第36話 夢心地
路地裏を抜け出しセツナを探す。相変わらず密度が凄いな。セツナを見つけられるか分からないぞ。
周りをキョロキョロしてると、なんか怪しそうな魔法薬店の横にある路地裏からセツナが手を振っている。あそこにいたのか。
セツナの方へと小走りで向かう。路地裏に入ると直ぐに鼻腔を悪臭が襲ってきた。マジでくせえ。腐臭みたいだ。
こんな所にセツナがくるとも思えないが。実際にそこにはセツナがいるのだ。
腕で鼻を抑えながらセツナの元へと向かう。臭すぎるだろ!涙が出てきた。
セツナの元へと走り続ける。ずっと走り続ける。だが一向にセツナの元へはたどり着かない。
ちょっと疲れてきたな。休憩でもしようか、と思ったその時、シュンと音が聞こえた。瞬間、目線が傾いた。横には紫辮髪がいた。瞬間、俺の意識はなくなった。
1511年12月25日 PM2:31
・・・セツナ視点
今は12月だからなのでしょうか。私が住んでいたスカージネス領では多分凍えるような寒さでしょうね。でもサラエは暖かいですわ。雪もあまり降っていませんし。
なんで思いつつ私は買い物を楽しんでいますわ。
そろそろ鍛冶屋から出てきた頃でしょうか。鍛冶屋がある路地裏の隅に潜んで驚かせましょう。いつもの仕返しですわ。
ヴィオリカが来ましたわ。「わっ!!」あれ?反応しませんでしたわ。ヴィオリカはもの凄い速さで魔法薬店の横にある路地裏に走っていきましたわ。もう、なんですの?
ヴィオの横顔を見てみる。相も変わらず男の子なのに可愛らしい顔ですわね。ヴィオのあとを歩いて行く。せっかく買った靴を汚したく無いですからね。
路地裏につくと、またもや悪臭が襲う。うう、ヴィオは何でこんな場所に来たのでしょうか?服に臭いがついてしまいますわ。でもヴィオがこんな所に来るということは何か理由があるのでしょう。
ヴィオは何か立ち尽くしていますわ。何かきな臭いですわね。こここそ魔慧と呼ばれる私の出番ですわね。
眼に魔力を宿し、ヴィオリカを見つめる。すると、ヴィオリカの魔力は何か濁っているようにセツナには見えた。
これは、何か危なそうですわね。彼の元へと向かわなければ。ッ!!危ない。紫髪の辮髪男に見つかるところでしたわ。急に出てきましたわね。
冒険者ギルドで決闘をしていたあの男ですわね。あの決闘を見ていた限り、あの男の動きは物凄く速く、そして力強いですわ。決闘では本来の10%にも満たない力を出していたのでしょうね。
瞬間、ヴィオリカの首は飛び、紫髪の辮髪男は消えた。
セツナは困惑した。あの紫髪の辮髪男は先程何をしたのだろうか。ヴィオリカは何故殺されたのだろうか。頭が幾多もの思考に占拠され逆に真っ白になる。
結果、セツナは涙目になる。付き合いは短いのだが、自らの秘密を吐露し、信頼を置いている者であるのだ。
セツナは大人っぽい為忘れがちだが、10歳の少女である。無論、人の死を見るのはこれが初めてである。
セツナは目から出ようとする涙を抑え、ヴィオリカの遺体の元へと走る。辺りにはヴィオリカの頭が転がっている。
あの男の技術故か、血は余り出ていない。
血の匂いとヴィオリカの頭、セツナは再度ヴィオリカの死を確認する。セツナのダムは決壊し、涙が濁流の様に押し寄せる。
泣いてもヴィオリカは戻ってこない。
主人公は一瞬で蘇るんで心配しないでください。
まぁ...一瞬ね?一瞬全てのプロットをぶち壊してこの物語をセツナがヴィオリカを生き返らせる物語にしようかなぁ?とは考えた、




