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TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【階級試験篇】:クレル

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38話 海内女王アルジーヌの部屋




~【La réponse est ailleurs】ネロの家~




 それからというもの、ユニムとゼルドは、クロノスに家に着くと、空気の入っていない風船のように力尽(ちからつ)き、寝入(ねい)ってしまったそうだ。クロノスとゼクロスが2人を(かか)えて、客人の間で寝かせたそうだ。



 ユニムは目を覚ますと、あまりに広い豪邸(ごうてい)のような家に驚いた。

 少し寝ていた彼女が、早起きし、クロノスの部屋に入ろうとするが、(かぎ)がかかっており、入れなかった。


 ゼルドは、寝るときは人間に戻るようで、寝息(ねいき)も立てずに、(とこ)についていた。

 ユニムの(となり)ですやすやと寝ている。


 ユニムはこの家を探索(たんさく)することにした。朝食はまだ食べておらず、食べ物を探しているようだ。「ぐぅ」とお腹が鳴っては、お腹をさすり、階段を下りていった。


 一階には、リビングが広がっており、キッチン、ダイニングも隣接している。そこから、テラスに行くことができ、「鉄の貴婦人(きふじん)」を一眺(いちぼう)できた。


綺麗(きれい)なのだ」


 と、独り言を(つぶや)いては、また、探索を始めた。幅の広い廊下を渡っていくと、奥に部屋があった。



Argine(アルジーヌ)



「なんて、読むのだ?」


 人間は、思考を整理するときに、独り言を言うという。ユニムも同じ心境なのか。(つぶや)いては、その声が耳に届き「わたしの声だ」と、考えていた。


 ユニムが、扉を見てみると、鍵穴(かぎあな)があり、鍵が必要なのではないか。と考えたが、その必要はなく、ドアノブを回すと、扉が開いた。扉を手前に引っ張ると、ユニムは数歩下がり、「おっとっと」と言いながら、少し()()り、扉をうまい具合に避けると、その部屋を(なが)めた。


 思い出の宝庫であり、誰の部屋かは、わからなかったが、勲章(くんしょう)がいくつも(かざ)られていた。その凄さに驚いていた。勲章は、「(チーマ)」から、「J(ジャック)」まであり、その人物の強さを物語(ものがた)っていた。


 勲章が綺麗に壁に飾られているかと思えば、隣の壁に黒い箪笥(タンス)があり、箪笥の上にはいくつものトロフィーが飾られていた。



Ultimeca(アルティメカ) the winning(優勝杯) trophy】



「読めないのだ」と、そもそも何が書いてあるかもわからなかったが、後でゼルドに()こうと考えていた。


 黒を基調(きちょう)にしたキングサイズのベッドが一つ、先程の黒い箪笥、黒にちなんだ部屋と言われれば、それまでなのだが、ベッドも女の子が使っていたかのように、レースがついており、人形がいくつも置いてあり、グローブや、皮手袋などが床に散乱しており、なにより、目を引いたのは、ダンベルなどの器具が置いてあったり、サンドバッグが天井から(つな)げられていたりと、男なのか女なのかわからないように、部屋の半分半分で境目(さかいめ)があり、床は、黒と白のふかふかなマットで、それが、正方形に交互に並んでおり、市松模様(いちまつもよう)のようだった。


「お洒落(しゃれ)なのだ。可愛いのだ」とユニムが感心していると、ユニムはベッドの下から、あるものを見つけた。


 それは、絵のようであったが、とても鮮明(せんめい)であり、女性がひとり、男性がひとり、少女がひとり描かれていた。


 その男性はあきらかにクロノスこと、ネロであったが、(ひげ)も生えておらず、若い。上半身だけが、描かれている。

 一方女性は、どこかで見かけた顔をしており、もうひとりの女の子はふたりに比べ、背が低かったが、顔が黒いインクか何かで、()りつぶしてあった。なぜなのだろうか。


「そんなものが残っているとはな」


 ユニムの背後(はいご)にクロノスが立っていた。


「うわぁ、びっくりするではないか」


「すまない。その女性が気になるだろう」


「綺麗な人なのだ」


「元妻だ。ネカァという名だった。恐ろしく強い」


「階級はいくつなのだ?」


「し……忘れたな。出会いは不思議だったな」


「どういうことなのだ?」


「ユニム、異世界という言葉は知っているか?」


「なんだそれは」


「セレスティアル以外にも世界があるという意味だ」


「そうなのか……外側のことか?」


「大陸のことだな。それは知っているのか」

「異世界というのは、異なる世界のことだ」

「ネカァもそこ出身じゃないかと思ってな」


「なぜだ?」


「魔力量が桁外(けたはず)れに高い」

「そこから、考えられるのは、魔力を奪われていないということだ」


「魔王と勇者は()()()だと、ゼルドが言っていたぞ」


「勇者は実在した。魔王も同じだ」

「だが、どちらも今では必要とされない」

「現れないだけだろうな」

「魔王に関して、封印されていると思うが………」

「ユニム、連絡のために電気石を出してくれ」


「わかったぞ」



〈ユニムの電気石〉


【連絡先一覧を表示します|】


:ブルースカイ

:ホワイトペッパー


 数分後、ユニムの電気石に変化があった。



【クロノスから申請(しんせい)が来ました|】



 ユニムは、【承諾(しょうだく)する】を押すととクロノスが追加された。


【連絡先一覧を表示します|】


:ブルースカイ

:クロノス

:ホワイトペッパー



「ほう、ブルースカイか………」


 意味深な表情を浮かべては、クロノスことネロは(ひげ)()でている。


「あの”氷帝のセレスト”がいるのか」


「ひょーてい?おじいさんなのだ」


「…そうか」

「どこで知り合った?」


「ゼルドに会った時なのだ」


――オルダインか、あの賢者何をしていた


「連絡してみたらどうだ?」

「『士正義(しせいぎ)のエイリル』になったことだ。(よろこ)ぶだろう」


「わかったぞ」


【ブルースカイと通話を開始します|】


「お、誰じゃ?ただいま留守にしておるが…」


「それは、居留守(いるす)というのだ。留守ではないのだ」

「声がおじいさんなのだ」


「バレてしもうたのう。元気にしとるか」


「わたしは、元気だ。おじいさんはなにをしているのだ」


「ちょっと待てい、連絡してきたのはユニムじゃろ?」


「そうだ」


「なにがあったんじゃ?」


「『士正義(しせいぎ)のエイリル』になったぞ」


「な、なんじゃと?」

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