵器”です。別名“黒き巨人”」


「なっ……!」


「巨人を?」


「えぇ。ですが、もともとは護衛用でした。でも、国が追い込まれてゆくうちに我々の中で戦争を止めろという声が挙がり内戦が起こりました。そうしていくうちに巨人は平和を乱すものを排除していきました。敵味方関係無く。それが“黒き巨人が世界を黒く染めた”という言葉で残っていることです」


「そんなことが、」


「それらが代々受け継がれた話です」


「なるほど、黒き巨人は神とか悪魔とかそういう存在ではなかったのね」


スタリアルは無言で頷いた。


「それが受け継がれた話……」


「後もう一つ、我々の血は黒いのです」


「黒い?」


そう言ってスタリアルは指先を噛み血を出して見せた。それを見たシンは、


「ほ、本当に黒い血だ」


と、言った。だがすぐに疑問が浮かんだ。


「その、魔目と呼ばれている者は皆、黒いのか?」


スタリアルは首を振った。


「それじゃ、まさか!以前の防衛戦で戦っていた魔目は全員……!」


「えぇ、赤き血ならば無関係な人たちです。それに我々は魔目などではありません」


「そ、そんな…」


シンは唖然とした。それだけでない他の人も頭の中が一瞬真っ白になった。だがすぐに“私たちは無関係な人たちを殺していた”という事実だけが頭の中に浮かび上がる。


「紫の目だからと言って黒き血と言うわけではありません。確かに割合的には黒き血に紫は多いですがね」


「だ、だけどなんでその事実が知られていないんだ?」


「赤き血の人たちが隠蔽工作を行ったからです。そうして国民に事実を伝えず。黒き血を巨人の使いと思い込ませた。それが真実です」


「そんな、ならなぜだ?なんでスタリアルさん、あんたはここへ来た?この国を赤き血を憎んでいるんだろ?」


「えぇ、憎んでいます。ですが憎んだところでその先になにがあるんですか?何もないのですよ。私は平和のみを願うから憎まない。でも兄さんは違った。今、兄さんは巨人を動かし世界を壊そうとしてるだから止めないと、そのために私はここへ来た」


「巨人を!?」


「はい。巨人は動かすのに一ヶ月間自然魔力体を吸収しなければならない。私がアンブロシアを出たのが三日前、その時から巨人の魔力吸収を行っていたとすると、二十七日間は猶予があります。このことはもう騎士団に伝えてあります」


「たった二十七日間かよ、」


と、シンが文句を言った。するとシグナが立ち上がった。


「私たちは誤解をしていたようね。スタリアルさん私たちの先祖がしたこと本当に申し訳ないわ」


そういいながらシグナは深く頭を下げた。


「いえいえそんな大丈夫ですよ。ほら頭を上げてくださいシグナ様」


スタリアルはあわてた様子でそう言った。


「兎・に・角、これからは共に戦う仲間だ!よろしくなスタリアル!」


と、壁に寄りかかっているコトリがスタリアルに馴れ馴れしくそう言った。それに続いてシンとリリィも、


「俺もよろしくな!」


「よろしくお願いします!」


と、言った。スタリアルは笑みを浮かべて、


「はい、」


と、一言そう言った。


 巨人起動まで後、二十七日

最後まで読んでくださってありがとうございました!“終わらせたくない世界”最新話の文の一番下で感想等よろしくお願いします

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