第32話 ナンム海底谷、読書、キュア野郎
太陽はまるで私を見て!とでも言うようにさんさんと照っている。海は優しく、優雅にさざめき、何でも包み込んでくれそうだ。そして・・・
隣にいるセツナは今にでも吐いてしまいそうだ。
「キュア!キュアをかけてください!!」
「キュア、てかさ、あのそろそろ船酔いに耐性つけてくんない?正直面倒くさいっす。」
「はい・・・」
はぁー部屋に戻ろー
「待ってよ、貴方が、貴方が居なくなったら・・・私・・・」
セツナは目を潤わせ、上目遣いでこちらを見てくる。正直言ってかなり可愛い。
「絶対吐きますわ!!ウッウプ」
先程までと違い1ミリも可愛らしさねえな。
すると、ブォォォォ......という船の汽笛の音が聞こえる。
「まもなくナンム海底谷に入ります!」
ナンム海底谷って何だろうかと気になり、そこら辺にいるThe海の男っぽいおっさんに聞いてみる。
「ナンム海底谷って何ですか?」
「ナンム海底谷ってんはリヴァイアサンだのおっそろしい魔物がたむろしているデカすぎる海底谷の事だ。」
リヴァイアサンとか・・・やめてくださいよー!僕そういうの苦手なんですってー笑笑
態々そんなおっかない所に入る理由がないじゃないですか笑笑
「何だってそんな所に入るんだって顔してるな。ナンム海底谷の隅っこを掠めてサラエの街に行くことになる。ナンム海底谷にはおっそろしい魔物達がいるが、そんな所だからか、それなりに知能があったり強い魔物は絶対に近づかないんだ。近づくとしたら知能のない弱小の魔物だから気にする事は無いからな、逆に安全って訳だ。」
へー、こりゃ良いトリビアっすわ。まぁ隅っこを掠め取るんだからリヴァイアサンとかには合わないだろ。
「ありがとうございますわ。とても為になるお話でしたわ。」
俺と態度違いすぎじゃないかセツナ?物腰柔らかすぎだろ。仕方ないので不服そうな眼でセツナを見つめる。あからさまに無視されてるよ。悲しいなぁ。
部屋に戻って本でも読んでようかな。この『マタタナの奇妙な屋敷』という本を読んでみよう。金にモノを言わせて本を買ったのだ。紙が大事なこの世界において、本は実に高かった。
部屋のドアを開ける。窓を見ると、部屋が船の下側にあるからか、海の中が見える。実に綺麗で幻想的だが、ちょっと下の方を見てみると底が見えなく、吸い込まれそうな感覚を覚える。
海洋恐怖症の自分は、海がマジで苦手だ。だって怖いんだもん。
底が見えないってのが更に恐怖心を掻き立てる。上から海を見ると、青を通り越して深淵を思わせる黒色になり、更に怖い。だけど、鉄腕〇ASHのD〇SH海岸とか面白くてみちゃうんだよな。まあそんな些細な事・・・ふかふかベットの魅力には勝てないんですけどね!
景色は綺麗だし、ベットはふかふかだし最高な読書日和なんだよな。
さーて、読むz「キュアくださーい!!!!!」
チッ




