第十八 分岐
前回から読んでくださっている方はありがとうございます!はじめましての方ははじめまして!今回はすこし短いですがよろしくお願いします!
ここは王国より遥か東の大陸。そこは魔目の者たちが大きく黒い城を建て拠点としていた。そのすぐ隣にはあの黒キ巨人が立っていたが動く気配は全くない。王都では防衛戦が終わっただかりの頃のこと、魔目の者たちの間で分裂が起きていた。それは魔目の筆頭であるグランドールとその弟スタリアルの争いだった。
「スタリアル。私はリヴァスクラット侵攻作戦に行けと命令したはずだが?なぜここにいる?」
「兄さん、こんなこと間違ってる!なんでこんなことをするんだ!」
「忘れたのか?ニンゲンに受けた屈辱と悲劇の数々を!」
「忘れてなんかいないさ!確かにニンゲンは酷い奴らかもしれないが、オレらだってニンゲンを殺めたじゃないか!現にリヴァスクラットを攻め滅ぼそうとしている!兄さんはもともと平和を願ってたじゃないか!どうしてなんだ!」
「平和だと?ふざけるな!俺も、お前も、親を殺され住んでいた街まで焼かれた!それだけじゃない!ターニャは生まれてからずっと一人でやっと巡り会えた恋人を殺されて今までずっと一人だったんだぞ!キースは親や住んでいた町に裏切られ王宮に捕まり死にかけた!スパイクは生まれてからずっと一人で生きてきた!アリサなんてまだあんなに幼いのに親に“災いを呼ぶ”と言われ捨てられんだ!そんな悲惨な人生を歩んできた奴らばかりだ!ただ魔目だというだけで!そんなんで平和?ふざけんな!そんなもの最初から無理だったんだよ!もともとこの世界は黒キ巨人が滅ぼそうとしていたんだ!滅ぼそうとしてなにがおかしい!」
「おかしいさ!巨人が現れたときだってニンゲンは手を取り合って巨人に勝った!オレらは生きる権利を得たんだよ!それを自分たちが生きにくくなったからって滅ぼすのか?違うだろ!もし逆だったらどうだ!オレらが普通で奴らニンゲンが魔目だったらどうなんだ!同じように怖がりこの世界から消したくなるだろ!そういうことなんだよ!兄さんはさ、努力したのかよ、してないだろ!ニンゲンに私たちはなにもしないって一度でも奴らニンゲンに面と向かって言ったのかよ!」
「そんなことしてなんになる!奴らはどうせ理解などしない!無意味なんだよ!今まで確かに平和は願ったさ!だがダメだった!無駄だった!これこそくだらないことだった!だから私は巨人を呼び起こし世界を終わらせる!この腐った世界をな!」
「もう兄さんにはついて行けない!オレは全力でその計画を阻止してやる!」
スタリアルはそう捨て台詞を吐き部屋を出て行った。
スタリアルは先ほどのことを自分の率いる兵に説明した。
「今の通りだ。ついてきたくない者は残って構わない」
すると兵たちは陽気に応えた。
「へへ、なに言ってるんですかスタリアル様。みんなあなたについてきたんですよ!ついていくに決まってるじゃないですか!」
と大柄な男は応えた。
「そうですよ!スタリアル様は正しいわ!」
若い女もそう応えた。それに続き全員スタリアルについて行くと言ってくれた。
「みんな、私の勝手ですまない」
「大丈夫っすよ!」
スタリアル率いる二千の兵たちとその家族はリヴァスクラットに向けて出発した。
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