第二十一 来訪者たち
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「ま、魔目」
シンとリリィは目を疑った。魔目がここにいるという事実に対し恐怖を抱いた。
「シ、シグナさん!なぜ魔目がここに!?」
「空賊連盟の総統が連れてきたのよ」
「え?どういうこと?」
「詳しいことは私にも分からないわ」
そう話しながら総合隊長の部屋へと三人は足を運ぶ。
“ガチャ”
扉を開け部屋に入る。シグナが椅子に座りシンとリリィも部屋に入ると、天井からコトリが降ってきた。
「よっ!」
「うわ!コ、コトリ?」
シンは驚きみっとなく転んでしまった。
「いってぇ」
「アッハッハ。だらしねえなシン!」
コトリは笑いながら手を差し伸べた。
「うっせ!急に現れんなよ!」
「転移したらここにでちまった悪い」
シンはコトリの手を掴み立ち上がりコトリに文句を言う。
「それで?お前はなにしてたんだ?」
「ちょっとあの飛行船の中に行ってたんだ。中は魔目だらけだったけどな」
「ぇえ!?コトリさんよく行きましたね!」
リリィが驚いた。
「あぁ、そんでそいつら移民団っとか言ってたぜ。気のいい奴らだったよ」
「移民団?」
“バンッ”
扉が勢いよく開けられ部屋に大男が入ってきた。
「うわ!」
扉の前に立っていたシンは吹き飛んだ。
「んぁあ?あ、悪い」
大男はシンに誤り手を差し伸べた。
「うぅ、なんで俺だけこんな目に」
とわざとらしくそう言って大男の手を掴み立ち上がり大男に視線を向ける。するとその大男は赤い目で黒髪、そして手の甲には竜族独特の鱗が顔には目の下に斬り傷があった。それでもってどこか見覚えのある顔だった。
「あ!あんた空賊連盟の総統か!」
「あぁ、そうだ。自己紹介が遅れたな。俺は空賊連盟の総統、バレルだ。よろしくな」
そういって手を差し伸べシンと握手をした。
「お、おう。よろしく。俺は第三特殊部隊のシンだ」
「ほう、お前が噂の第三か」
「噂?」
「いや、盗賊が義勇兵団に入ったって、東のほうでかなり噂になってんだよ」
「へ~、で?なんの用なんだ?」
「あ、そうそう。えっとー、シグナ?だったかな、その人に用があるんだが」
「私がシグナよ。用はなに?」
と、シグナが言うとバレルが振り返った。
「訓練用広場にしばらく飛行船を停めさせてくれないか?数は十七隻だ。もう、騎士団には許可とってあるんだが」
「えぇ、構わないわ。あの、二つほど質問してもいいかしら?」
「ん?なんだ?」
「空賊のあなた方がなぜここに来たの?」
「あぁ、それはな。俺ら空賊も魔目の被害を受けているからだ。俺たちはもともと個々に集まりをつくって空賊稼業をやってたんだ。だが、ある日を境に俺の空賊団が魔目に襲われてな、飛行船二隻が轟沈した。それだけじゃなかった。他の空賊団も幾つも飛行船をやられたんだ。それで俺らは魔目を倒すべく空賊連盟をつくった。だが当然、俺らでは力不足だ。だから、この国に協力を求めようと思って来たわけだ」
「なるほど。では次の質問。なぜ、魔目を連れてるの?」
「えっと、ここにくる途中に見つけたんだよ。それで攻撃を仕掛けたんだが、あの黒いローブの男が飛行船に魔法で飛び乗って来たんだ。そしたら“俺たちは戦いたくない。攻撃を止めてくれ”ってんで、それを信じて攻撃を止め、そんで行き先が同じだったから乗せたんだ」
「行き先が同じだった?」
「あぁ、どうやら魔目でも分裂が始まってるらしい」
「そう、分かったわ。テレシア様はなにか言っていた?」
「よく分からんかったが魔目を受け入れるそうだ。もう、行ってもいいか?」
「えぇ、ありがとう」
「いやいや、協力してくれるんだ。もう仲間さ」
と、言ってバレルは部屋を後にした。
「へ~、テレシアは魔目の移民団を受け入れるのかぁ、」
「意外ですね~」
「そうね、まぁ、テレシア様がいいっていったらいいんだけどね」
「なんか軽いですね」
「そう?私もともとは明るい性格だけど」
シンとリリィはシグナに始めて話したときのことを思い出した。
「ふっ、確かに」
「それにしても、何のための非常召集だったんですか?」
「いやー、それは義勇兵団は特に意味ないかな」
「え~!こんな重い荷物背負って来たのに、それは無いですよ~」
「まぁまぁ、この国には無い飛行船が見れたんだからよしとしなさいよ」
「そんなぁ……!」
急にシンの表情が険しくなった。
「どうしたの?」
「魔目が来てます。扉の前に立ってる」
「なぜ、そんなことが分かるの?」
「俺のつけてる器具の能力の一つ索敵です」
「なるほど」
「入ってきます」
扉の前で魔目の男がドアノブに手をかけ、今ゆっくりと扉を開ける。
“ギィィー”
扉が開き部屋へと黒いローブの男が入ってた。
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