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TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【階級試験篇】:ストライク・ゴールド
129/148

129話 そこに権物があるならば、権能ありて

               〈ドミニオン〉




そもそも「権」とは?


 権力と同じく他人を支配する力を指す。


 四権英雄は、それぞれが四つの力を宿している。



 四元力


 炎 氷 自然 雷



 炎は氷を溶かす。

 氷は自然を凍てつかせ。

 自然は、雷を発生させ。

 雷は、炎を発せさせる。


 相乗効果という言葉は、ご存じだろうか。


 この一連の文章。



 一に炎は氷より強い

 だが、氷は炎を無に帰す。

 即ち、炎を冷却することも可能である。

 よって、「炎>氷」また「炎<氷」である。



 二に氷は自然を凍てつかせる。

 この時点で、「氷>自然」

 しかし、自然は風や嵐、岩や石を用いて、  

 氷をも砕く。

 ということは

 「氷<自然」でもあるわけだ。



 自然は雷を発生させ

 ということは「自然≧雷」

 なのか?

 いや、それは誤認である。

 正しくは、魔術者の力量により

 「自然>雷」「自然<雷」

 という数式が成り立つ。



 明確に、この四元力が強いとは、言い切れない。


 ユニムは、前腕を指で撫でる。


 すると、体の色がみるみる黒曜石のようになっていく。


 黒曜石化である。


 阿吽は、動じない。


 呼吸を繰り返しては、背中合わせにヴァジュラの剣を構え、その巨大な体から、大きな剣を振りかざす。


 一メートル八十センチはあると思われるヴァジュラの剣をなんなく、振っている。


 ユニム、合掌を行う。


 阿吽の動きが止まる。


 

「――雷雷楽楽」



 踊っては、雷を纏う。


 ならばと、同様に、阿吽も唱え、雷を纏う。


 黒曜石化した黒い腕から、雷の斬撃が放たれる。


 ユニムの雷は、あの四権英雄のネイビスのように蒼かった。


 手を阿吽に向け「蒼雷」と唱えるだけ。


 音は轟き、耳はつんざく。


 相手はなにもしないのか。


 ゆっくりと、背中合わせを解くだけ。


 かと思いきや、アギョウ口を開く。


 大きな口にエネルギー状の球が雷を帯びながら、形成されていく。


 その間、ウンギョウ拳をいくつも繰り出す。


 ユニムは、黒曜石で盾や大きな拳を生成するも、見事な手さばきで振りほどかれては、砕かれる。


 考える暇はない。


 次々に、黒曜石を生成、剣や槍、斧を作り、ウンギョウの拳を止めようとするも、金剛仁王の力。


 その力に及ばないのか、どんどん打ち砕かれていく。


 拳を受け止める。


 ふと、疑問に思っていた。


 先程の声は、どこから聞こえたのか。


 振り返った先には誰もいなかったからだ。


 ウンギョウ、ヴァジュラの剣を一振りする。


 アギョウ、四つん這いになり、口からエネルギー状の咆哮を放つ。


 斬撃と咆哮がユニムを襲う。


 防ぎきれない。と、思ったその時だった。


 

「もう、大丈夫ですよ」



 誰かもわからないが、拳一つで防ぎきる謎の男。


 年上だろうか。


 魔導演武は続行された。


 二対一だったため、二対二が認められた。


 男は、仮面をつけていた。


 顔が見えず、声だけがはっきりと聞こえた。


 どこかで聞いたことのある声だったそうだが、少し風変りだったという。

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