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TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【階級試験篇】:ダウト・コモンセンス
124/148

124話 晶燦々

           〈ラディアント・ブリリアント〉




 あの黒曜石が、いとも簡単に打ち砕かれる。

 目が点になる。


 動けず、群れを成した羊に囲まれたようだった。

 彼女は、動きを封じられる。


 彼女が相対するのは、幸運(こううん)志知(しち)の女。

 スジョン・クリスタ。


 クリスタの能力。

 魔人:水晶羊〈クリスタルシープ〉


 その魔人は、青羊の希少種。

 モース硬度 七



 水晶にもいくつか種類がある。

 クォーツと呼ばれるが、水晶の種類によっては、水晶羊を覆う色は違うとされている。


 なぜならば、無機質と有機質には、絶対的な法則がある。


 ――色である。


 無機質には、必ずと言っていいほど、色が少ない。

 単色であることが基本中の基本。

 コンクリートやアスファルトは、灰色だ。

 これは、不純物が混ざってない。

 もしくは、人工的に造られた何よりの証拠だ。


 一方で、緑あふれる自然はどうだろうか?


 草一つにしても、緑一色ではない。

 濃い色や、薄い色、腐ったたり、枯れたりすれば、黄色く、茶色くもなる。

 先程彼女は、幼い頃に描いた。

 誰かの木の絵画を見ている。

 

 茶色と緑色の二色しか使われていない。


 モダンで、現代的で、なおかつ抽象的だ。


 本来なら、十二色以上の色を用いて、塗るべきかもしれない。


 ブルースカイ/セレストもアレ=ドレも同じ意見を言うだろう。


 自然や天然物がそうであるように……



 実は、水晶の正体は「二酸化ケイ素」である。

 紫が見えれば、光を反射して、白が覗く。

 紫ひとつとっても、濃い色や薄い色、淡い色や鮮明な色。

 そのどれもが、瞳に映る。



 強度に注目してみる。

 その硬度、黒曜石より硬く、黒曜石で覆われた拳をものともしない。


 スジョン、優勢。


 いつの日だろうか。

 誰かに語られたアメジストデザート(紫水晶砂漠)の話。


 アダマス王国の南東に位置し、紫色の砂漠だが、全てアメジストかと思いきや、アメジストコーラルの残骸である。


 アメジストコーラルの由来は、美しい紫色から取られた。

 深海に眠る藤色(ふじいろ)(サン)()(サカナ)(カニ)(カラス)が運ぶ。



 魚は、浅瀬に

 蟹は、砂浜に

 烏が、砂漠に


 運んでくる。

 


 彼女が、光明のレナから渡されたネックレスは、紫水晶〈アメジスト〉で(こしらえ)えた物である。


 古代より、霊的、高貴な石とされ、彼女の首元に光っているのが、見受けられた。


 スジョンは、目を奪われた。



---



 ある時、スジョンは土砂降りの中、傘も持たずに馬車を待っていた。


 衣服は汚れ、通り過ぎてゆく人々から、軽蔑(けいべつ)(あわれ)みの目で見られる。


 穴にでも入りたい気分だった。


 突如として、雨が降り止む。


 何事かと思い上を見上げる。


 ブロンドの髪の男が、赤いジャケットで天を(さえぎ)る。


 名前もわからず、雨が降り止むと、去っていった。


 後ろから見ると、びしょぬれになった赤いジャケットを肩から提げていた。


 目に焼き付いた銀色の六芒星(ろくぼうせい)


 忘れもしない。


 彼の(うしろ)姿(すがた)を。

閑話124.5話 찬란히 빛나는 (チャルランヒ ピンナヌン)



スジョン・クリスタは外海出身である。


国の名は「ハンくに


北東に位置する国である。


大昔三つの国に分裂していた。



四千年以上の歴史を持つ


英雄之國〈インションジーグォ〉


その国に隣接している。



ハンには「ハングル」という言語があり、独特な字体でも知られている。


例えば、英雄なら……영웅 (ヨンウン)となる


他にも



こんにちは 안녕하세요 (アニョハセヨ)


ありがとう 감사합니다 (カムサハムニダ)



次回までどうぞよしなに 다음에 또 잘 부탁드립니다

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