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TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【階級試験篇】:セミ・デ・グレーヌ・ダムール

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54話 遅咲きの森にて




「えっと、状況が飲み込めないんですが……」



 左を見たり、右を見たり、ゼルドは、落ち着かない様子だ。

 おもむろに、口走ってみたものの、ここは何処だろうか?と、考えている。

 彼からすれば、まるで夢の中にいる気分だった。


「案ずるより産むが易しですね。ゼルドさん、私のことを覚えていますか?」


「もちろんです。覚えてはいるんですが、どこから現れたのか。なぜ、ここにいるのかと、不一致なことが多くてですね」


「そうですよね。そうですね、私としても、あまり表舞台には立ちたくなかったのですが……」


――界十戒が2人、ゼルドさんは、肩の勲章から察するに士正義になっていますね。とんでもないスピード。4カ月は、かかるはずなんですが、どうやったのでしょうか


「まずは、昇格おめでとうございます」


「え? あ、はい。ありがとうございます」


「仕事はされているんですか?」


「いや、まだです」


――これは、珈琲鷲?監視されているようですね。なら、任せてもいいでしょう


「『界十戒(かいじっかい)』のゼクロスさんですよね?」


「はいっす」


「ゼルドさんに、仕事を頼んでもいいでしょうか。もしかして、今は試験の最中でしたか?」


「いえ、そのようなことはないっす」


「わかりました……では」


「あ、ちょっと待ってください。ユニム様も一緒がいいんですが……」


「把握しました」

「――テレトラスポルト」



 ゼルドの足元に、魔法陣が展開する。


 同時刻、ユニムの足元でも魔法陣が展開する。



――おや、天王子と珈琲鷲も届けたほうがよさそうですね



 彼等(かれら)にも、魔法陣が展開される。



「え、なになに」


「な、な、な、なんだし」


「何が起こっているのだ」




〜ここは"遅咲きの森"である〜




 木漏れ日が、地面を照らし出す。小鳥は、囀り、風で木の葉が揺らめく音がする……



 おや、木々が喋っている……?



 見間違いだろう。木が動くはずがないのだから、私達は、一種の幻影を見ているに過ぎない。




『プロメテウス……』




 誰かが呟いた。


 ゼルドとユニムは出くわすと、さっきから、視線を感じていた。

 2人で話し合い、辺りを見回すが、人の気配はない。


 そこにあるのは樹木だけである。


 それから、生い茂った草や、花々。


 目を凝らしてみれば、蟻が木の実や、果実を運んでいるではないか。



「虫ではないか。ゼルド、わたしを助けるのだ」


「大丈夫ですよユニム様、こんなに小さいんですから、それに襲ってきやしませんよ」



 ゼルドはしゃがむと、蟻の行く先を見ていた。

 その黒い行列はどこまでも続いており、嫌がるユニムを背に、その行列を驚かさないように、追いかけては、慌てふためくユニムを宥めていた。



「このアリは、痛そうだな」


「痛くはないと思いますよ。このアリは、ツノアリと言うんです。昆虫には、頭と背と腹。六本の足があって、そこは同じなんですが、このツノアリの雌には、トゲが生えているんです。通称ツノアリ、ツノが1本のアリもいれば、2本、3本生えいるアリもいて……」


「大きいな。なぜ、一匹しかいないのだ?」


「ハチとアリには、共通点がありますが、どちらにも、女王と呼ばれる存在がいます。その女王が子を産むんです」


「女王とな? 見直したぞハチとアリ」


 ユニムは、アリに敬礼している。


「面白いですねユニム様、アリは人間の言葉はわかりませんよ。植物の密でコミュニケーションをとりますからね」


「なに? みつ?」


「おしりから密を出して、その密を触覚で探って、仲間にエサがあることを知らせるんです」


「気色が悪いではないか」


「彼等も生きるのに必死なのです。見た目は違っても、僕たちは、もともと同じだったんです」


「信じられないぞ。わたしは、アリだったのか」


「いえいえ、アリはアリでもユニム様は女王ですよ」


「……そうなのか」

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