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TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【階級試験篇】:デストラ・シニストラ

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91話 被われた種か、むきだしの実か




 どこからともなく、足音が聞こえ、だんだんと近づいてくるのがユニム達にもわかった。


 なんだろうか。誰の足音だろうか。と、気に留めていると……


「待ってくださいっす」


 懐かしい声が二人の背後から聞こえた。


 その声は、どう考えても自分たちを追いかけて、留まってほしいという願望の表れが、如実に示されたものであり、どこかで聞いたことがある。


 スーペリアではないかと、二人は考え、どことなく、特徴的な語尾に、二人は、クロノスまたはネロの表面が、頭に浮かんだ。


 スーペリアから、フォーチュリトスまでは、距離があるため、ユニムとゼルドも、移動する際にトライデンスの力を借りるなどして、道程を大幅に短縮したのも事実である。


 そんなことを考えている二人は他所に、気配はだんだんと近づいていき、ユニムは、右肩、ゼルドは、左肩をその声の主に、がっしりと掴まれてしまった。


 わかりきったことではあったが、体に触れられた以上は、見て見ぬふり、気づいて気付かぬふりなど、到底できやしないので、今しがた気づきましたよ。と、言わんばかりにそれぞれ体を向ける。


 やはり、そこにはゼクロスの姿だけがあった。


 ユニムは、彼が鎧を着ている姿に面食らい、二枚目は、何を着ても似合うな……などと、感心している。


 鉄十字騎士団において、十字という模様は、一見して、象徴的模様であり、身につけていれば、誰もが一目で「あ、鉄十字騎士団〈ジ・アイアン・クロス〉だ」とわかるような仕掛けが施されている。


 例えば、皆さんもご存じだと思われる勲章、または紋章に、連なるようにして、十字を描いた、剣の模様が、施されている場合がある。


 この場合、勲章や紋章、つまり、どの階級なのか。


 どの国と深く関わりがあるのか。


 どの国から、やってきたのか。


 どの国出身なのか。という、疑問が呈されるが、その下を見れば、瞬時に、彼らが何者かわかるため、連続して、十字の模様を施している人間もいる。


 お気づきかもしれないが、我々の世界では、十字といえば、キリスト教、赤十字と呼ばれる医療団体、ばつなど。多数の意味合いが込められているのも、これまた事実である。


 そのため、――セレスティアル――で、どれほど、異世界との交流があるのか、定かではないが、異世界の学問という、かつてのヴェルデことグリードグリーンが見ていた、この書物にも、活版技術、印刷技術がない時代から、彼らが、技術を持ち込み、――セレスティアル――を発展させてきた背景には、目まぐるしいものがあるため、おそらくだが、我々の知らない場所や、外海にて、異世界人が、活発に動いているのではないかと踏んだ。


 それゆえに、鉄十字騎士団〈ジ・アイアン・クロス〉のばつじるし。


 剣が交錯した模様は、どれも、一般的には、剣が下を向いている方向であることが多い。


 長くなってしまったが、ゼクロスの胸元には確かに、銀か、鉄で拵えたような、デフォルメされた、アクセサリーのような、剣の模様が、首から提げてあり、ユニムは、それをみて、ゼクロスに大変似合っている。


 と、一度考え、しばらく見ていたが、彼が何か伝えたいことは、間違いなかったので、視線を彼の首から上へと、向けた。


 すると、ゼクロスの面が、兜から覗いており、思わず、かっこいいと思えてしまったが、彼の視線の先に会ったのは、ユニムではなく、ゼルドであり、自分も話をする上で、肩を叩かれたのだと、そこで初めて認識した。


 気になる点がいくつかあったのもまた事実であり、彼、ゼクロスの腰元には、剣が(たずさ)えてあった。


 どこかで、見たような気もしたが、ゼルドとゼクロスが、おそらく、ケルベロスに関することで、手振りを交えながら、話をしているので、私も聞くかなどと、考えながら、耳をそばだてては、その剣を見ていた。


 剣には、スーペリア語だと思われる、凹凸の意匠が、施されてあり、剣の鞘を覆うようにして、空白もないくらいに、所狭しと囲っている。


 どこか、魔法的な意味合いが込められているのではないかと、ユニムは思った。


 その意匠は、今にも紫色に光りそうで、視線を寄こしては、体を近づけて、じっくりと見ようとしたが、「ユニムさん聞いてるんすか?」


 と、ゼクロスから一声かかり、「聞いているのだ」と、返すと視線をこれ以上逸らしていれば、再び声がかかり、話を聞いていないと、思われかねないため。


 ゼクロスの視線に気を配りながら、その特徴的な剣から、目を放していく。


 すると、ゼクロスの丁度お腹の辺りだろうか。


 瓶が、茶色い革のベルトのようなもので、巻き付けられてあり、なんの液体が入っているのか気になった。


 ゼクロスの話は聞きつつ、上手い具合に、視線を逸らしながら、相槌を打ち、視線を逸らした隙に、その瓶に目をやった。


 黒い液体であることは、見て取れた。


 しかし、それが、なんの液体であるのか。


 ユニムには、想像もつかなかった。


 エンシェントにいた際に、よく家ではソースと呼ばれる調味料を扱かったものだ。


 それとは別に、確かあれは……炭酸飲料だったか、マスタングおじさんが、風呂場で体を洗い終え、水分を拭き終えると、荒々しく、且つ大胆に、瓶の蓋を開けると、ぐびぐびと、その液体を飲んでいた事をユニムは覚えていた。


 彼が、「シュワッとするぞ」と言った時、ユニムはその感覚がどんな感覚なのだろうと、好奇心を煽られたので、保存庫から、もう一本取り出して、腰に手を当てて、よくマスタングの真似をしたものだ。


 それを見ていたマスタングをマサメヒは、微笑みを浮かべては、目を見合わせては、照れくさそうにしていた。

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