みちに あきかんが おちていました
絵本用に書いたものなので細かい描写はありません。
ここは とある ちいさな まち。
あるひ、みちに あきかんが おちていました。
「だれだ! こんなところに あきかんを すてたのは!」
とおりすがりの おじさんが どなりました。
「ぼくじゃ ありません」
ジョギングちゅうの おにいさんが いいました。
「わたしも ちがうわ」
いぬの さんぽを していた おねえさんも いいました。
「となりまちの ひとかも しれないね」
かいものがえりの おばさんが いいました。
ちょうど そこへ となちまちの ひとたちがとおりかかりました。
さあ、まちの ひとたちは かんかんです。
「どうして こんなところに あきかんを すてたんだ!」
「ちがう! わたしたちじゃない!」
「ぼくたちの せいに するな!」
となりまちの ひとたちも おこっています。
「よその くにの ひとたちかも しれないぞ」
ギターを もった おにいさんが いいました。
そこへ ちょうど よその くにの ひとたちが やってきました。
さあ、くにじゅうの ひとたちは かんかんです。
「ひとの くにに あきかんを すてるな!」
「チガイマース! ボクタチハ ソンナコトシマセ―ン!」
「アナタタチノ アキカンデショウ!」
よその くにの ひとたちも おこっています。
「もしかして うちゅうじん?」
おとこのこが いいました。
ちょうど そこへ うちゅうせんに のって うちゅうじんが やってきました。
さあ、ちきゅうの ひとたちは かんかんです。
「ぼくたちの ちきゅうに あきかんを すてるな!」
「チガウ! ワレワレハ ステテナイ!」
「オカシナコトヲ イウナ! ワレワレハ ソンナ ジュース ナンカ ノマナイ!」
うちゅうじんも おこっています。
「じゃあ、だれが こんなところに あきかんを すてたんだ!」
「だれだ!」
「だれだ!」
「だれだ!」
「だれだ!」
「きみか!」
「おまえか!」
「あんたか!」
「あれか!」
「それか!」
「これか!」
「どれか!」
「ちがう!」
「ちがう!」
「ちがう!」
「いたい!」
「くさい!」
「やめて!」
そのときです。
いっぴきの いぬが あらわれて⋯⋯。
かきかんを くわえて⋯⋯。
ごみばこへ すてました。カラン⋯⋯。
いぬは そのまま どこかへと いってしまい、まちの さわぎも おさまりましたとさ。
おしまい。
読んでくれてありがとう。