表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

任務


2人でじゃれていれば、無機質な着信音が2つ聞こえてきた


お互い携帯を取り、送られてきたメールを確認する


「今度は東?」


「・・・・最近、多いね」


あたしは携帯を置いて、パジャマから制服に着替える

〝仕事〟をするにあたって、この格好が1番動きやすい


(れい)は既に黒いセーラー服を纏っている

それがまた似合ってること


あたしが白のセーラー服に袖を通している間、(れい)は長い髪の毛を高い位置で1つにまとめる



お互い準備をすませたら、常にそばに置いている〝それ〟を手に取って部屋を出た


あまりゆっくりする時間もなく、走って家の階段を駆け下りる


「迎えは?」


「もう来てるって」


靴をはき、玄関の扉を開けるとそこには既に1台の大きなワンボックスカーが止まっていた


あたし達が玄関から出てきたと同時に開けられた車の扉


そのまま立ち止まることなく、走ってその車に乗り込んだ




乗り込むと同時、車は発進した


車には既に何人かが乗っている

いつものメンバーだ


「いつも悪いな、お二人さん」


そう言いながら、運転するのは少し顔のいかつい(みや)さん



「仕方ないでしょ、出ちゃったもんわ。 倒せるの今はあたしだけなんだし」


「ちょっと!(れい)!?あたしも入れて!」


黄泉(よみ)にはまだ早いわよーっだ」


そう言って、舌を出して挑発してきた(れい)に、今朝のお返しとデコピンをお見舞いしてやる


「いったぁい!姉に向かってそんなことするのか!」


「べーっ」




「おいおい、2人共、じゃれつくのもいい加減にしとけよー」


そう言って、助手席から呆れたようにため息をつきながらこっちを見てくるのは柴本(しばもと)

黒い短髪で真面目を形どったような容姿



「こっち見んな、変態」


「誰が変態じゃ、この冷徹女っ」


(れい)は手をひらひらとさせて、心底嫌そうな顔で柴本さんを邪魔者扱い


これは(れい)と柴本さんの仲の良さだから出来ること、つまり2人は実際仲がいい



「おい柴本。俺の彼女に冷徹とはいい度胸だなぁ。

(れい)はよく鳴くいい女だ」


そう言ったのは(れい)の横に座ってる(かず)ちゃん

茶色い髪に耳にはピアスがたくさんついてる

そんな(かず)ちゃんは(れい)の恋人で婚約者

元は親同士が決めた結婚だったけれど、2人はそのまま恋におちたのだ


「ちょ!(かず)!?変なこと言わないで!」


「ほんとのことだろ」


しれっと惚気を言う(かず)ちゃんに照れる(れい)

いつものことだ


羨ましい限りだといつも思う


「お前らはいちゃついてんじゃねーよ」


また呆れた顔で柴本はため息をついて前を向いた




「今回の任務だが、連絡したようにランクDだ。 だからと言って気を抜くなよ」


じゃれてるあたし達をみて宮さんがそう釘を刺す


「分かってるわよ」


そう言った(れい)は手に持っている袋から〝それ〟を取り出した


それに習ってあたしも取り出す



「で? 今回の作戦は?」


「まぁ気を抜く訳じゃないが、ランクDは雑魚だ。 そこまで決めなくてもいいと思うが・・・・。 (れい)がやりやすい様にやれ。 俺らはいつも通りそれを補佐する」


「了解」


「あぁ、それと黄泉(よみ)。 室長が戦ってみなさい、だとよ」


「ほんと!?」


「良かったな、黄泉(よみ)


柴本さんがそう言って笑いかけてくれる

今までは(れい)の補佐だったため、(れい)の仕事を見るばかりだったから実戦は初めてだ

それかりに緊張はするが、いつもの鍛錬を思い出せば大丈夫だろう


「足手まといにならないでよー?黄泉(よみ)


馬鹿にしたように言いながらも、(れい)があたしの頭を撫でる


「ならないようにする!」


「なんかあったらすぐに助けを求めて。いい? 」


「うん!!」



そんなやり取りをしながら、辿りついたのは山奥だった





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ