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星歌とヴィオリカ  作者: やつさき
第1章 鬼と鼠
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第8話 怨みつもらせ報復誓うものと幸福謳歌するもの

最近期末テストがあって勉強をしていたため、投稿が出来ませんでしたが終わったので、投稿出来なかった分、ガンガン投稿しまくります。

 とうとう、10歳の誕生日となった。メイドさん達や、両親で準備をしているらしいから、その間、ギルドの簡単なクエストや、訓練をして、暇を潰す。そして、晩御飯の時間になったら帰ってくる。


 とりあえず、ゴブリンの依頼と、スモールボアの依頼それと、アクアラビットとと言う魔物の討伐をする。


 ゴブリンとスモールボアの依頼は、前と同じように、テキパキと進めていく。


 よし、次はアクアラビットの依頼だ。アクアラビットは、ゴブリンやスモールボアと違い、その名の通り、水魔法を放ってきて、すばしっこい大型犬サイズの兎だ。


 音感知を使って探索して行くと、意外と簡単見つかった。ぴちゃぴちゃと言う足音が聞こえるためだ。


 今まで、スモールボアやゴブリンは、闇討ちとかで倒して来たけど今後も見越して、アクアラビットにタイマンを挑むつもりだ。総じてラビット系の魔物は騎士道が強く、群れであってもタイマンで挑んでくる。


 軽足と、隠れ身は解除しアクアラビットの前へと出る。すると、アクアラビットはタイマンをしに来たと理解したのか、


『きゅぅるぅー!』


 と雄叫びのような鳴き声を上げ、臨戦態勢に入る。


 アクアラビットが牽制で水球を放ってくる。


 が、左にステップして、回避する。しかし足に木の枝が引っかかって転んでしまった。


 やはり森は足場が悪いな。


 と悪態をつきつつも、素早く体制を整える。最近覚えた鑑定眼と言うスキルで、アクアラビットがレベル3で、自身より格上な事が判明しているので、鬼気を巡らせ、スキルの鬼門を発動する。


 鬼門は、相手が自分よりも格上であればあるほど、総合的な能力や、ステータスが上がる。という効果で、相手に鬼門状態を付与する。


 逆に格下に鬼門を発動すると、相手が格下であればあるほど総合的な能力やステータスが上がって、今度は自身が鬼門状態となる。


 という激強スキルだ。そしてアクアラビットに向けて鬼技の雷小鬼を発動し、アクアラビットに向けて某ポケモソの電気ショックのようなのを放つ。


 するとアクアラビットがダメージとともに、麻痺して動きが少しの間止まったため、電気のネットを手から放ち捕獲する。


 そして首チョンパ。と行きたかったが、そうは問屋が卸さない。うなじの辺りに水魔法をかけられた。最悪や・・・めっちゃ冷てえ。


うわ!あぶね!アクアラビットはちょっとした角があるんだがそれをこちらに向けて突進してきたのだ。


土魔法のマッドショットを放つ。アクアラビットがひるんだため、今度こそ首チョンパ。ふー疲れた。


 倒せたため、討伐証明の魔石と、水の魔力が篭っている謎の器官を取り、アイテム袋に入れた。


よし、そろそろ帰る・・・いや、帰れそうにないか。音感知を確認すると、物凄い轟音がこちら側に向かってきている。


そういえば、このクエストを受ける時に教えてもらったんだが、ここら辺には主にラビット系の魔物やロックバードなどの鳥系の魔物やその卵などを捕食する、ベルゼスネークという魔物が居るらしい。


このベルゼスネークはBランク級の魔物らしい。つまり、冒険者で言えばベルゼスネークを倒せてやっとBランク級になれるのだ。Bランク上位の冒険者だと片手で抹殺できるとどこかで聞いた。


普通のベルゼスネークならばそうなのだ。普通の、と言ったことから分かるだろうが、ここのベルゼスネークは普通では無いのだ。


魔物には同じ種類でも、全く異なる魔物がいる。独自に進化したユニーク個体や、亜種、希少種、2つ名個体、数多の戦いを乗り越えた魔物となると、歴戦個体ともなる。


先程言った通り、様々な個体がいるのだが、ここに住むベルゼスネークは2つ名個体だと、受付の人に聞いた。2つ名は天罰降りぬ諸悪の愚地(オロチ)だそうだ。2つ名は人がつけて呼んでいるとかではなく、ステータスボード的なのに称号として現れるそうだ。


そして、2つ名からもわかる通り、悪いことしか起こさないから忌み嫌わていて、確認すると賞金もかけられていた。


で、話を戻すとアクアラビットに引き寄せられた説が濃厚だ。ぶっちゃけ俺解体とか下手だし、血ぃ出しまくったから来たんだと思う。自業自得だな。


さて、現実逃避している間にめちゃ近くまできた。なんか木々を薙ぎ倒す音が聞こえるもん!!


『ぐぁ"ぁ"あ"あ"?!!?!!!!!』


うわ!うるさ!こりゃ嫌われるわ。ベルゼスネークの身体を見てみる。全体的に黒っぽいが、所々に金の装飾的なのも着いている。んで、頭部を見ると、首が2つあり、目は赤色なのだが、クッソムカつく目をしている。なんか俺のことを弱者として嘲り笑うような視線だ。その通り、弱者なのだがね。


んで・・・クソでかい。大型自動車ぐらいらあるんでなかろうか。いや、あるだろこれは。


ふっー、暑いな。こんだけ巨体なんだから発する熱気を凄まじいのだろうか。


まぁ、やるべき事は1つだ。逃げるんだよォ!!


全速力で森の中を走るというか、ジャンプしまくる。木の太枝とかをつたったりして逃げまくる。もちろん足止めとして泥固めなども連発しまくる。後ろを見ずにただ全速力で走る。


けど、何にしろ無鉄砲に逃げている訳では無い。計画もちゃんとある。なんとこの先には、崖があって、その下に池があるのだが、ただの池じゃあないんだ。この池は馬鹿デカくて、ヌシがいるんだが、そのヌシのせいで池が溶岩を疑うレベルで熱くて、独自の生態系を作っている。


んで、その池に此奴(ベルゼスネーク)をぶち込む。完璧だな。この世界の生きとし生けるもの全て俺の手のひらで踊ってらァ。


すると、崖が近くなって来た。ここらで減速する。ベルゼスネークが、食ってやると言わんばかりに歯をガチガチと言わせている。


ここで、俺が頑張って頑張ってクソほど頑張って覚えた聖魔法のスピードアップのバフをベルゼスネークに施す。


聖魔法を覚えるために夜な夜な聖典を読んでいたのだが、俺は聖魔法の才能がなかったのと、聖気が全く無かったのでめっちゃ聖典を読みまくった。所々ミスるだろうが聖典を見ずに音読出来るかもしれない。


おっと、あと40メートルくらいで崖だ。集中しよう。30メートル!20メートル!10メートル!5メートル!今だ!崖際で急停止して、右からちょっと大回りにUターンする。


ベルゼスネークは慌てて急停止するが、後ろに周りこまれた俺が仙気を全ブッパしてベルゼスネークを吹き飛ばす。


落ちたな(確信)


崖を見下ろすと、ベルゼスネークが落下中だ。


すると、ベルゼスネークがこちらに視線を向けて来た。怨嗟を飛ばすような恨みのこもった視線だ。その視線に俺は文字通り蛇に睨まれた蛙のようにすくんでしまう。


ふん!ビビらせやがって!どうせあの池に落としたんだし死んでるだろ。


さっさと街に帰ろう。


あー!やっとこの街に帰ってこれたよ!冒険者ギルドに言ってアクアラビットの素材を渡そう。


そういえば、ベルゼスネークに追いかけられていた時はとても時間が長く感じたが、後で確認すると1分ちょっとしかたっていなかった。


 受付嬢へと討伐証明の素材を渡すと、めっちゃニコニコの前の様な鋼鉄の営業スマイルではなく、本心からの笑顔で、


「その歳でアクアラビットを倒せるなら、将来はものすごい大物になるかもですね!」


 と言われたので


「いえ、それほどでも無いですよ。そろそろ家に帰らないと行けないので。」

 

 って返した。見込みがあるって分かったら、鋼鉄の営業スマイルから本心の笑顔に変わるんかな?これがこの世界のキャバクラか・・・ともかく家に帰ろー。そろそろ時間やー、鐘が鳴るぞー。



 家に帰る。この玄関を開けたら、両親や、メイドさん達が帰っているのかなと思うとワクワクが止まらない。玄関を開けると・・・



「「「「「10歳の誕生日おめでとう(ごさいます)!!!」」」」」


 と言われた。料理は物凄く豪華で、味鴨(あじがも)というとても味わい深いらしい鴨のスープ、ふわふわパン、タツボアという竜細胞の入ったイノシシの丸焼き、アブラトラウトのムニエル、俺は飲めないけど、高級そうなドン・テキーラ印と書かれているワインがある。そして誕生日ケーキも、この光景を見ると、転生前と現在どちらが良いのだろうか・・・と疑ってしまう。

「ありがとう!!」

 と返す。

 顔から思いっきし喜色が滲み出ているクロードが


「誕生日プレゼントに、これをやろう」


 といい、とてつもない魔力を感じる杖をニ杖くれた。今までは木製の杖を使っていたからめっちゃ嬉しい!


 片方は、黒い長杖で、先端がぜんまいのようになっていて、丸まっている所に歪む様に穴が空いてて、その穴の中心で謎の力で野球ボールを、ひとまわりふたまわり大きくしたような碧色の魔石が浮いている。


 もう片方は、白い短杖で、先端に穴が空いており、そこを覗くとちっちゃいが、とてつもない力を感じる淡い紫色の魔石が入っている。


 次は、身体中から喜色を滲ませたロザートが、

強い魔力を感じる黒鉄のような金属でできた鉄輪っかと、同じく強い魔力を感じる黒鉄のような金属で出来た刀や槍や鉤爪など色とりどりの様々な武器を貰った。


 聞いてみると、この武器達は使用者とともに成長し、使用者が望むように進化したり、カスタマイズできるらしい。


 黒鉄の鉄輪っかは、この中に武器を収納することができ、持ち主が望んだ武器を中から瞬間的に取り出せるというとんでも性能だ。


この魔道具は、持ち主に登録することで、常に持ち主が武器を取り出したかったり、取り出しやすい所を浮遊するという性能のようだ。この魔道具の名前は『黒鉄のアイツ。』というらしい。


 次は、メイド達からアイテム袋の上位互換である、アイテムボックスの魔法のスクロールを貰った。


 魔法のスクロールというのは、魔力を込めて使用しただけで、魔法を習得できるというトンデモアイテムだ。


 そして、アイテムボックスというスキルは、料理等を入れても冷めてしまったり、食材だと腐ってしまったり、と言うことが無くなる。その上、容量は無限というスキルだ。


 ていうか良いのかな・・・


 こんな多分国宝クラスのものまで貰ってしまって・・・


 それに、とても美味しい料理も・・・


 思わず涙が溢れそうになるが、ぐっと堪える。



 その時にふと思った。



 ああ



 なんて自分は幸せ者なんだろうと・・・



この話を書いてる時に、家に帰ったら誕生日を祝われるかと思ってたけど、実はメイド含めた家族が何者かに惨殺されていて、誕生日プレゼントだけ持って逃げてそのまま入学試験に挑む。


というのを考えたけど、やっぱ辞めました。理由は家族達にはまだ役割があると言うのと、書きたい話があるからです。まぁいずれ主人公の家族は殺します。



スキル:鬼門



東洋のとある島にて、1人の鬼がいた。その鬼はか弱かった。


だが、とある強者にむかい挑戦し続けた。何度も何度も狂気じみた行為を繰り返す内に、運が良かったのと、その強者の老衰のお陰で勝ててしまった。


そしてまた、強者を探した。来る日も来る日も強者を探し続けた。だが、あの日挑み続けた強者以上に強い存在はいなかった。


そう、なぜならあの日倒した者が島で1番の強者だったからだ。だがそれでも鬼は強者を探し続けたのだ。


その強者を探す旅で、またその1人の鬼は強くなってしまった。


それこそ、挑み続け、運と老衰のお陰勝てたあの強者以上の強さへと。


そしてある日、その鬼は悟ってしまった。もうこの島に、自分以上に強い存在は居ないのだ。


と、その寂しさ故なのか、郷愁に駆られるかの如く、強者に挑み続けた場所で、その鬼は退屈に過ごした。


だがある日、1人のニンゲンという生き物がやってきた。そのニンゲンは『佐野無歳』と名乗った。


このニンゲンならば、刀をを二刀流にして構えているんこのニンゲンならば、と思ったが、そのニンゲンは弱かった、か弱かった。


だが、そのニンゲンは挑み続けた。来る日も来る日も、そしてある日自分が病魔に襲われてしまった。そのニンゲンは今日も挑んできた。


ニンゲンは、島の中央にある特別な木を削って作られた木刀を携えてきた。


そのニンゲンも強くなっているため、ある程度本気で戦っていたのだが、病魔と不幸の積み重ねによってそのニンゲンが『岩流れ』と発した瞬間細切れにされてしまったのである。


佐野無歳伝 巖龍島の戦い


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