表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【階級試験篇】:カシェ・ケルクショーズ・ラ・ウ・トゥ・ル・モンド・ルギャルド

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/155

78話 解き明かし、悔い改めよ




 喪失は痛みを伴うが、忘却はその痛みすらも消してくれる――そして人は、何度でも新たな始まりを迎えるのだ。


 いつぞやの彼もまた、新しい旅立ちへと向かっていた。


 彼の名は、エクス。


 どうやら、ゼルドがケルベロスになったことを聞きつけたようだ。


「私は、解き明かす者」

「あなたを前にして、怯みもせず、呆然と眺めるわけでもなく、あなたを密かに奮迅させようとしていました」

「この声は、あなたには届かないでしょう」

「私は、《アルキメデス魔法学校》であなたを待っています」

「いつぞやの賢者さんへ」


 簡潔に伝言を召使いに遺すと、彼は、インペリアルハーツへと向かった。



〜インペリアルハーツ アルキメデス魔法学校にて〜



 アルキメデス魔法学校とは……?


 賢者アルキメデスにより建てられし、魔法を学ぶための機関である。


 魔術全体における魔法、咒法、(まじな)いを、みなさんはここで身につけることができるのだ。


 ただし、階級は「天王子」からと定められている。


 果たして、それはどうしてなのか?


 理由はいくつかあるが、とある賢者により、魔法という存在が高等になった。


 そのため、魔法を扱うのは、誰でもというわけにはいかない。


 天民……所謂(いわゆる)、天王子、海内女王、天地国王、四権英雄が相応しいと定義されたのだ。


 しかし、『魔術超基礎編』にもあるように、(まじな)い学の分野における、呪文や呪いは、言ってしまえば、ただ唱えるだけで扱える。


 魔王によって、魔力を奪われたセレスティアル人だが、ある一族だけは、並外れた魔力を宿しているという。

 

 それこそが、伝説の一族である勇者の一族。存在は、確認されていない……


 ちなみに、ゼルドの出身であるオルダインは、滅ぼされ、街の跡形もなく、ただの瓦礫の山と化してしまった訳だが、その地には歴史の名残が深く根付いているという。


 例えば、異界と繋がっている。


 異界……ここで指す異界とは、黄泉の国や、天国、地獄のことではなく、また、異世界のことでもなく――セレスティアル――における界とは、外海の何処かに存在するとされる。桃源郷や高天原のような存在である。次元は、同じのため、異世界とは違うのだ。


 セレスティアルに確認されている異界はいくつかある。


暗黒にして灼熱の《獄界》


精神と魂の混在する《霊界》


電気と機械と魔法が融合し、高次元にも匹敵するとされる《電脳界》


世界の狭間を拝むことができ、異世界と繋がっているとされる《次元界》


 オルダインから、何かしらの方法で、異界に行くことが可能とされているが、真偽のほどはわかっていない。


 霊における解釈のひとつとして、霊魂というものが、存在するのか否か、結論の出ない、永遠の地下迷宮をさまようことになるが、結論として、霊魂の存在を確かめようなどと、考えなくてよい。


「純粋理性批判」エマニエル・カント著


 ……によれば、神の存在。霊魂の存在。宇宙の始まりと終わり、死後の世界は、我々の五感を使ってもとらえることができないので、考える必要がないのだとか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ