第50話 トーナメントその3:☆星☆金☆塊☆
試合を終え、控え室に向かう。俺の所に来る記者は居ないようだ。シャミガにはいっぱい居る。ストロエリーの時のが効いたみたいだ。
記者をあしらったシャミガがこちらへ向かってくる。
「先程の試合はありがとう。まだまだ研鑽が足りないと痛感させられた。出来れば色々と語り合いのだが、大丈夫か?」
「ああ、俺の師匠的なのが居るし、一緒に色々反省点とか聞こう。」
「感謝する。」
シャミガ、控え室のサリットの元へと向かい、色々と反省点を聞く。シャミガにも色々言って欲しいと頼むと、別に弟子って訳じゃないだのなんだの言われたが、結局アドバイスしてた。このツンデレめ。
そんな事をしていると、もう呼ばれた。早いな。もっと休憩してえよ。いや身体的な疲れはないけどさ、精神な疲れがさ、あるんだわさ。
実況に呼ばれた。行くか。
「皆さん来ましたよ!もう準決勝です!早いですねえ。トーナメントに選ばれるような生徒はもっと居ないのかあ?
準決勝、まずはコイツ!ヴィオリカ!1試合目も2試合目も血塗れでの勝利。その姿と身体が小さい事から血液小僧とかいうあだ名が付けられているゥ!あと、2試合目での黒い煙がなんか怖いと不評だあ!」
なんか俺結構評価低くね?
「そんなヴィオリカの相手はコイツ!付けられたあだ名は金の王子!アルデハルマー!ずっと鎧が金ピカなまま勝利し続けている!
派手でかっけえと男からは人気だが、女子からは顔は良いが鎧が悪趣味と言われている!もう既にファンクラブあるくらい顔が良い!ヴィオリカには顔を集中的に殴って欲しい!」
俺も紹介に釣られ顔を見る。よし、顔を重点的に殴ろう!イケメンだコイツ!
「対戦よろしく☆」
「よろしく。顔を重点的に殴るよ。」
「言うね。「試合開始ィ!!」精々頑張rグハォ!」
もう試合は開始している。合法だ。ゴングがなったのにペラペラ喋っているから顔面を殴られるんだ。なんか女子の悲鳴聞こえたんだけど。殺るしかねえ。
黒鉄のアイツから片手剣を取り出し、吹っ飛ばされたアルデハルマーに向かって横に一閃。
「そうはいかのきんたま☆」
鍔迫り合いになったが、力で押し切る。はい余裕。
「語尾に☆付いてるのがなんかムカつくんだよお☆!」
「キミも付いてるよお☆!てかゴリラパワーじゃん☆!」
このまま力任せに腹に致命傷を入れる。・・・左手からも剣が来る!
ケンカキックでアルデハイマーを吹き飛ばし距離をとる。
「アチャー。初めて泥付いちゃった☆(´・ω・`)ねえねえ、びっくりしたかい?僕は双剣使いなのさ☆」
力じゃなくて技か。結構楽しい戦いになりそうだ。
「実は俺も。」
黒鉄のアイツに片手剣を収納し、大鎌と両手剣を取り出し、左手に大鎌、右手に両手剣を握る。どちらも長物で重量もあるし、大鎌は遠心力で振り回されやすい代物だから二刀流には向かない筈だが、鬼気、仙気での身体強化やその他諸々の能力と組み合わせると、中々トリッキーな戦いが出来る。
「そんなの2つも持って二刀流って言っちゃう☆?もしかして馬鹿にされてたりするのかな!」
アルデハイマーの獲物は、右手に典型的な金ピカの片手剣と、左手に片手剣より少し短めな金ピカのレイピアの二刀流だ。
レイピアの刀身を右腕に置き、片手剣をこちらに刺してくるような構えで突進してくる。
「馬鹿になんかしてないさ!」
大鎌の刃を地面に突き立て、そのまま大鎌の刃が突き刺さった部分を起点に地面を右回りに滑り、ちょうど半回転した位置にアルデハイマーが来るよう調整し、両手剣で左足を斬る。
左足を切った後、低姿勢からのハイキックでまた距離をとる。
大鎌を空中に固定し、両手剣を投げつける。アルデハイマーはしゃがんで避けるが、距離を詰め、大鎌を縦に振る。
「チッ」
右手の片手剣で大鎌を流され、レイピアでの突き刺しが襲ってくる。流石にそう簡単には行かないか。丁度口の位置だ。良い突きだと思う。俺は敢えて口を開ける。
「?!クッ!」
何を思ったのか、突きを途中でやめ、バックステップした。
「どうした?何で辞めたんだ。別に俺には歯で受け止めるぐらいしか思いつかなかっただけだ。何か他にあると思ったのか?まあ、そんくらい完璧な突きだった。」
「うん☆…………ごめん、馬鹿にしてるの?なんて言っちゃって☆…………」
こころなしか☆もしょげているような。
「気にすんな。それよりも早く続きを!」
そう言い、鎌を構えて突進する。ダジャレじゃないよ?
「うん☆!うおおおお!頼む!成功して!☆星☆金☆塊☆!!」
地面に両手を置き、膝もつける。あれ?このポーズ土下座じゃね?成功を願うあまり土下座なってるじゃん。
「デッカ…………」
空を見ると、金ピカの☆が襲って来ている。どうしよう、これ分解鎖形使わねえと避けれねえよ俺。壊すのも結構無理そう?
「さて、これが避けれるかな☆って...えェェェェ?!ちょ、ちょわ☆!」
先に戦闘不能にして勝つしかねえ!
「殺すぅ!お前はここで殺さないと、駄目だァ!!」
持っている鬼気と仙気を全開にして身体を強化し、思いっきり足踏みをする。その衝撃でアルデハイマーが転ぶ。
鎌を振り下ろそうとすると、
「ヒィッ!降参こうさ〜ん☆!!!」
アルデハイマーの首にかすり傷だけつけて刃が止まる。
「俺の反射神経に感謝しろよお前。そんな事はどうでも良い。降参は分かった。で、お前これどうすんの?解除して?」
アルデハイマーがニヤリと笑う。
「ゴメンね☆ムリなんだ。☆星☆金☆塊☆はその威力とコスパと術者には効果なしというのを引き換えに、戦闘中に土下座のポーズをして、5パーセントの確率で発動、途中で解除は出来ない。
そういう代物なんだ☆」
「なんだそのクソ技は!!ってアレ?」
何か綺麗さっぱり無くなってる。ん?ミレフリアが居るからあの人が消したのか、ヤバいな。多分片手間だよな。やっぱあの人の強さは一種の天井と考えた方が良いのかもしれない。
「アルデハイマーが降参した!これにて準決勝はヴィオリカの勝利だー!!あの☆も校長が消したし問題は無い!なんと!初めてヴィオリカが血塗れじゃないぞー!」
この実況してる奴はトーナメント終了後ボコす。血液小僧とかいうあだ名があるとか言ったのも忘れてないからな。
次で決勝か。相手はやはりギングだろうな。アイツとは修行で何度も対峙しているから手の内は互いに知り尽くしているし、魂魄闘技は禁止だから厳しい戦いになるな。




