第48話 新入生トーナメント:他他他丹他丹丹他丹丹
職員に案内され控え室に向かう。俺は初戦だからもう行くことになっている。
「もうすぐ時間だ。」
「はーい。」
ストレッチを入念に済ます武器は何を使おうか。鬼仙魔から頂戴した金棒でも使うか。黒いアイツのセットも完了。
フィールドに向かっていると、司会の声が聞こえてくる。
「皆さん!新入生トーナメント初戦がはじまるぞぉ!!まずはこいつだ!名前はストロエリー・プレデリックその甘いマスクの下に隠された実力はいかほどかァ!!」
名前を呼ばれたらフィールドに出る見たいだ。甘いマスク・・・イケメンなのか、ボコす。てか司会の人あのテンションで疲れないの?お、呼ばれそう。
「ストロエリーの対戦相手はこいつだ!新入生の中で唯一能力が基準を超えて確定でこの学園への入学が決まった猛者!ヴィオリカ・シャトーカノン!S級冒険者2人を親に持つが、遺憾無くそのサラブレッドぶりを発揮できるのか!」
フィールドに出ると、物凄い歓声が飛んでくる。すんげー。あ、いやメイド組とクロードロザート居たんだけど。クソ目立っとるわ。ペンライト振り回してるよ。
対戦相手は・・・ああ確かに甘いマスクだ。なんというか、可愛い系?翡翠のような髪色と眼が似合っている。
「よろしく、ストロエリー。」
「よろしくね!ヴィオリカ君。噂は聞いてるよ。全力で挑むよ。」
「ああ。」
「挨拶は済ました様だ!それじゃあスタートって行ったら戦闘開始だあ!念の為ルールを言っとくと、長引くからヒールとかの回復系のは禁止、それ以外は何でもアリ!どちらかが死亡、降参、または意識を失えば終了。ちなみに、死んでも理事長が生き返らせてくれるから安心しな!
・・・
・・・
スター……トって言ったら開始だからな。分かったか?ぷっどっちも引っかかってやがるwそれじゃあスタート!」
あの司会殺す。入学したら覚えとけ。声的に学生だよなあ?顔覚えたかんな?
「先手は僕が行かせてもらうよ。」
ストロエリーがダガーを手に突っ込んで来た。速いが、ギングとかのが速い。ダガー相手に金棒とかはあんまよろしくない気がするが・・・うるせえ!使いたいもん使う!
「手ぶらで大丈夫なのかな?もしかして僕舐められてる?強い行くよ。他他他丹他丹丹他丹丹」
「にょうぇ」
いきなり目の前に現れやがった!なんだ?空間操作系の能力使うのか?ヤバイヤバイヤバイ。舐めすぎた。
黒いアイツから金棒を取りだし金棒を構える。刺さる直前のダガーを刀身の腹の部分を左手で払い、ストロエリーを修行だ手に入れた仙力の発勁というスキルで吹っ飛ばして距離を空ける。
「確かに舐めすぎちまったぁ!もう油断しねえよ!」
金棒を構えてストロエリーに突進する・・・振りをして金棒を投げる。鬼仙魔と同じムーブだ。鬼亜門で引き寄せられるし、鬼仙魔と同じムーブが最適だと思う。
案の定ストロエリーが金棒をすり抜けたか知らんが突然目の前にあらわれた。
「織り込み済みだ!」
右手に黒鉄のかぎ爪を装備しストロエリーにビンタするようにして攻撃する。
「駄目じゃないか♡そんなに乱暴しちゃあ♤」
なんかストロエリーとろんとした目になってるしなんか変なこと言ってるしなんか攻撃透けてるし語尾にハートとかスペードついてるし・・・
「コイツ変態だぁ!」
鬼亜門で金棒を空いている左手に引き寄せる。今度はクリーンヒットした。いやまあ初見でこれ避けれたら凄いが!俺回避したけどね!!!⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
「ぐはっ。いいねいいねいいね♡」
ストロエリーが後ろからの衝撃でこちら側に吹っ飛んだのを利用して急に抱きついてきた。
「僕の事、男と思ってる?実は女の子なんだ♤ほら、抱きついたから胸の感触伝わっただろ?」
「嘘つけ!何がとは言わんが硬ってえのが当たってんだよ!」
「バレたか♧これパッド♢ひとつ訂正しておくと、当たってるんじゃなく当ててるんだよお?♡」
「離れ...ろぉ!」
仙気で吹っ飛ば...せてない!
「カハッ!」
ダガーで腹を刺される。痛みで金棒を手から落とす。まずい負ける。セツナとギングに大口叩いちゃったよ俺。サリットにも優勝すっから見とけとか言っちゃたよ俺!この際痛みはどうでもいいが後で煽られるのが嫌だ!
「噴火!」
クソッヒール禁止なのが恨めしい!使わせろよお!仕方ない仕方ない仕方ない。良し仕方ない。うん、落ち着いた。だがどうしようか。どうせ謎のスキルかなんか知らんが能力で逃げられるんじゃないのか?多分……これでいけると思う!効かなかったら終わり!
「精霊の手!起動!」
左手を自ら食いちぎり精霊の手を起動する。痛ってえんだよこれえ……効果時間終わったらただの手に戻るから毎回やんなきゃいけねえの腹立つ!
「逃げられない……?!クソ。」
ストロエリーに腹の刺された部分を蹴られ拘束を解除してしまう。
「折角距離詰めたのになあ……てか、それ何?精霊の手とか言ってたけど。なんでこんなに僕がびっくりしてるのか教えたげる
魂魄闘技は知ってるよね。この能力、それなんだよね。名前は踊らない夜を知らない。」
「マジか、どおりでただの魔法かスキルにしちゃあ強すぎるって思ってた。」
「僕の踊らない夜をしらないを突破出来るとか何それ?出鱈目すぎない?手を切らなきゃいけないっぽいけどね……
予想以上だぁ……ゾクゾクしてきちゃったあ♡」
相手が持ってるのか……じゃあ俺も……ってダメだ。俺サリットの課題あんじゃん。崩鎖点使えねえよ。
「それあるなら勝敗怪しくなってきちゃったなあ……本気の本気の本気でいくね♤試合開始前は全力って言ったけどね、やっぱ本気。気持ちが籠ってなきゃ面白くない。」
ん?あれ?
「魂魄闘技あるのになんで鑑定された時にバレなかったんだ?」
「ああ、隠したんだ。君、知ってるって事は持ってる側なのね?使わないの?僕は本気の本気の本気で行くって言ってるのにそっちが出し惜しみとかするならキレるよ?」
「諸事情で使えないんだよ。それに……この手だけでも勝てる。」
「ふん、抜かせ。」
本気でいく。とは本気のようだ。魂魄闘技を連打してきている。正直どっから来るかは分からん。勘で避けて勘でカウンターするしかない。
観客はほぼ学園の関係者か生徒の保護者なので、後で戦いの分析でもするのか集中して観戦している。そのため、試合開始前とは打って変わってこのようなお祭りごとには珍しく辺りは静寂に包まれている。
そんな静寂の中で、ザクッザクッというヴィオリカにナイフが突き刺さる音が周囲にこだまする。首などの急所は守れているのでまだ意識を失いはしないが、身体がどんどん傷だらけになっていく。
「左手貰ったぞ!ッチェ♡」
精霊の手にダガーが弾かれたようだが、さっぱり分からん。今攻撃されてたのか俺って感じだ。舌打ちの音にまでハートついてんのやっぱヤバいってこいつ。
「その能力は、強すぎる。結構消耗するから長時間攻撃透けるようにしたりすんのは不可能だろ。その証拠にさっき抱きついて来て俺が噴火を放った時、最後の方は当たっていた。身体が炭化しているしな。」
「それが分かったからなんだい?消耗がどうとか言うなら、消耗しきる前に君を倒せばいいと言う話なだけだ。」
「消耗が大きいだけじゃない。何か、何かその能力には条件がある筈。強い、あまりに強すぎる。そうじゃなきゃ成り立たない筈だ。」
「ふーん♤」
見極めろ、見極めるんだ。さもないと負けるぞ。ヴィオリカ・シャトーカノン!
さっきから色々考えてるが、どっから襲ってくるとか法則性は無いと思うが……襲って来る方向以外で何かあるのか?俺の消耗の速度が速い!時間は無いんだ!
今は昼近いため。太陽はほぼ真上にある。円形のフィールドはローマのコロッセオのような構造になっていて日差しが入ってくる。
ん、ちょっと暗くなったな。雲でもかかったのだろうか。すると、ストロエリーが現れる。
「僕の速度に反応出来なきゃ勝てないよ。今までので散々分かったよね?僕戦うのは好きだし殺し合うのも好きなんだけど、やっぱ、死ぬのは怖いでしょ?僕の友達♡が戦うのトラウマになっちゃってもう戦え無くなるとかあったらいやだしね。降参してくんない?」
「いやあ?する訳無い。それに、今勝ち筋が見つかったところだ。」
「そうかあ……太陽の伊吹!バフもかけた事だし、殺すね♤他他他丹他丹丹他丹丹」
空中に光の玉が浮き、フィールドが優しい光に包まれた。
ストロエリーが四方八方から襲ってくる。だが、全て読み切りガードする。右手も噛みちぎり、精霊の手にする。痛いが我慢。やっぱ、大体能力は分かったんでなかろうか。
「わーかっちゃったあ分かっちゃったあ。」
ストロエリーが次来るのは……8時の方向だな。ビンゴ!焦ってるのか急所狙いになってカウンターしてくださいと言わんばかりの攻撃だ。
ストロエリーの腕を右手で掴む。そのまま左手で首を掴み、持ち上げる。いやスマ〇ラのガ〇ンの横Bやないかい。
「俺の勝ちだ。」
「ああ、負けたよ。大体は分かってるみたいだし最後に能力の種明かしをしたいから殺すのは待ってね?僕の能力は光源から僕以外に見えない極細の糸を出す能力だ。
ショボそうに聞こえるだろう?だが糸がなんか凄くてね。糸をちょいと引っ張ったら糸が光源から抜けるんだ。
その糸が僕がターゲットした人の周辺を高速で舞うように飛び始めてね。その糸の軌道を僕は再現することができるんだ。だからあんなに速いんだ。糸をもう一本抜けばその糸の軌道にも途中で乗り移れたりするから、それを利用して四方八方から攻撃してたんだ。
ちなみに、攻撃を透けさせることが出来るのはそれの応用。軌道を再現する糸を高速で切りかえまくったらラグが生じるんだ。ラグが生じると姿はあるけど触ることとかは出来ないんだ。
そして少し遅れて糸の軌道を再現し始める。君の言う通り消耗物凄いんだよねこの技。
最初は太陽があったから楽だったんだけどね。それでもラグでよけれる限界はあるし、太陽が雲で隠れちゃったしね。光源を用意する必要があるんだけど、ただのライトとかだと速度も遅いし、余波ですぐ消えちゃたりするから結構位階の高い魔法で光源を用意しなきゃ行けないんだ。それで、バフ件光源の太陽の息吹さ。
でも、魔法だとやっぱ僕の魔力とかがまじって他の人にも極限まで目を細めれば見えちゃうんだよね。それで僕の攻撃に反応するために眼を強化したた君は目を細めなくても見えるから気がついたんでしょ?
でも、糸は何本か用意出来るし、その上で能力にある程度気がついたくらいじゃ対処出来る筈無いのに、攻撃を処理しきれたのは凄いよ。
しかも、精霊の手で掴まれたら何故か糸に干渉出来なくなったし。
ひひっ、やっぱ凄いよ……君……♡♡♡」
再び目がとろんとなる。やっぱやべぇよコイツ。早く殺さないと!
「なんか他の糸に移ろうとした時、移ろうとしてる糸の軌道がめっちゃ目立つようになるんだ。それでも捌ききるのはキツかったがな。まあ、遺言終わり!コロシマス!!」
精霊の手でストロエリーの首を潰す。疲れた。強かった。ここまで強いのは中々居ないと思うが、もしこんな感じの戦いが続くとかなら相当地獄じゃないかこれ。
「勝者は!ヴィオリカー!!あの高速攻撃を良くも見切ったー!」
観客が沸く。すんごい沸く。耳が痛え。歓声の衝撃で傷抉られんじゃないのこれ?
金棒を手に持ち地面に打ち付け、爆音を鳴らす。観客はそれに気がついて静かになる。
「すっー!!勝ったぞー!!!」
『うおぉぉぉぉ!!!』
それはそれとして勝利の雄叫びはあげる。やって嬉しいんやもんやっぱり。観衆の目がなかったらひとりでシャドーボクシング始めそうなくらいには嬉しい。
「アストールの祝福!」
理事長の声が響いた瞬間。傷が綺麗さっぱり無くなったし、装備も元通りになった。なんかストロエリーも生き返ってるし。
傷と一緒に疲れも消えたが、それでも精神的消耗ってもんはある。早く観戦席にでも言って休もう。
他他他丹他丹丹他丹丹は個人的にナイスなネーミングだと思ってる。
本当は踊って無い夜をしらないってしたかったけどルビが10文字以内だったから諦めた。分けてルビ振ればいいのかな?




