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TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【階級試験篇】:カシェ・ケルクショーズ・ラ・ウ・トゥ・ル・モンド・ルギャルド

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74話 地下迷宮の暗闇に見た燭光




~【現在】ユニム達~



 まるで、霧の中から突然姿を現したのかのように、言うなれば、神隠しの反対、どこからともなく、姿をくらましたと思っていた彼女がついてきたようだ。


『……ゼルドの()()は、(おこた)ったら()()()


 ティタインは、かんかんに怒っているようだ。


 その表情こそわからないが、青羊(ウォーターシープ)の奇妙さも伺える。


 球体の水が羊の体を取り巻いている。


 ユニムが水に触れる。


 水は、本物であり、この羊の異様さを物語っていた。


 そもそも、重力に反しているのだから、ありえないことだらけなのだが、何が起きるかわからないこそ面白いのが、現実というものである。


 その青羊をよく見てみると、一匹の魚が泳いでいる。


 ユニムは、好奇心が旺盛なので、思わず魚を触ろうとしてしまうが、ティタインに制されてしまう。


「怠ってはいけない」という、ティタインの発言から(さっ)するに、ゼルドがケルベロスになれることが、インペリアルハーツに伝わっているようだ。


 ゼルドは(うなず)くと、ユニムの後ろを歩いた。


 緑黄のゾル、青髪のユニム、黒髪のゼルドそのゼルドを監視するティタインこと青羊のシツジが、順に蝋燭(ろくそく)(とも)された道を進んでいく。


 道は整備されており、石のレンガで、穴全体が舗装されてる。


 石のレンガには、(へこ)んでいるところや、(こけ)が生えているところ、ひび割れているところがある。


 ここでの時間の経過(けいか)を物語っていた。


 ゼルドは、洞窟のようになっているのではないか。と、踏んでいた。


 だが、案外そのようなことはなく、地下深くという事もあり、頑丈に整備されているのが、(うかが)えた。


 道を突き進んでいくと、十字路のような場所に差し掛かったが、十字路には兵隊がいた。


 階段の踊り場のように、兵隊が立っているところはくり抜かれ、足場ができている。


 兵隊達は、それぞれ(よろい)(まと)っていた。


 鎧の上からマントのような物を羽織っており、そのマントには、やはり、黒と黄色が施されており、必ず、林檎の模様があった。


 林檎の模様は、シルエットのように、黒くなっているか、マントに施されている場合は、緑色、もしくは、ゾルの髪色の緑黄色の模様が多かった。


「ゼルド、あれを見るのだ」


 必死にゼルドの肩を何度も叩く。

 ゼルドは、反対方向を見ている。


「はい、あれですね」


 あらぬ方向を指さしては、見たふりをする。


 ユニムが、ねじるように、ゼルドの顔の方向を両手で変えた。


「あ、ああ、痛いですよぉ」

「どうしたんですか? ユニム様」


「虫がいるのだ」


 ゼルドが地面を見てみるが、虫はいない。


「そちらではない。あれだ」


「どちらです?」


 ゼルドが、兵隊の頭上を、目を凝らしてみてみると、頭のてっぺんから、触角が生えているようであった。


 一見すると、装飾(そうしょく)とも捉えられなくはない。


 ユニムは視力がよかったのか、彼らの触角が瞬時に本物であることを見抜いた。


 理由は、至極簡単だ。

 動いているからだ。


 その様子を聞いていたゾルが、歩を少しづつ速める。


 二人と一匹は、てっきりゾルが急いでいるのかと思い、兵隊には礼のひとつもしないでは、ゾルを追いかける。


 兵隊に(ぎょう)()されたが、ユニムは自分が見られているのか思い、(にら)み返してやると、焦点が合わない。

 

 何を見ているのだろうと、視線を追ってみると……


 (リン)()模様の(うず)を手に刻んだ彼女、(れい)(みょう)のネゼロアがいた。


 不思議そうに、首を傾げながら、ゼルドを見ていた。


()()(みょう)(みょう)……」


「は、ゼルド。毒林檎が喋ったぞ」


「青い髪かと思いきや、黒い髪に魔獣がついている。妙なんです。その青羊(ウォーターシープ)は? 緑黄君」


『青シツジ、お辞儀するし』


「ええ、ティタイン様、あなたは、ネゼロア殿ですね? お初にお目にかかります。(わたくし)(ひつじ)執事(しつじ)のシツジと申します。お水、飲みます?」


 シツジは、(こうべ)を垂れる。


「羊は喋らないのだ」


「メェって言わないんですね」


「めっへっへっへ。えほん。はい。青羊(ウォーターシープ)ですから」


「誰が緑黄君だ。ゾルだ。名前覚えてくれ」


 霊妙のネゼロアが、三人と一匹を案内する。


 案内されたのは、食堂のような場所。なにをするつもりだろうか?


 皆、席に案内され、待っていると、ギルドの料理人らしき人物が、香ばしい香りのする料理を運んできた。


 机の上におくと、(よだれ)(したた)りそうだった。


「ご注文のアップルパイにございます」


「いや、頼んでないですね」


「俺のおごりだ。食え」


「え、いいんですか? ありがとうございます」


「あの……」


「なんでしょうか?」


「か、海藻はありますか?」


「残念ですが、ありませんね」


 シツジは、可哀想な顔をする。


『後であげるし』


「ありがたいですメエ」


 ユニムは、その様子を見ていた。

 もぐもぐとアップパイを食べながら、シツジを凝視している。


「このアップルパインおいしいのだ」


「ユニム様、アップルパイですよ」


「それは……」


「なんですか?」


「特別なリンゴを使っていますからね」

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