第二十 現れたのは
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三隻の黒い影は総督区の空中で静止し、長いロープが垂らされ何人もの人がそのロープを伝って降りてきた。そのとき王都中に鐘が鳴り響いた。
“カンッカンッカン”
と、打ち鳴らされた鐘の音の意味は“総督区へ非常召集”だ。街の人々にとっては“自宅退避”の意味がある。
「やべ、非常召集だ!行くぞリリィ!」
「う、うん!」
と、言って二人は勢いよく走り出し、街の人々は自宅に駆け込んだ。
総督区。
弩や金槌を持って走ったのでほかの人に比べてかなり遅れたがなんとか本部に到着した。
シンたちは本部にいるシグナのところへ急いだ。
シグナは窓から騎士団及び義勇兵訓練用広場を眺めていた。
そこでは兵隊たちと空賊が対峙していた。
「シグナさーん!」
と、シンが呼び掛けるとシグナはこちらに振り向いた。
シンたちはシグナのそばに駆け寄る。
「お、シン君~。遅かったね」
「すみません。荷物が多かったもんで」
と、背負っていた弩と金槌を地面に下ろした。
「それで、なんなんです?この騒ぎは」
「えっとね~。空賊連盟っていう空賊の集まりがいきなり来てね。その総統が話があるとか言い出して騎士団のテレシア様と今話してるのよ。別に敵意はないから今のところは見張ってるだけなんだけど、」
「空賊連盟?連盟っていうからには何か目的が?」
「それは私も分からないわ。ともかく今はテレシア様と総統の話が終わるのを待つだけ」
「その話って、義勇兵団総合隊長のシグナさんは参加しないいんですか?」
リリィが質問をする。
「私たちは義勇兵団だから国に関わることはできないのよ」
「え、どうゆうことですか?」
「義勇兵団はね、もともとヴァルトさんが“人を助けたい”って想いでつくられた組織なのよ。つまり、国が全面的に認めた組織って訳じゃないの。行政に関わることとか国の今後に関わることとかには一切手を出せないのよ」
「総督区にあるのに?」
「総督区って言っても実際に国の行政を行ってるのは王宮だしね」
「へ~」
すると今度はシンが質問をする。
「それなら空賊連盟との話も国がやるべきじゃ、」
「いえ、今回のことは国がテレシア様に任せると国王が言ったのよ」
「なるほどね。あ、じゃあ別の質問」
「なに?」
「ヴァルト隊長がこの義勇兵団をつくろうと思ったきっかけってなにか知りませんか?」
「ん、また唐突に、まぁいいわ。あれは、まだ戦争が始まったばかりのころの話で、私とヴァルト隊長、他の今は義勇兵団の兵たちも昔は皆騎士団に所属しててね。あのときは国が劣勢で王都内まで魔目に侵攻されてね、必死に応戦したんだけどなかなか敵も強くて、そしたら命令で“国民を守るより王城の防衛を優先しろ”っていわれてさ。騎士団の奴ら全員王城へ向かったんだ。国民が殺されてるのに。でもヴァルト隊長や私たちはその命令には従わなかった。国民のために必死に戦ったよ。“そんな命令間違ってる”って言ってね。そのときにヴァルト隊長は右腕をなくしてたの。それで魔導器具を作った。ま、それはそれとして。そのあと防衛防衛がひとまず終わって騎士団の中で仲間割れが起きてヴァルト隊長の意見に賛同した人が皆辞めて、新しく義勇兵団をつくったってこと。分かった?」
「えぇ、そんなことがあったなんて全然知らなかったです。俺らはそのとき仕方なくガートや貧民街の連中と西の山に非難してたから」
そんな話をしていたら騎士団の本部からテレシアと厳つい大男が出てきた。
「あ、シグナさん。ほらあれ、出てきましたよ。へ~、あれが空賊連盟とかいうやつの総統かぁ」
「そうね、」
すると、その大男の後ろに鎖の装飾がある黒いローブを着てフードを被った人が続いて出てきた。
「え……」
「なんで……」
フードをとるとその人の目は紫だった。
「ま、魔目!?」
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