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8話 僕は、今日から「天王子」です




 「天王子」のジャックは、全員で26人いることからも、天王子二十六人衆とよばれる。


 エクスはその”ひとり”である。


 今や、ゼルドもその"ひとり"となった。



 ゼルド、おめでとう…?





「どういうことですか?」

「おまけさん。説明してくださいよ」


 ユニムは、自分の勲章(くんしょう)も変化してると思い、見てみるが「(チーマ)」のままだ。


「なぜなのだ」


 ひどく落胆(らくたん)した。


「落ち着いてください。ユニム様。大丈夫です」


「大丈夫じゃないのだ」


 余程(くや)しいのか。

 ユニムは腕をブンブンふっている。

 どこかかわいげである。


「ゼルド……わかっているのか」


 アレキサンダーは、左手を(あご)にそえている。


「このおまけさん。やらかしましたね」


 エクスは、(にく)らしく、朗笑(ろうしょう)する。


「まぁ……」


 アルジーヌは手にハンカチをもって、目元をおさえているのだが、絶対に可哀想だとは思っていないだろう。

 その証拠に涙が出ていない。血も涙もない。


「なんで見つめるんですか」

「え、ぼくの顔なんかついてます?」


「本当に、なにも知らないですね。わたしが教えて差し上げましょう」

「勲章の偽造(ぎぞう)は、王法に違反するんです」

「口で(いつわ)ったりもしていましたよね?」

「報告すれば、裁判沙汰(さいばんざた)ですよ」


「ちょっとまってくださいよ。無罪放免(むざいほうめん)ですって」


「ちょっと、まて。ゼルド。どういうことなのだ」


 ユニムが大声でわめきちらす。

 みんな、ポカンとしている。

 ユニムの視線の先をみんなで見つめてみると………


「え、みなさんそろってなんなんですか」


 ゼルドの肩の勲章の「J(ジャック)」が「(チーマ)」に戻っている。

 このとき、ユニムの手はゼルドに触れていない。


「え、どうしたんです?」


 みんなが、顔を合わせるが、どんな事象(じしょう)をもちいても説明がつかない。

 この場にいる四人が、その一部始終(いちぶしじゅう)を見ていたからだ。


 エクスは、舌を巻く。


 アルジーヌは、驚嘆(きょうたん)した。


 アレキサンダーは、頭を(かか)えている。


「………とりあえずそうだな、スーペリアを目指(めざ)すといい」


「なぜですか。階級試験(かいきゅうしけん)は、ここで受けられるのでは?」


「『士正義のエイリル』の試験は、スーペリアでしか受けられない」


「ここは、ユニム様のため、行くしかないですね」


 実は、まだ気づいていないゼルドであった。

 ゼルドも受けなければならないのだが………


「ユニム様、行きましょう。天王子のぼくがお役に立ちますから」


 ゼルド、ドヤ顔である。


「ずいぶんと自信がついたな。みなおしたぞ。エク………じゃなくて、ゼルド」


「あれ?今、間違えませんでした?」


「気のせいだ」


「ですよね」


 高らかに笑う。満足気(まんぞくげ)なゼルド。


 2人は、3人に礼を言うと、城を後にした。


 この先は、順に、イギリアとアメリアという街が広がっており、アメリアの国境を抜けると、貨幣(かへい)の国「アダマス」が待ち受けている。

 そこで、アダマスについて少し()れる。


 アダマスは、経済活動の発展した国である。フォーチュリトスの生産物を取引し、各国に配ったり、金銭を(あず)かったりする。

 といった役割を(にな)っている。

 王城街(おうじょうがい)にあるプラチナ銀行は、四王国の貨幣(かへい)中枢(ちゅうすう)であり、人々の金銭(きんせん)により経済がまわされている。


 とくに、この四王国の貨幣(かへい)でもあるダイヤは、コインや紙幣(しへい)ではなく、ダイヤモンドでもない。

 元「四権英雄(しけんえいゆう)」の賢者トライデンスによって、電気にさしかえられた。


 そのため、誰でも物品を購入する時には、必ず「電気石」を持ち歩いている。


 電気石とは、電気を(まと)う石であり、魔法によって、私達の世界とは異なる使い方をされるが、電気だからといって、人に危害(きがい)をくわえることはない。


 1ダイヤ=1円である。(あたい)がダイヤなのはむかしの名残(なごり)であろう。


「そういえば、ユニム様?気になっていたんですが………」


「なんだ」


「不思議じゃないですか?」

「今()いている靴には、クラブの紋章(もんしょう)がつけてありますけど、なぜ紋章は(きざ)むのに。勲章(くんしょう)はつけないのですか?」


「クイーンになったら、つけるのだ」


「にしても、アダマスってどんな国なんでしょうね。

「フォーチュリトスは農民が多いですが、アダマスは商人が多いんだとか」


「新聞で情報は手に入らなかったのか」


「プラチナ銀行とネイビスは知ってます。言わずと知れたアダマスの四権英雄で、蒼きいな……」


 ゼルドが異変に気づく。


「あれ?なんか、ぼくの右側光ってませんか?あ、勲章(くんしょう)ですね」

「え、ちょっと……まってくださいよ。勲章(くんしょう)って光るんですか」


「………聞こえるかの」


 どこからともなく声が聞こえる。


「うわぁ」


 2人とも驚いた。


「わしじゃよ、わし。ブルースカイじゃ」


「どこにいるんですか」


「ここじゃよ。ここ」


 耳をすましてみると、勲章から聞こえているようだ。


「どんな魔法ですか。凄いですね」


「感心しとる場合じゃないじゃろ。」

「今、階級はいくつじゃ。そして、どこにおる」


「えっと、今は、天王………」


「チーマだ。ウノとイギリアの(さかい)にいる」


「ぼく、天王子になったのに。ユニムさまぁ………」


「わかった。待っておれ」


「え、来るってことですか?」


「そうだ」




―――そして、5分後。


「キールトレイン。まもなく、参ります」


 今度は、勲章ではなく、空間から声が聞こえた。


 あの奇術師のような骸骨(スケルトン)の声がどこからともなく、聞こえる。


 そして、キールトレインが視界に入る。どこから現れたのだろうか。


「あれ?今、物陰から現れませんでした?ユニム様」


「ほんとだぞ」


 目の前で、キールトレインが止まると…


 キールトレインの扉がひらいた。


「待たせたの。ふっはっはっはっ」


 賢者ブルースカイである。扉の前で、待っている。


「さて、次はどこに行きたいかの?次期賢者と天王子だったかのう。おっもしろいのう」


「それは、デタラメだぞ」


「え、嘘ですよね。そういうことだっんですか、さっきの。僕は、たらしじゃないですよ」


 ゼルドは、思い返してみる。王城サンタンジェロの一連の出来事は、夢だったのではないか。と、だが現実だ。

 彼は、1つの仮説を立てた。勲章は賢者ブルースカイがくれたもの。この男楽しんでいるのではないか?


「2人ともチーマのままじゃな。なかなかに面白かったの」


 やっぱり、面青(おもあお)いって言わない。おもむろに、勲章を外し確認するゼルド。ブルースカイの言っていることが本当なら………ゼルドは、あくびをしたときのように泣きそうだった。


「泣いておるのか?すまんの」


「泣いてないですよ。あくびです」


「そうかの」


 ブルースカイは、顔をほころばせる。


「さて、アダマスだったかの」

「それとも、スーペリアか。選ぶとよい」

「わしだったら、インペリアルハーツかの」


「なんで真ん中なんですか」


「アダマスだ。私は、海内女王(かいだいじょうおう)になる女だ。他の国を知っておくことも海内女王として、なにより重要だ」


 ユニムは即答(そくとう)した。


「なるほど。さすがです。ユニム様」


「では、行くかの」


「発車いたします〜ご注意ください〜」


 3人は、キールトレインに乗車した。

概要 (Overview):リッチ (Lich)


 多くの文化で、 [骸骨]は「死の象徴・最終的かつ不変の身体状態」、[ミイラなど長期にわたり原型を留める死体は「死を越えた生」など神秘の対象であった。

 先人たちが「骸骨・ミイラのような死体となってなお生き続ける人物」をどこかの伝承から発想したのかは不明であり、リッチにモデルがあるのかはわからない。


 中国の伝承に見られる [仙人]は仙道という術法や練丹という呪薬を用いて不老不死を目指すという点だけに注目すれば、リッチと言えなくもない。特に善行を積んで生きたまま不老不死となる天仙・地仙と異なり、死後体から抜け出した [魂魄]が後日死体に戻り棺を抜けでてゆくという尸解仙は死を経て死体で蘇り不老不死になるという点で、外見を除けばリッチに近い。


【文学】


 死体の古語である「リッチ」という言葉は、近代では主にファンタジー作品において用いられている。


 怪物としてのリッチは、いわゆる初期の [ヒロイック・ファンタジー]に登場する。


 魔術によって死を克服した強力な魔法使いに由来している。

 これらの小説ではこのような魔法使いが少なからず見られ、例えば [クラーク・アシュトン・スミス]の短編小説の多くには、魔術によって死からの復活を可能にする強力な魔法使いが登場しており、は『スカル・フェイス』などいくつかの作品で、神秘的な手段によって不死になり、体はしわが寄った抜け殻のようになる。

 人間にはできないような動きとより活発な思考をする。


 ウィキペディア (Wikipedia)より

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